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異世界への行き方~出発の前に~  作者: レベル1のスライム
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発見!?

「ゴニョゴニョ。」


「ヒソヒソ。」


通学路。廊下。今いる教室。何処だろうと皆同じ話を誰かに確認するかのように話ている。


7月17日。


とうとう警察が動きだしたのだ。だからというもののクラスにいる同級生。


いや。この学校の生徒、職員の話題は自然とその話となっていた。

もう大規模に言うと恐らくここ。緑森市に住む人間は例の事件のことを考えていない人はいないのではないか?さすがにそれは大袈裟か・・・。


とにかく今もなお俺のすぐ前。すぐ後ろ。すぐ右からその話が四方八方、耳に届くのだ。左は窓だから左はないが。


そんな俺は例の如く朝のHRが始まるまで机に突っ伏していた。確認のためだが寝てはいない。

そして思うのだ。何故 人間は1つの異変でこうも盛り上がれるのであろうか?


平和ボケか?


平穏に慣れすぎている証拠である。

とは言う俺も1週間前に今の事件をとある生徒二人から盗み聞きした時テンションは上がったのだが。


あの日。(1週間前)俺は家に帰るが早々失踪事件について調べた。


だが、結果としては5時間もの時間をかけたのだが収穫は0に近い。


まず“緑森市の事件”とキーボードを叩きネットで調べた。だが、出てくるのは


“緑森市盗難多発”


だとか


“女子学生のスカート内の盗撮容疑で35歳の男性逮捕”等々。


どうでもいい情報しか出てこない。その他にも打ち方を工夫して再度検索してみたものの結果はたいして変わらず。


次に新聞に目をつけた。闇雲に探さず1カ月間分のだけにした。と言っても1カ月分の新聞を家の中から探す気力もなかったのでしかたなく地域の図書館へ足を運ぶことにした。


「今日までの1カ月分の新聞をください。」

係の人に頼み1カ月分の新聞を出して貰う。


必死に失踪という記事を探す。どんな些細な小さな記事でも見落とすことなく目を通す。だんだんと陽は落ち窓の外はすっかり闇に包まれた。図書館内でも閉館を告げる放送が流れていた。

館内は俺を含め6人程度しかいない。放送が繰り返されるたびに1人、また1人と扉をくぐり帰宅していく。当の俺はと言うとついに係の人に声をかけられるまで閉館時間だとゆうことに気が付かなかった。周りには誰もいない。


すいません。

一言詫び館内を出た。時刻は8時30分丁度だった。


7月ということもあって夜だというのにほのかな熱気が俺の体にまとわりつく。そこで初めて自分が喉が渇いていたことに気づいた。家に帰宅する最中の自動販売機でサイダーを買う。キャップを開け中に入っている液体を喉に流す。炭酸とゆうこともあり一回ではそんなに量は減っていない。


約4分の3の液体が入ったペットボトルを片手に掲げて俺は残りの道を歩く。


図書館での結果を言うとやはり0だ。

だがまだ残り3日分残っている。3日分なら家にある。と思う。


図書館には他社の新聞が3部ぐらいあり、それらを全て読んでいたら閉館時間になってしまったのだ。


家に帰ると早々母親に


「何処に行ってたの?」と聞かれた。別に怒ってるというわけでわなくただ単に心配していたという感じが見受けられる。


いつもなら晩御飯の時間には家に居るからであろう。ちなみに俺の夕飯は6時半だ。別に隠す必要も無いので図書館に行っていたことを告げる。すると母は「まぁ、珍しい。」と一言言って夕飯は食卓の上に準備してあるから。と教えてくれた。


「ああ。分かった。」

言って俺はリビングには行かずに洗面所に向かった。汗を多少掻いていた身体をシャワーで洗い流したかったのだ。


風呂に出るとパジャマに着替える。

黒の短パンとラクダがココヤシの木でくたばっているというなんとも言えないデザインのTシャツだ。

パジャマに着替えると多少濡れている髪をドライヤーで乾かす。


俺の髪型は目に多少かかていて、後ろは首の半分のところまで伸びている。長いようで長くない髪型だ。

髪の色素は黒。生まれ持った色。

よって、ドライヤーもすぐに終わる。


リビングに行き、準備された夕飯を頂く。食べ終わると歯を磨いて2階にある自分の部屋へと赴く。右手には家でとっている新聞3部がある。エアコンを付け早速勉強机に座りスタンドの灯りを点ける。机の上に散らばっている宿題のプリントやら教科書やらをどけ、新聞の1部をひろげる。

壁に掛けられている時計の音とエアコンの音だけが聞こえるという静寂。


どれくらいの時間が経ったのだろう?


机に置いてある携帯で時刻を確認。

午前1時10分という時刻が液晶画面に刻まれていた。集中力が切れると猛烈な睡魔が襲ってきた。新聞はそのまま机の上に広げたまま俺はベッドに倒れるように眠りに就いた。


机の上の新聞には1つの赤丸である記事が記されている。


2006年1月1日の新聞はたまたま俺が中学時代とあることで載った新聞だった。ので、自然と家にあったのだ。


“群馬県警察上村巡査消失不明”


その記事は俺の記事よりもはるかに大きく新聞の一面を飾っていた。



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