克服
ヒトゴミ、 その人混みじたいが問題である。
私たちの生きているこの世界、
どれだけのヒトがいるのだろうか、
数としては、皆さんもだいたいご存知の通り、
たくさんいます。そう、 星の数ほども。
そのたくさんの人々に、
否応なしに出会ってしまうこと、
そのことが、怖いのです。
私は今までの三〇を越える年月を生きてきて、
少しづつですが、身につけたものがあります。
そのものは、小さい頃からずっと夢見たこと。
毎日の訓練を怠らず、励み、
そのものを観察し、たまに、試してみること。
そうして、幾度とない失敗を繰り返し、
我が身を傷つけ、あるときは、
家族を傷つけ、
また、あるときは、
他人をも、
私は、
そんな事をしてしまったヒト。
私は、自分を許すことが出来なくなってしまっていた。
その事に気がつくのはまだ先のはなし。
さてと、
話をもとにもどしていきます。
最後の理由、第三の理由です。
これは、第一の理由と類似しますが、
アタマの中で反響したあのコトバを感じとった事についてです。
ヒトゴミの中に一人で居るときのあの気持ち。
今、その瞬間、その場所に自分が、一人だということを、
思い知らされる。
そのときのココロの中は、
寂しさと悲しみがカギリナク広く漂う。
自分に足りないものを、
この人たちは、全てをてにしているのだろうか、
と、考えた途端に、私のココロは、とてつもないほどの絶望に支配されてしまう。
その場に立っていられないほどの絶望。
足を踏ん張り、自分の持っているだけの気力と体力を集中させる。
そうすることで立っていられた。
ついこの間までは、この事をぬぐい去ることが出来ないでいたのは、
事実なんです。
しかし、
今は、 その気持ちを克服することが出来たのです。
それで、 私は、 前より少しだけ強くなれたと考えました。
さあ ひとまずシャワーを浴びてこようかな
何をするかはそのあと考えよう
わたしは、
寝室のドアを開けて、 キッチンを通り抜け、
浴室に向かった。
今日の1日晴れならいいなあ
と想いながら。
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