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コンシェルジュコマンダー

あぁ、誰かこの銃を運んでくれる人いないかなぁ。

銃で両手が塞がっているといつもそんなことを思う。ガンスリングに掛けていると、歩くたびにガタガタと足に当たって鬱陶しい。かといって手に持っているのもストレス。私は手をグーの手にするのが気持ち悪くて苦手で、寝る時もマットレスにパーの手で押しつけて、指が曲がらないようにしている。


話が少しズレた。つまり、謎のモルントルンさんが持つ『仕舞』みたいな便利収納術が欲しい。欲しい時に入れられて、欲しい時に取り出せる。

モルントルンさんは帽子に亜空間を作ってこれをやっていた。

しかし、他人の固有魔法を模倣して使うのは不可能。ないものねだりだ。


だけどもし、それができるなら。

私が求めている英雄の原石、『霊耀』の魔法使い。

昔の人は魔力保管庫という装置で誰もが亜空間を作り、そこに物を収納していたというのを本を読んだことがある。一度読んだだけだから詳しいことは覚えていないが、そういうものがあったというのは多分事実のはず。


しかし、それを作ることができたならば、私たちは確実に強くなる。

今回の私みたいに重量制限で狙撃銃を持てないとかもなくなる。武器の切り替えもスムーズ、相手の視界に入らない武器庫だ。

そしてさらに、最大のメリット。


それを売れば億万長者になれる...!と私は安直に考えた。

最初にスマホやガンを治す薬を作った人は、さぞ儲けたに違いない。

そして経済が強い国は軍隊も強い。Power is moneyとよく言うだろう。


ただしかし駄菓子菓子、一つ困ったことがある。

私にはその人の顔も、名前も、年齢も、性別も分からないということ!

魔力保管庫のことは本で見た。だが『霊耀』の魔法使いの情報は、私の師匠から聞いたに過ぎない。そしてその話を聞いた時、その人は既に故人だった。

だから私とその人の繋がりは師匠のみ。なら師匠を見つければ芋づる式で収穫できる。そう思ってなんとなくでスーパーロスまですっ飛んできた。


だがしかし駄菓子菓子、一つ困ったことがある。

私が師匠と出会ったのはまだ中学生の頃。つまり、今どこに住んでいるのか全然知らないというと!


AKM片手にさながらテロリストである私の風貌を建物に隠して辺りを伺う。探している店の名前は『Un Menhir Ceasar』意味は帝王の円卓。


「おっかしいなぁ、レーズン通りでお店を構えていたって言ってたのに」


あの人はお酒が入ると同じ話を何回も何回も繰り返す。

その時決まって話すのが『Un Menhir Ceasar』という飲食店のこと。

私は大統領の口に手料理をぶち込んだ女なんですよーとか言ってた。

...それでも、師匠と一緒に飲むのは楽しかったなぁ。


感傷はいらない。この後の一手を失って崖っぷちだ、なんならさっき落ちてるし。次の一手を、崖っぷちから上がるために手を伸ばさないといけない。

ベレッタを左手に、手持ちサイズまで縮めた錨を右手に構える。

一段楽は人堕落、かもしれない運転で行こう。


たとえば、急に軍人が角から出てくる...な〜んてありえないけどね。

自分の通り道の痕跡は消してきたし、追ってこれないようにトラップを巡らしてきた。あれを無傷で突破することは不可能。

 

「愚かだな、オリガ・スミルノフ」

「トラップを仕掛けるなんて卑怯者ー!!」


壁に反響して聞こえる、明らかにヤバそうな声たち。

くっ、今のはフラグだった!こんなホシモチみたいなミスを...!


錨を操作、曲がり角から出てくる女の首根っこに引っ掛け上に押し上げる。そして女を狙った銃声が響く。私は敵のマグチェンジの隙に勝負を決めようと全速力で前に出る。

しかし私の体は左脇腹への衝撃で止まらざるを得なくなった。


「っ!跳弾ってフィクションじゃん」


しかも金属じゃなくてレンガに当てての跳弾、どんな神技だ。

...錨で建物上まで運んだ女は、私と軍人の上を徘徊している。

軍人にやりかえさないと気が済まないといったところ...トラップ仕掛けたの私だから報復するなら私?

そんなことを考えていると、軍人が角から出てくる。

天気が悪くて暗いからシルエットしか見えないが、その軍人は話し始める。


「民間人が軍人から隠れるような行動をとった場合、即時に発泡の許可を己の判断で出せる」

「なにそのイカれ軍規!」

「正しく生きればいい、それだけに過ぎない。これに困るのは犯罪者だけだ」

「歴史を学びなよ、そして地図を見てごらん。そういうことしてる国はとっくに消されているから」

「消えるのはお前の方だ」


その言葉を合図と受け取る。

ベレッタを腰から抜き発砲、敵の左下脚部に命中。

倒れながらも撃ってきた弾丸を錨に当てて防ぐ。


でも流石スーパーロスの中佐だ。

そう、この軍人はさっきパン屋の夫婦を逮捕しようとしていた中性的な中佐だ。偶然か私のミスかは知らないがまた会うなんてね。


私は腰のベレッタをホルスターに仕舞い、手を上に上げる。

それに驚いたのか、中佐さんは目を丸くする。


「驚きましたか、中佐さん」

「お前がなにがしたいのか理解できない、確かに驚いている」

「その割に魔力を集めて、ちゃっかり反撃のチャンスを伺っているように見えるな♪」

「...理解するもなにも、俺は軍人か...」


図星を突いてお腹でも痛くしたか、抵抗する気をなくしたみたいだ。彼、彼か、両手を後ろでにして錨を巻く。

さて、次は私たちを覗いているあの人だね。

私はギュンと上を向き、覗き魔に目を合わせた。

お互いの目があったらバトルするのがスパーロス流!


革命軍リーダーの オルガ・スミルノフが

勝負を 仕掛けてきた!

スアレスさんなんかRTAみたいなことばっかしてる。

「本来スポーンするはずの師匠と『霊耀』がいません。なのでオリチャー発動、中佐を拉致って先に『権化』を狩りに行きます」

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