神の祝福
「せんせい! 神の祝福ってなぁに?」
「神様やそれに準ずる者が気に入った人間に色々な才能を与えてくれるの。記憶力だったり体力や魔力だったり……特殊な魔法そのものを与えられることもあるわ。」
「特殊なマホウ?」
「ええ。たとえば、メドゥーサから祝福を受けた人は見ただけで相手を石に変える魔法を授かったそうよ。魔法じゃなくて、魔眼とも言われてるわね。」
「魔眼はマホウと違うんですか?」
「魔力を使うから魔法と同じとされているわ。でも、つねに眼から魔法が発動されてる状態になってるの。普通の人ならすぐに魔力がカラになってしまうから、魔眼の方が魔力を効率的に使えるのかもしれないわね。」
ーー僕は昨日ヘルミーナ先生に頼んで神について教えて貰っている。
「運命の神さまはどんな人なの?」
「運命を司るのはテュケーね。彼女の加護が無ければ支配者としての力が発揮できないといわれているわ。」
ーーテュケー? フォルトゥナではないのか?
「じゃあ王さまはテュケーから祝福を受けたの?」
「わからないわ……ただ、王族には代々受け継がれている能力があるそうよ。もしかしたら祝福の力なのかもしれないわね。」
「どんな能力なんですか?」
「絶対支配の能力よ。その能力を使われた人は王様のことを裏切ることが出来なくなるの。詳しくはわからないけど、王位継承の時に受け継がれるみたいよ。」
「祝福を受けた人はいっぱいいるの?」
「あまりいないと思うわ。それこそ歴史に名を残すような人が持っていたと言われるくらいだから。」
「どうすれば祝福を受けたかわかるの?」
「天啓が下るそうよ。たまに嘘をついて祝福を受けたって言う人もいるけど。教会に行けば調べることもできるわ。そろそろ時間ね。今日はここまでにしましょう。」
「はい! ありがとうございました!」
ーーその日の授業は終わった。
ボクはヘルミーナ先生から神について書かれている本を借りた。
しかし、フォルトゥナについて書かれてはいない。
ーー何者なんだ、アイツは。
祝福についても調べた。
だいたいは先生が言っていた通りの内容だ。
フォルトゥナがボクに祝福を授けたと言っていたが、
どんな能力なのかもわからない。
フォルトゥナに関する記述が何処にもないので調べようが無いのだ。
ーーボクは諦めて魔法の訓練をすることにした。
ーー
ーー座った状態で眼をつむり、心を落ち着かせる。
丹田に集中して魔力を感じ、血液に混ぜて全身に行き渡らせるイメージを持つ。
混ぜる魔力の量を多くしていき、全身に強く魔力を感じさせる。
今度は全身を巡る魔力を両手のところで塞き止めて、手の感覚だけに集中する。
手に集まった魔力を身体から外に放出する。
ーー出来た!
目を開けると。目の前に発光する球体が浮かんでいる。
その球体に絵の具を流し込むように闇を注入するイメージを持つ。
ーー球体がだんだん黒くなってきた。
ボクは魔力で出来た球体を霧散させた。
ーーボクが今やっているのは属性魔法の基礎訓練だ。
自分の魔力にそれぞれの属性を加える作業をスムーズに出来るようにする。
意識しないでこれが出来ないと、魔法は使えないそうだ。それこそ何年もかけて練習するものだそうだ。
だいたいの人が、この段階で諦めて魔法が習得出来ないまま終わる。
ーーボクは得意属性の闇以外も一回ずつ練習し、魔力が少なくなってきたので練習を終えた。
ーーそれから半年後、ボクはついに魔法を覚えた。




