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魔獣イラストレーターと最強のFランカー  作者: 成若小意
第五章 最強のFランカー     (推定累計ポイントAランク)

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5-4  素材回収の旅②

 ゴーシュがエアベアの絵を描くのに満足した頃を見計らい、俺達は再出発した。


 黒雷が電気を通す量を調整できるとか言い出し、エアベアの手の角度などを変えてみせたりしたものだから、ゴーシュが興奮してしまって描く時間が長引いてしまっていたので、予想よりもだいぶ遅れての出発となった。


「それにしても随分と派手なメンバーですね。世話役として有名なBランカーのザバックさん。それに魔境の狩人キファランガさんまで」


 黒雷もこの旅に同行したいと申し出た。話も面白いし、ゴーシュのお絵描きにうってつけの能力もあるので大歓迎だ。


「キファランガも有名なのか?」


「まず魔境で単独行動して入る時点で只者ではないからな」


 ザバックもそう言う。若いのに大したものだ。


 とりあえずジープとエアーバイクにそれぞれ乗り込み、次の目的に進む。その最中も黒雷がいろいろな話をしてくれた。


 この黒雷という男、面白い。今までに会ったことのない冒険者のタイプで、どちらかというと学者肌に近いだろう。魔物とは一体何なのか俺も常々疑問に思っていたのもあり、黒雷と道行く魔物を捕まえては討論が始まる。


 ゴーシュはその様子を見て発想が刺激されるのか、早速イラストを描き始める。キファランガはゴーシュの絵がよほど好きなのだろう。そんなゴーシュを飽きもせずに眺めている。


 そうするとどうなるかと言うと、一向に前に進まないのだ。そんなとき面倒見の良いザバックがいてくれてよかった。機を見計らって、「そろそろ進むぞ」と合図を出してくれる。


 このメンバーは皆熱中するたちなのだろう(ザバック除く)。


 急ぐ旅ではないが、道草ばかり食っていても仕方がない。ザバックを時計代わりにして楽しい道草の道を進んでいく。




 大量に取れたトカゲのしっぽや木製冒険者の残骸、軟体猫の肉球、砂竜の棘やカメレオン・ランヴィの棘など、回収しきれず穴などに埋めていたものを適宜掘り出してはジープに乗せて、近くのギルドまで運んでいく。


 一度では運びきれず、何度も往復することもたびたびあった。これはもはや寄り道の旅ではなくジグザグ進行の旅と言えよう。


 累計はわからないが、各ギルド支部にて順調にポイントがついていったようで、これはこれで楽しい。そう思い始めたとき、ザバックに怒られてしまった。


「おい、シオン。これはどういうことだ?」


 これというのは、足元に無数に転がる金の木の実のことだろう。場所は俺のお気に入りの休憩所、古代樹の森だ。


「これはな。この木の実を採るために冒険者たちが総動員されて、ようやく一つ採れるかどうかという物だ。どこに出るかもわからない。出たとしても一瞬だ。おまけに余計な魔物もうじゃうじゃとでてくる。そこを人海戦術でなんとかするものなんだ」


 そう言いながら、一粒持ち上げ、俺の鼻先に突きつける。俺が暇つぶしのために訓練で、葉巻とボーガンを使い採った物だ。


「それを、なんで、こんなに大量に貯め込んでいるんだよ!」


 よく見るとザバックは別に怒っているわけではなさそうだ。呆れているようにも見える。よかった。


「いや……。たくさん採れたから、食いきれなくて、保存用にと」


「食ってんじゃねえよ!」


ザバックの声が森に響き渡った。

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