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異世界への行き方~出発の前に~  作者: レベル1のスライム
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事件の予兆

朝の長いようで短いHRが終わった。

相変わらず担任の教師は最後にどうでもいいことを言っていく。自分ではどうやら名言だとでも思っているのだろう。実に下らないことだ。


今日は

「勝敗を決めるのは己自身の欲に勝てるかどうかで決まる。」とのことだった。

大それたことを言っているものの意味としては

「お前等もうすぐ期末テストなんだから遊んでばかりいないでちゃんとやることやれよ。」という意味だろう。前置きにそのことを話していたのだから誰でも分かる。


そんな話が終わり担任が教室から出ていくと教室は1人の雑談で感染したかのように広まっていく。


まぁ、俺としては何もすることもないし友達もいないので机に突っ伏して寝たふりをしているのだが。

こうすることで人間とかの関わりを遮断しているのだ。 人間は嫌いだ。 いつでも己を棚に上げるような自慢話しかしない。そんな話に負けじと相手も己の武勇伝を語る。 結局人間は自分を可愛くて仕方がないのだ。それを分かってもらおうとそんな自慢話が生まれる。


“ハァ〜。人間ってつくづく醜い生き物だなぁ〜。”

心の中で何回俺はそう思ったのだろうか?

もう思ってないほうが少ないのでは?と思うくらい思っている。 実際はそうではないと思うが。


「なぁ。お前知ってる?」


「ん?何が?」


「最近ここ近辺で起きてる事件だよ!」


「事件?ここで?そんなんあったか?」


「俺も父さんと母さんが話てるの盗み聞きしたんだけどよ。なんか最近出たらしいぜ。」


「何だよ?幽霊がか?」


「消失者」


「はっ?何言ってんだよ?俺だってニュースぐらい見るし新聞だって読んでるがそんな話どこにも取り上げられてなかったぞ。それともなにか?俺が見落としてるとかか?」


「それはないと思うぜ。実際、世間にはまだ公表されてないって父さん言ってたし。あっ、俺の父さん捜査課の刑事なんだ。」


「ああ。だからか。まぁ、俺の父さんは消防士だからそんな情報こないから分かる訳ないか?」


「で、本格的な捜査は1週間後に行われるんだとよ」


「おぉ。緑森市も物騒になったもんだな。」


「~。」「~。」


まだ何か言ってるようだが、もう聞く必要はないか。机にうつ伏せになっている俺はそんなクラスメートの興味深い話を盗み聞きしていた。正直クラスメート等とは呼びたくないが。言うなれば同級生でいいか?


そうだな。

これからは、そう言うことにしよう。

に、してもつくづく人間の会話は、気分を害するものだ。さっきの会話にしても小さなことを自慢しているし。父親がなにしてようが 自分の自慢になるか?

いちいち親の職業なんか語るなや。そう俺は思うのだがどこかおかしいのだろうか?


まぁ、だからさっきの話は少々自分を抑えるのに苦労したものだ。


にしても消失不明とは、実に興味深い話だ。本当にこの事件?は平穏とは程遠いものだと思ってならない。何故かもう事件を調べることで頭が一杯だった。

1時間目の始まるチャイムが学校全体に響き渡る。と、同時に机に密着していた頭を上げる。


1時間目は数学だ





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