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転生

ーーボクは学校の屋上に来ている。

これからフェンスを乗り越え飛び降りるのだーー

「もう、疲れたよーー」

一人でいるのも、周りが不幸になるのも耐えられない。

あの女を殺すために生き長らえてきたが、あいつは神ーーボクに殺すことはかなわなかった。

包丁で刺しても、火を着けてもまったくきかないのだ。

「ーーなぁに、新しい遊び? あんまりいい趣味じゃないわよ?」

包丁でめったざしにした時、フォルトゥナが笑いながら言った。

刺しても刺しても、血が出ない。


「わたしを殺したいなら、それこそ神殺しの神器じゃないと傷一つつかないわよ?」


「くそっ! くそぉっ!」

ボクはコイツが憎くて憎くてしょうがない。

なにが幸運を与えるだ! 不幸しかばらまかないじゃないかーー


ーーもういい。あいつから解放されるならーー復讐よりも平穏を望もう。



ーーボクはフェンスを越えて、屋上から飛び降りた。



※※※※※※※※※※※※※※※※


気づいたら部屋の中にいた。


ーーああ、死ねなかったのかーー

身体が思うように動かない。

ーー病院? いや、違うなーー

ボンヤリとだが、周りが見えてきた。

左右に揺れている。

誰かに抱きかかえられている。


「よーし、よーし。いい子ねー。」

優しい声がした。


ーーどうやらボクは生まれかわったみたいだ。

身体が動かないのは、ボクが赤ん坊だからーー


「あらぁ? めが覚めましかぁー?」

この人は新しいお母さんだろうか?

ボクを慈しむように抱きしめ、優しく語りかけてくれる。

だんだん輪郭がはっきり見えてきたーー


ーーう、ウソだろ!?


母だと思った女は、フォルトゥナだったーー


「あら、あら? お腹がすいたんでちゅかぁー? おっぱいのみまちょうねー?」

服をめくり乳首を口に近づけてきた。

ーー噛みちぎってやる!ーー


「よっぽどお腹が空いてたんでちゅねー。でもごめんなさい。わたし、まだお乳でないの。」

乳首に噛みついていると、フォルトゥナの口調がだんだん単調になっていくーー


「久しぶりね、コウ?」

ーーなんでお前がここにいるんだ!!


「あなたは死んだわーー生まれ変わったの。あの世界で試練を乗り越えられると思ったけど、無理だったみたいねーー」

ーーくそっ! 生まれ変わってもこの女からは逃れられないのか!!


「ここは別の世界よ。わたしがより強い身体に魂を固定してあげたわ。試練に耐えられるようにーーなに? わたしが簡単に運命のヒトを逃がすわけないでしょう?」

そう言うとフォルトゥナは、ボクをベッドに下ろした。


「わたしはこの世界には強く干渉できるの。あなたには強力な祝福を授けたわ。」

フォルトゥナは部屋の入り口に歩いていく。


「ああ、そう言えばあなたのお父さんーーあの後首を吊って死んだわ。わたしは天界に戻るわね。次は試練を乗り越えてね、期待してるわよ! じゃあまたね!」


ーー殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!

フォルトゥナは部屋を出て行く。


ーー「あらあら、どうしたの、坊っちゃん!」

入れ違いで別の女性が入ってきた。


ボクは赤ん坊の身体に引っ張られたのか、泣きわめいた。

ーー悔しくてーー悔しくてーー

ーー疲れて意識を失う瞬間まで、泣き散らかした。


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