トマトジュース殺害事件!
「この中から探すのは骨が折れそうですね、粉々に」
想定が甘かったと言わざるを得ない。本体を探せと言われ私達は付近の町に着地した、だが私達は相手に関する一切の情報を持っていない。
それに自分の魔法を他人に教えるのは危機感の欠如。
過去には一人の人間が持つ魔法を求めて戦争が起きたことがあると聞いた。
故に、唯一の魔法という情報も使えない。
どうしようか考えているとハナメちゃんから声を掛けられる。
「ホシモチさん、捜査の基本は相手と同じ思考で考える事です」
「ハナメちゃん…」
「私に任せてください、昔からこういうのは得意なんです」
するとハナメちゃんが突然キンジくんの服を脱がせ始めた。
「急に脱がすなぁ!」
「兄さんのトマトジュース貰いますね、ペロッ、相変わらず不味いですね」
「勝手に飲むなぁ!」
急に兄妹で微笑ましいやり取りを始めた、一瞬その雰囲気に流されたが気を持ち直す。...いい腹筋だなぁ。
「ハ、ハナメちゃん/// これは…」
「ホシモチさんのお仲間はあのモグラを失敗作と言ってましたよね。なら成功作、つまりあのモグラ以上の存在がいるという事です。敵は強大な力を持つ存在を使役するために探しているということです」
「…なるほど、それでキンジ君を脱がせたのはどうして?」
「演出です」
??? 演出とは…?
必死に考えている私を他所にハナメちゃんはキンジくんを床に寝かせる。
そしてハナメちゃんがキャップを開けてトマトジュースを大爆発させた。
「きゃあああああ!!!」
「…計画通り、とはいえなかなか唆られる反応をしますね」
500mlのペットポトルからは有り得ない量のトマトジュースが爆発四散した。
辺りー帯がトマトジュース塗れだ。咽帰る様なトマトの匂いがする。
そして一番近くにいたキンジ君は心配になるくらい真っ赤だ。
「キンジ君大丈夫なの!?」
「兄さん!兄さん!!目を覚ましてよ!!!」
「えええええ!?!?」
これ今君がやったよね!?
驚き過ぎて混乱している私と泣くハナメちゃんでもう阿鼻叫喚。
そんな事をしていると辺りに人が集まる。
「空から!何かが飛んできて、兄さんを!うわあああん!」
「落ち着いてくれお嬢ちゃん、今医者がこっちに向かってる!」
やばいやばい!もしかして本当にハナメちゃんも想定外の事故が起きたのかもしれない。
「誰か!!この子を助けて一!」
「安心してくれ、私が来た」
後ろから声を掛けられ振り向くと細身の銀髪のお兄さんがいた。
どうやらお医者さんが来てくれたみたいだ。
「ここで何があったんだい?」
「空から急に、羽が生えて、ツノがある悪魔みたいなのが、」
「...へえ、どっちに飛んで行ったかは分かるかい?」
「知らないです、全部嘘なので」
「な、へごおお!!」
???…!!!
怪我していたはずのキンジ君が起き上がりお医者さんを殴り飛ばした。
そしてハナメちゃんがハンドガンで追撃、弾丸は頭を貫いた。
「えっ?なん、え?」
「ホシモチさん!あれが敵です!」
「血の匂いが拭いきれてねぇよな!」
………理解出来ぬ、もう無理ぽ〜
「普段からしていた探偵ごっこが役に立ちましたね」
「お前は割と犯人寄りだろ」
「確かに、人を罠に嵌めて足掻いてるのを見るのが一番楽しいですし」
「…お兄ちゃんはハナメが心配です」




