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ウィ・ハブ・コントロール! シーズン4! ―空軍・海軍・姫・王子―  作者: フリッカー
ラストフライト:発動! オペレーション・POP!
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セクション07:帰ってきたミミ

『――って、なんや!? ミサイル警報!?』

 直後。

 ビクセンの通信に、警報音が混じった。

『ど、どこから――』

 戸惑っている間に、どこからともなく飛んできた見えないミサイルがビクセン機に命中。

 撃墜判定を知らせる音声が聞こえてきた。

『そ、そな、アホな――!?』

 速度を落とし続けたビクセン機は。遂に失速。

 眼下の海に吸い込まれるように、機首を落として空域から姿を消した。

『な――リューリ!?』

 動揺したのは、ロックだけではない。

 ブラストチームやアイスチームの面々も、予期せぬ援軍に驚きを隠せていない。

 ヴィフィングは、速度を落として相手を追い抜かせる関係上、速度エネルギーを失う事自体が致命的な弱点となる。

 だが、肝心の護衛機は他のシーハリアーに釘付けにされ、チーター機は役割の関係上空戦に参加できない。

 この場には、ビクセン機の背後を捉えられる者はいないはずなのだが――

『敵、1機撃墜! この識別信号は――』

 ピース・アイが言った直後。

『不用意にスピードを殺すからこうなるのですよ。この程度の女があなたの自慢なのかしら、シーザー?』

 この場にないはずの声が、無線で流れてくる。

 それを聞いて、ロックが言葉を失った。

『ようやく来てくれたか!』

 と、ミステール。

『へっ、遅ぇじゃねえか!』

 と、どこか嬉しそうなバズ。

「信じて待っていたよ――ミミ!」

 そしてツルギも、そう言って顔を上げた。

 シチュエーション・ディスプレイに映る、新たに駆けつけた1機の機影の方角は後方。

 空を切り裂き、1機のミラージュがウィ・ハブ・コントロール号に追いついてくる。

 すぐ左を通り過ぎる。

 その尾翼に、スルーズ家の王旗が描かれていたのを、ツルギは見逃さなかった。

『姫様が――姫様が、帰ってきたあああああ!』

 フィンガーが、歓喜の声を上げる。

 三角の翼を閃かせるそのミラージュ――ミミ機は、空中給油を成功させ、約束通り合流を果たしたのだ。

 予期せぬ援軍に、シーハリアー達は戸惑って機動が揺らぎ始めている。

 その内の1機――バズ・ラーム機の背後にいたシーハリアーに、ミミ機が飛び込む。

 パイロットはその機影に気付いたようだが、回避行動を取るにはあまりに手遅れだった。

機関砲発射(ガンズ・ガンズ・ガンズ)!』

 シーハリアーの無防備な背に、見えない弾丸が浴びせられる。

 なす術なく撃墜判定を取られ、落ちて行くように離脱していく。

 そんなシーハリアーを尻目に、優雅に弧を描いて上昇していくミミ機。

 敵より上手に陣取り、空戦を有利に進めるためだ。

『遅くなって申し訳ありません。皆さん、大丈夫ですか?』

『はい! このくらい、どうって事ありませんよ!』

 そこへ、フィンガー機が合流して編隊を組む。

『無事に、空中給油ができたんだね、姫』

 ミステール機も、それに続く。

 彼女の言葉を聞いたミミは、ふふっ、と照れ臭そうな声を漏らした。

『あの姫様が空中給油を成功させたなんて、ちょっと信じられません……やる前はおどおどしていたのが嘘みたいです』

「いや、信じられない事じゃないさ」

 ピース・アイの問いかけに、ツルギが答える。

「スルーズ空軍空戦10箇条第10条、『自分を信じろ、惑わされるな、そして、あきらめるな』……それを守っただけなんだから」

 そう、単純にそれだけ。

 彼女は、あの状況でもあきらめなかった。だからあのプレッシャーに打ち勝てたのだ。

 彼女の空中給油を見ていなくても、それだけはわかる。

『なぜだ――なぜここに来れたフローラッ!』

 そんな時、声を荒らげたのはロックだった。

『来れたも何も、空中給油をしてきたからに決まっているでしょう?』

 散々苦戦した反動なのか、妙に得意げに語るミミ。

『嘘だ! 今のお前に、空中給油など不可能なはずだ……! どんなずるい手を使ったっ!』

『ずるい手とは失礼ですね。そんな事をしていたら、私はもう退場していますよ。嘘だと思ったら、トライスターに問い合わせて見なさい。向こうは一連の空中給油を全てビデオカメラで記録していますから。私は逃げも隠れもしません』

『く……っ!』

 そのやり取りは、以前までと完全に逆転していた。

 どうやら頭に血が上りやすいのは、弟も同じらしい。

『いいだろう……! ならここで白黒はっきりつけようじゃないかっ! 本当に選ばれた者はどちらなのかをな――っ!』

 堪忍袋の緒が切れたとばかりに、ロック機が全速力でアイスチームに向かってくる。

 そんな弟には眼もくれずに、ミミは声を上げた。

『全機に告ぐ! これより指揮権は私が引き継ぎます! アイス4は対艦攻撃の支援を続行! 残りはここで敵戦闘機を阻止!』

 凛とした声で響く指示は、まさに王女の風格そのもの。

 それを聞いた味方の誰もが、戦意を高揚させた。

『了解です、姫様!』

『アイス3、了解』

『アイス4、了解っす!』

 自然と、メンバーの返答にも力が帯びる。

 もちろん、ツルギも例外ではなかった。

『ブラストチーム、ここは私達に任せてください! さあ、先へ!』

「ブラスト1、了解! みんな行くぞ!」

「ウィルコ!」

『ブラスト2、了解。兄さん!』

『おう!』

 たちまち始まるアイスチームの戦いを尻目に、2機のイーグルはアフターバーナーを点火して空域を離脱する。

 ミミは、立ちはだかる最大の障害を乗り越え、自分達の前に戻ってきた。

 ならば、自分達もそれに報いなければ――

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