うどんを食べて、うっ、どんより
わえはテストだぞおめぇ、これを受けたらビッリダ
おろろんちょぱ〜
全治二週間! 勉強に置いていかれるよぉ〜学校に行っている子ならね!
歩けない私は車椅子に座らせられ、その目の前にはH&Eのちょび髭おじさんが座っている。
車椅子ってなんかいいよね、ブレーキのレバーがMT車みたいで私のロマンが疼く。
「君のお陰でこの街も私達も助かった。心の底から、感謝を申し上げる」
「どうもどうも、それじゃ今度ラーメンでも奢ってよ」
「…先輩、ここは敬語の場面です」
「…ラーメンじゃなくてパスタって事?」
スーから教えて貰った。優しそうなお金持ちには強請りまくれと。
ニコニコしていてこの人は優しそうだから教えを実行してみた。
「私は特別偉い人間という訳ではない。そう固くなる事はないよ、ハナメ」
「…人事長が何を言いますか」
この二人…キンジ君もこのおじさんと知り合いだったらしい。
よくよく見てみると二人の服にはH&Eのロゴが入っていた。
「君達には非常に迷惑を掛けてしまった。本来の任務であったモグラの聖遺体討伐に、あの様な質の低い部隊を向かわせてしまっていた事も心から謝罪する」
「! そうだよ!あの人達は私の相棒を侮辱したんだからね、激おこだよ!」
「彼らには相応の罰を与えるつもりだ。君達を危険に晒した上研修生を置き去りにして、更に任務遂行の妨害までしたのだから」
本当に申し訳無さそうな顔をしている。
あの貧民街の大人達と違うその態度にどうすればいいのか分からない。
「さて、話は変わるのだが、君は現在国に所属する傭兵と聞いた」
「…そうだね〜一週間前くらいに登録したの」
「単刀直入に言おう、H&Eに来ないかい?」
「無理です」
「…理由を聞いてもいいかい?」
理由、そんなの一つしか無い。
「相棒が、決めた事だから」
「そこに自分の意思は」
「相棒の意思が私の意思、だから意思はあるよ」
そう言えば、昔誰かに言われた気がする。その関係は歪だと。
けれど、何も無かった私を、道端の石で終わる筈だった私を掬い上げてくれたスーの為にこの命を使いたいと思ったから。
「そう言えばスーは何処に?」
「そこまで言ってくれる癖に今まで忘れてたの…?」
「スー!どうしたのその怪我は!なんでソファーの後ろで寝てるの!?」
「質問は一つずつね〜」
両腕を包帯でぐるぐる巻きにしたスーがおじさんの座るソファーの後ろから転がりながら現れた。
「私は私の方で聖遺体とやり合ってただけ。腕もただの腱の断裂だよ」
「全然だけじゃなーい!」
健の断裂、それも両腕なんて想像したくも無い。
なんでスーはこんなに異常なほど痛みに強いの!?
「じゃあ、私は先に帰ってるから」
「え〜一緒に帰ろうよ」
「そうしたいのは山々なんだけどね。少しやる事が出来ちゃったから」
「やる事?」
「うん、ある子に会いに行こうと思って。とある英雄の原石にね」
英雄の原石…私がスーと初めて会った時にもそんな事を言っていた。
どうしてスーはこの平和とはいかなくても、穏やかな世界で、英雄を求めるんだろ?
「あとホシモチ、忠告しておくよ」
「ん、なにな?」
「周りに気をつけてね、特に街の外では」
………私、今殺害予告された…?
「麺を食べるのは面倒だ!」
「お〜いいね〜」
「…お労わしや、兄上」
「これは降格か…」
「やめて〜!?」




