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消えちゃった 夫に代わって 追い払う

まだ1章の国内逃亡者編が終わってもないのにリメイク始めました



ちょっとは良くなってるといいな


えふぃあ(主人公)とえふぃあ(作者)は同じようで違うヤツです

"ケモパラ"で生きるケモノには分類がある。

魔獣(まじゅう)幻獣(げんじゅう)儚獣(ぼうじゅう)、、、他にもまだまだ分類はあるが、多いのはこの辺りだ。


"ケモパラ"はどこかって?


お前たち人間が暮らす世界を、私たちケモノは人間界と呼ぶ。


魔界(まかい)天界(てんかい)地界(じかい)、、、

様々な生命体が暮らす世界が、沢山ある。

私たちケモノが暮らす世界、"ケモパラ"もその沢山の世界の中の1つだ。


その"ケモパラ"にある国、ファリシアで「何でも屋 霜花(しもはな)」を営む、"ケモノのキメラ"がいた。

こいつの名は「えふぃあ」。魔法に囲まれて生活することを夢見ている。

今ようやく、何でも屋に初めての依頼主がやってきたようだ。


--------------------


???「ここが、、、霜花、、、」

ファリシアの再北東にある田舎の地域、エリアε。

その更に山の中という辺境の地にある霜花に、

ポケットが腹部に1つだけある青色のオーバーオールを着た、ジト目で更に死んだ目をしていて、短い体毛は茶色の牛の魔獣がやってきた。

彼女の名前はギミル・ブク、農業が盛んなエリアρで農家をしている。


ファリシアにはαからωと、中央城エリアの計25つのエリアが、基盤の目のように並んでいる。エリアεとエリアρはかなりの距離があり、霜花は山の中。それほど大事な用事があるようだ。


ブクは、丸型のドアノブを蹄型の手で掴み、時計回りに回す。そのままドアを引こうとするが、開く様子はない。

ブク「まだ開いてないのかねぇ、、、」

そう呟きながらドアから目を離し、周りを見渡してみると、外壁にかかった看板を見つける

ブク「OPENって書いてあるのにねぇ、、、」

再びドアを引こうとするも、ビクともしない。

押してみても、ドアノブを回す向きを変えても、音を立てるだけで、店の中は見えない。

彼女は建付けが悪いのだと思い、思いきり引っ張って見ることにした。

ブク「フン、、、!」

ドアはギシギシと鳴き声を上げるも動く気配はない。

看板は変え忘れていて、今日はお店をやっていないのかと、ドアを引く力を抜きかけたその時、ついにドアが開いた、、、横に。

ブクは、体重を後ろにかけていたため、そのまま横に倒れてしまった。


えふぃあ「依頼かい?いらっしゃい!」

ドアを開け、嬉しそうな顔を見せたのは、この店の店主、えふぃあだった。

ブク「引き戸ならドアノブにするなよ!!!」

さっきとは全く人、、、いや、ケモが違うかのような口調で、彼女は指摘した。


--------------------


えふぃあは、黒猫の尾だけ魚にしたような見た目をしていて、オレンジ色の瞳の中に、空色の楕円形の瞳孔が存在した。額には三日月を横にしたような模様、背中には肉球型に並んだ5つの丸模様、尻尾には背ビレと、尻尾に垂直に引かれた1本の太い線模様があった。全ての模様が紫色で、体全体を見ると黒と紫ばかりとなっているが、首元に巻いてある赤いスカーフで色合いを加えていた。

霜花の店内は何でも屋としては必要以上の広さがあり、入口と反対側の壁際にはハイテーブルとチェアがあり、テーブルの上は乱雑に置かれた紙で埋め尽くされていた。

また、入口から見て左右の壁には本棚や物置が並び、部屋の中心では広めのテーブルと、向かい合った大きめの赤いソファが存在感を放っていた。


えふぃあ「それじゃあ、、、名前と依頼を教えてね。」

えふぃあは、向かい合ったソファの片方に腕を組みながら腰掛け、ブクに質問を投げかけた。

ブク「私はギミル・ブクって名前でねぇ、依頼は畑をあらす幻獣を追い払ってもらいたいんだよ。」

えふぃあ「幻獣かぁ、、、農家っぽいけど?」

ブク「よく分かったねぇ、そうだよ。」

えふぃあ「マガイモの匂いがしたからね!」


マガイモとは、魔力が少量含まれているだけの、ジャガイモと何ら変わりのない作物である。


ブク「マガイモが好きなのかい?うちで育ててるからねぇ、少しだろうけど匂いが付いているかもしれないねぇ。」

えふぃあ「んで、農家なら畑荒らしの幻獣を倒せるケモノを、一・二匹は雇ってるもんじゃないの?」


幻獣は言語能力を持たない野生生物だ。

魔法を使わない代わりに身体能力が非常に高く、身体も大きいのである。

対して魔獣はというと、言語能力をもち、魔法はもちろん扱う、身体能力や大きさは個体差があるが、基本的に幻獣には遠く及ばなく、身長も1mを超えるような個体も少ない。

だから、戦闘魔法を覚えていない魔獣や、あまり魔法に向いていない魔獣は、幻獣に敵うわけがない。

そのため農場を経営しているような家庭では、家族に1匹は幻獣を追い払える実力者がいたり、雇っていたりするのである。


ブク「今までは夫がやってくれてたんだけどねぇ。元々女癖の悪いヤツだったからねぇ、他の女の所にでも行っちゃったのかねぇ。」

えふぃあ「そっか、、、依頼してもらっといてなんだけど、他のケモノを雇ったりは?」

ブク「最近、行方不明が多いらしいからねぇ。どこも警戒してか、幻獣関連の仕事を受けてくれないんだよねぇ、、、あんたも、不安なら受けないでくれていいからねぇ。」

えふぃあ「ふーん、、、ま、ウチは全部受けるから!ブクさんの農場の近くにいる幻獣ね!」

ブク「受けてくれるのかい、気を付けてお願いねぇ、依頼料は奮発するからねぇ。」

えふぃあ「あ、依頼料はキャスでもいいけど、ブクさんが等価交換と思うものなら、物でも行動でもいいよ!」

ブク「お客に優しいのねぇ。」

えふぃあ「この国に来たばっかだし、何でも屋なんてここ以外ないから、相場がわからないんだよねー。」

えふぃあは少し恥ずかしそうに笑いながら言った。


--------------------


何でも屋 霜花の屋根裏には、沢山の本棚があり、もちろん本が詰め込まれていた。魔導書(まどうしょ)から各エリアの観光スポットについて書かれた書物まで、多くの本があるようだ。


えふぃあは茶色のポーチを肩に掛け、金の輪4つを両手両足に装備し、屋根裏から1冊の本を持ってきた。


えふぃあ「ブクさんの農場は、、、この辺?」

えふぃあは、エリアρの地域ごとの農作物の収穫量について書かれた本を見せながら聞いた。

ブク「もうちょっと南西の、、、ここだねぇ。」

ブクは本に掲載されている自分の農場をゆびさした。

えふぃあ「わぉ、旦那さん一匹で幻獣狩ってた割には広いね、、、じゃ、行こっか。」

その本には農場の風景写真も載っており、えふぃあはそれを探していたようだ。


えふぃあの左足に付いていた金の輪が足から外れ、直径1m程の大きさになり2匹の正面に浮かぶ。輪の内側には農場の景色が広がっていた。

この金の輪はワーフープ。

行きたい地点の風景を、なるべく鮮明に思い浮かべることで、輪の中にワープゲートを開くことの出来る魔具である。


ブク「便利な物があるんだねぇ、、、」

えふぃあ「いいでしょ。そういえばここにはどうやって来たの?」

ブク「ドラタクで来たよ。」

えふぃあ「ドラタクって、、、速いけど料金が高いっていう、あのドラゴンタクシー!?」

どうやらブクは、大きめの農場を持っているだけあって、かなり裕福らしい。


--------------------


えふぃあ達はワーフープを潜り、エリアρにある、ギミル家の農場にやって来た。

エリアρは農業地帯なだけあって空気が澄んでいて、鳥の儚獣が穏やかに鳴いていた。

弱い幻獣のような生命体、儚獣。

家畜として飼育されていたり、その辺で野生の個体が生活していたりする。

幻獣とは違い、気性も荒くなく、一切危害を加えてくることはないが、一応魔法を扱うものもいるようだ。


ブク「きっと、あの林にいると思うんだけどねぇ。」

ブクは自分の農場の北西側を見ながら言った。

えふぃあ「林の方から来てたの?」

ブク「林側の畑だけ荒らされてたからねぇ。」

えふぃあ「ならあそこにいそうかぁ、、、とりあえずあっちでサチカしてみよっか!」


サチカ とは、近くに捜索物があるか分かる魔法である。

捜索物と言っても生物にも対応可能であり、反応する範囲も決めることができる。


えふぃあ<サチカ>

先程とは打って変わって、儚獣の「ぼ」の字もない、風でカサカサと草木が揺れるだけの林に到着した2匹。えふぃあは、発言通り魔法を使用する。

えふぃあ「ん、ほんとにいる、、、というか、すぐその辺に居そう、、、」

サチカの範囲はそこまで広げなかったが反応があった。つまりすぐ近くに幻獣が潜んでいるということである。

ブク「やっぱりそうかい、、、離れていた方がいいかい?」

えふぃあ「いや、近くに居てくれた方がいいかな、万が一襲われてたら助けやすいし、依頼を完遂したとこ確認して貰わなきゃ。」


えふぃあは幻獣を殺す気はなかったため、追い払ったところを依頼主に見せようとしたのだ。


いつ幻獣が飛び出してくるか分からない中、2匹は警戒しながら林の奥へと進むと、十数歩進んだ地点の近くでガサガサと音がした。

えふぃあはどこからともなく手斧を取り出し、音のした方向へと攻撃魔法を放った。

えふぃあ<きあいほう>

えふぃあが手斧の先から放った白い光線を避け、草むらから飛び出したのは、体長が3m程、えふぃあの5倍程はある、四足歩行の虎の幻獣だった。

えふぃあ「でっかぁ、、、」

えふぃあは驚きより、楽しみにしているかのように呟いた。

ブク「右の前脚に傷があるねぇ。」

ブクの言う通り、幻獣の右前脚の関節の少し上には、何かの刺し傷が残っていた。

えふぃあ「あそこに魔槍(まそう)も落ちてるし、前に誰かが追い払おうとしたのかな?エリアρは農家ばっかりだしね。畑を荒らされる前に何とかしようとしたのかも?」

そう言いながらえふぃあは再び攻撃を仕掛ける。

初速からかなりのスピードで幻獣に接近し、幻獣の顔の目の前で手斧を振りかぶる。

ブク「っ!あの魔槍は、、、ジャノクの、、、!」

えふぃあの戦闘の様子を目で追えていなかったブクは、まだ魔槍を視界に捉えていた。

一方えふぃあを目で追う事はなかったものの、えふぃあと同タイミングで攻撃を仕掛けていた幻獣が、爪を立てて左前脚を振り下ろす、

えふぃあは振りかぶっていた手斧でそれを抑えようとしたが、空中にいては分が悪く、吹き飛ばされてしまった。

えふぃあ「うわっ!無駄にデカいだけあんな!」

飛ばされながらも木に手斧を引っ掛けて、近くに留まったえふぃあは、幻獣の注意をブクより自分に向けりるように、大きな声で呼びかけた。

そんなほんの少しの努力も甲斐無く、幻獣の目はブクに向いていた。ブクは逃げることも、恐怖することもなくその場で崩れ落ちていた。


ジャノク、、、ブクの夫の武器が幻獣の近くに落ちているうえ、彼は行方不明。

死んでいると考えない理由があろうか。

しかし、"ケモノの死体は時間が経てば消滅する"。本当に死んでいるのか確認することも出来ない。

恐らく夫は、幻獣を確認して、いつもの事だと何も言わずに討伐に行ったものの、大敗を喫したのだろう。

それなのに、あろう事か浮気を疑い、どこも受けてくれないからと、長年幻獣と対峙してきた夫ですら敗北した幻獣を相手に、強いかもわからない何でも屋に依頼をしてしまった。

ブクは懺悔や後悔で目の前が真っ暗になる。


えふぃあ「ブクさん!さっきの嘘!ちょっと離れて!ブクさん!?」

えふぃあがどれだけ叫んでも、ブクは動く素振りを見せない。

ブク「もういいんだよ、、、私は、、、そいつだけ何とかしてもらえるかい、、、?」

俯きつつも幻獣を指さしながら、震え声で語るブクの変わりように困惑しつつも、再び幻獣に向かって駆け出した。

幻獣はブクを踏み潰してやろうと、右前脚を上げ、ブクの真上に持って来ると、そのまま全力で地面を叩こうとする。

間一髪、ギリギリの所でえふぃあが止めに入る。

両腕を使って抑えているが、限界は近そうだ。

えふぃあ「ブクさん、、、!」

えふぃあは、自分の背後にいるブクに攻撃が行かないように、ブクを尻尾で押しながら後ろに下がった。しかし、幻獣はそこで爪を出した、爪が落ちてくることを予測していなかったえふぃあは、顔を引っ掻かれてしまう。

えふぃあ「うわ、、、」

えふぃあの顔の左上から右下にかけて、大きめの切り傷がついてしまった。

えふぃあ「お前、、、この傷治んなかったらどうしてくれんだよ。」

先程までとは違う、少々怒りのこもった声で、右手に握り拳を作りながら、えふぃあは続ける。


えふぃあ「なんかブクさんも落ち込んでるし、さっさと終わらせんぞ。」

そういうと、右腕を振り回し、幻獣に向かって氷の粒をいくつか投げつける。

えふぃあ<アイスピア>

えふぃあがそう唱えた瞬間、投げた氷の粒が全て槍と化し、幻獣に向かって飛んでいく。

幻獣は左前脚を1度だけ振るい、かなりの数を払い落としたが、2本だけ取り逃していた。

1本はあらぬ方向に向かい、もう1本は幻獣の右前脚の傷に刺さった。

えふぃあ「お前運悪ぃな。」

傷なんて全く狙っていなかったえふぃあはそう呟く。

幻獣は痛みからか、唸り声を上げたが、直ぐに落ち着いて、大きな咆哮を上げた。

幻獣が咆哮を上げる直前から、えふぃあは深く息を吸い込み始めていた。そして、溜めていたものを放つように、幻獣の咆哮と同じタイミングで再び魔法を唱える。

えふぃあ<きあいほう!>

詠唱は幻獣の咆哮に掻き消されたものの、先程のきあいほうとは違う、より太く威力の高い光線が幻獣の顔に直撃する。


きあいほう 名前の通り、気合いが関係する、えふぃあのオリジナル魔法。

気合いを込めれば込めるほど、魔力の消耗は多くなる代わりに、威力は上がり、攻撃範囲は広がる。

そのため、全く気合いを込めていなかった1発目と、息を吸って気合いを込めた2発目では、威力も範囲も違うのである。


幻獣が少し怯んだ隙に、再び息を大きく吸い、

えふぃあ<きあいほう!!>

また吸い、

えふぃあ<きあいほう!!!>


少しずつ気合いがこもるきあいほう。

それに比例して威力も範囲も上がっていく。

ついに、最後のきあいほうを機に、幻獣はピクリとも動かなくなってしまった。

えふぃあ「やっと伸びたか、、、無駄にしぶといなお前、、、あ、ブクさん!」

思い出したかのように、ブクの方を振り向くえふぃあ。

ブク「まさかほんとに倒しちゃうなんてねぇ、、、ありがとうねぇ、、、」

ブクはこぼれ落ちそうな量の涙を蓄えた目でえふぃあを見上げ、、、いや、ブクは座り込んでいるのに直立のえふぃあと目線の高さは同じだった。


--------------------


ブクは依頼のお礼に、えふぃあの好物であるマガイモと、夕飯を振るうことにした。

2匹で倉庫に行き、大量のマガイモを霜花にワーフープで送った後、ギミル家への帰路についていた。

えふぃあ「あんなに貰っちゃってもいいの?しかもご飯まで?」

ブク「私が等価だと思うものなんでしょう?夫の仇も取ってもらったしねぇ。」

えふぃあ「仇?」

えふぃあはあの幻獣がブクの夫、ジャノクを殺した幻獣かもしれないという話を聞かされていなかった。



数分程、ファリシアに来たばかりのえふぃあに、ブクがエリアρの観光地を教えながら歩いていると、ギミル家が見えてきた。

もうギミル家も目と鼻の先という所で、家から牛の魔獣の少女が飛び出てきた。

少女は2匹に向かって走ってきて、えふぃあに抱きついた。

???「ママ!行ってらっしゃい!」

えふぃあは少女の発言に理解が及ばず、完全に硬直してしまった。

ブク「この子は私の娘で、アノマって言うんだけどねぇ、、、昔、悪魔獣(あくまじゅう)に騙されて、契約させられちゃってるんだよねぇ」

えふぃあ「悪魔獣と、、、契約?」

ブク「"真実の目"って言うの?を悪魔獣から与えられて、"あまのじゃく"にされたんだよねぇ、、、」

リメイク前のを見たらすぐ分かりますが

悪魔獣に騙されて、あまのじゃくになった少女。

えふぃあは今後一体どうするんですかねぇー?

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