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3-12 アンニュイシオン
狩りを終え、町に戻り、古びたアパートへ帰る。
アパートは冒険者用に建てられているので、古いが頑丈だ。
分厚い木製の廊下。分厚い扉。汚れることが多く、掃除をしやすくするためか、十二分なほどにワックスが塗ってあり、どこもつるつるしていた。
戸を開け自分の部屋に入る。玄関は広く、洗い場が設けられている。水道もついている。ザバックに勧められたアパートは使い勝手がよかった。
俺は帰ってからすぐそこ、洗い場に座り休憩することが多かった。
こうして毎日ぼろぼろになって帰ってくるのだが、不思議と嫌だとは思わない。
日本で会社員をしていた時も別段投げやりに生きていたわけではない。ただ目の前の仕事を懸命に過ごしていた。でも、どこか満ち足りなかった。
ここでの暮らしはきっと性に合っているのだろう。
何が良いのか言葉にするのは難しい。
体を動かしているのも好きだし、外にいるのも好きだ。
もっと突き詰めて考えてみる。
俺はこの生活をしていると、生命を感じるのだ。生きている実感を毎日感じられる。
何も自分の命を粗末にしているつもりはないが、命のやり取りをしていると、より自分の生が愛おしく感じる。
だから冒険者業が好きなんだ。





