お巡りさんこいつです
「捕まえたぞー可愛い子ちゃん!」
「捕まっちゃった〜」
やっとこさこの子を我が手中に収めた。
ならばやる事はただ一つ、魔女帽子からトランクケースを取り出す。
可愛い子ちゃん好き放題にするといったらヘアアレンジでしょ!
「うへへ、私好みに教育してあげるからね」
「うわーん変態さんだよ〜、お巡りさん助けて〜」
いちいちヘラヘラしてて愛い子よの〜
おわー!さらっさらだぞこの子の髪!この環境でどうやってこれほどの質を...!
いいね、私の本気を出してみたくなった。
「...そろそろ取り調べを始めてよろしいですか?」
「今回は私悪くないんだからねトロトさん!!」
「まぁご愁傷様だな、ホシモチィ」
「トロトォ...! 電話貸して〜」
「はいはい」
電話を貸してくれたのは雨名トロト22歳、偉いらしいお巡りさん。
非常に不本意に反してやむを得ず作られたホシモチ・スアレス課の課長さん。
私かスーがやらかすと毎回この人が出てくる、私達のことが好きなのかも。
けれど一ヶ月に一回は顔を合わせてるから確かに私達は仲良しだ。
それはそれとしてトロトからスマホを受け取り...LINEを開く!
「他の女と連絡取ってないよね?」
「彼女か!? いうかお前がスアレスに連絡したいんだろ」
「そんなこと言うなら裏切れないようにGPSを額に埋め込んで0.1秒毎に連絡してもらうから」
「俺はAIか!? 今流行りのAI彼氏ってそういうことか!?」
「私は結構重い女の子なんだよ、いつでも君の位置が分かるように人工衛星背負ってるから」
「重すぎて地球さんしか支えられねえよぉ〜!」
トロトを揶揄いながら確認してみたけど普通に友達からのしかないや、クーポン新着1029には腰抜けそうになった。私は新着マークの丸が嫌いだからすぐ消す、どうやら残す派とは分かり合えなそうだ。自分のスマホは持ってないけど。
じゃなくて、スーに電話しないと。教会で待ち合わせしてたのに離れちゃったし。
ピポパピポパ♪ ぺロン♪
「スー、トロトを許してあげて。彼も悪気があった訳じゃなくはないの」
「オメェこの野郎、昔それで俺が勘違いされてスアレスにボコボコにされたの覚えてないのか」
「何のことか全く理解出来てないんだけど...? てかホシモチは遅刻?」
「遅刻じゃなくて投獄されちゃった♪」
「そっか、それなら教会の掃除は私一人で済ませとくからちゃんと罪を償ってね」
ぺぺドン、電話切られちゃった...
「出来たーーー!!!」
「のわあああ!!耳元で叫ぶなー!」
「喧しいのがもう一人喧しいの連れてきたな」
くっそー!さっきから散々な言われようだ、今回に関しては被害者だぞ、カツ丼寄越せ!
「それではホシモチちゃん、確認お願いします」
「え?何のこ...わおっ」
なにこの洒落乙なツインお団子、乙洒落なウェーブ、綺麗な編み込み!
めっちゃ可愛い!! 私、めっちゃ可愛い!!!
でも今更だけどこの人結局誰なのー!?
「あ、あの髪型はとても嬉しいんですけど、貴方は誰なんですか?」
「私は紳士淑女が理想とする天才魔法使い!インターネッツで最強と検索すると一番上に出てくる。それが私、モルントルン! 名前くらいは知っていたかな」
「いえ全然、ただの変態じゃないんですか?」
「言うねぇ〜!...オヨヨ」
「一応言っとくとこの人はマジの有名人だぞ」
トロトが言うには
・100年以上前からプロイシスに住む土地神のような存在
・軍事、政経、技術、芸術、学問、心理に精通。最も有名な分野は天文学。
・だがトラブルメーカー! 黒い悪魔は伊達じゃない!
「...もう一回聞くけどご年齢は?」
「うーん、トップシークレットだよ♪」
「何で私を襲ったんですか?」
「教育のしがいがありそうだったから」
本人がいるのにここまで情報がパッとしないのも珍しい。
いや、敢えて隠してるのかな。何か裏があるはず、そうじゃなければ
この人は、可愛い子に欲情して襲ったただの変態だ...!
「けどそれだけじゃなかった気がするんだけどな〜」
「...そういえばこっちである噂を聞いたな」
「気になるな〜、教えてトロト君!」
「お、俺に話しかけてこないで下さい! 権力者に失礼な態度を取ったら何されるか分かったもんじゃないんですから! 大人しくしてて下さい!」
「???...ごめんね?」
トロトがビビってる、相変わらず偉い人が怖いらしい。
ごほんとトロトは気を取り直して、コップに口をつけた後話し出す。
「最近、プルリ魔法学園の生徒がオレンジ髪の女に声を掛けられる事案が発生している」
「最近は声を掛けるだけで事案なの!?」
「話を最後まで聞け、以上だ」
「以上じゃんかー!!」
「だってオレンジ髪なんて馬鹿みたいな髪色で馬鹿な奴お前しかいないだろ」
オレンジ髪を貶すな!外国語表記でorange、オラン毛なんだぞ!
なんかいい感じだろ!
「でも本当に覚えがないんだけど」
「私その子の顔写真持ってるよ」
モルントルンさんが帽子から一枚の写真を取り出す。
マジック、トロトと写真に顔を向ける。
「やっと思い出した。私はこの子を捕まえにきたんだ、つまり君をね」
ホシモチの『偽装』 補足
○分身体 上限6体 実体あり
分身が死亡した際、その死体に再び触れると分身と同じダメージを受ける。ホシモチが分身を傷付けても能力は発動しない。
分身が消えるときは赤の光粒子になって消える。グロいからね
血を出したいなら『偽装』が必要。




