ぽっちゃり5
フルゥが新たな家族入りしてから二年後。
フルゥと協力して、着々と薬草を増やし畑を拡大しました。
安定して育つように緑の魔法や持つ属性を使ったりして、私の魔法もどんどんレベルアップした。
さらには、精霊さんに勧められて精霊魔法もマスターしました。
育った薬草でたくさんの薬を作ったりして、領内で販売したりして、私のお店を出してみたり楽しかった。
ここで驚いた事にフルゥが、吸収した薬草を体内で調薬できるみたいでお薬や化粧水など大量に作れたんです!まさに、万能スライム…!
楽しい事をしつつも、マナーや基本的なお勉強も修めました!
基本的なお勉強で前世の記憶は結構役に立ち、もはや、学ぶ事が余り無いくらいです。
さらに、将来十歳を過ぎれば領地経営も学ぶ運びになりました。それまでは復習程度です。
そして、五歳になった現在。
父さまは不本意らしいですが、私と婚約者候補が対面することになったらしいです。
お相手が父さまの親友の息子さんで、お相手にすがり付いて頼まれたとか。
勿論、私が嫌ならば断って良いそうですが、その息子さんも私が嫌だったりすると思う。
私自身が言うのも今さらですが、私おデブさん…というかぽっちゃりさんですからね。
この年になるまでに来た家庭教師の方々で分かりました。
父さまや使用人の居ないところでの先生方の私への悪口が凄かったですし。
やっぱり貴族は見栄の塊だと、なんだか納得しました。
私が早くにお勉強を修めたのは、あの先生方に二度とお会いしたく無かったからですし。
まぁ、いつ知ったのか分かりませんが父さま達が先生方を最後には手厳しく切り捨てていたので、逆に可哀想でしたね。
脱線しましたが、今日婚約者候補様とお会いするんですよ。
しかも社交界デビューも済ますんです。
なんでも今日は王太子殿下のお誕生日らしく、その場をお借りして初顔合わせ。
近衛騎士団長のご子息様で、王太子殿下のご友人。
まぁ、後は王太子殿下の部下決定してますよね。
つまり、かなりの有望株です。
何故父さまと近衛騎士団長が親友なのかかなり気になるところです。
「メルフィリア、本当に嫌ならすぐに言ってくれて構わないからね!
父さま即刻断るから!」
「お嬢様、一切の遠慮はいりません。
断って良いのですからね?」
『ぷゅぷゅぷーぷぅ!』(ちゃんといってね!)
…皆、断ってほしいんですね。
「教師の時みたいに黙ってちゃ駄目だよ?」
父さま…私が先生方の事黙ってたのまだ根に持っていらっしゃるんですね…
「大丈夫です。さすがに一生の問題ですからちゃんと言います」
「約束だからね?」
心配そうな父さまをぎゅう…と抱き締めてニッコリ笑います。
「大丈夫です。先生方の事もあり、私とご一緒したがる貴族なんていないと分かったではないですか。
あちらもさっさと離れますよ」