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第3.5話 幕間の間 メイド達は疑問を覚える

お読みいただきありがとうございます。今回は一応番外編なので飛ばしてもそこまで問題はないかと。


主なストーリーはステラの一人称で行く予定です(変更ありかも)。ところどことでその周りの話をしていきたい感じです。多分数回に一回くらいは別視点の話にする予定。

 アルカは有能すぎるメイドである。


 一人でこの屋敷全ての家事ができ、その手際及び正確さは類を見ない。たとえ掃除した後の部屋が枕投げ会場にでもされてしまいグジャグジャになったとしても、三十分あれば前日の配置と一寸変わらぬようにものを置き、ほこり一つも残さず、シーツのシワひとつ消してみせるほどには優秀なのである。


 だからお嬢様のお目付役の隊長に抜擢された。


 初めの方は何も問題はなかった。

 時々変なタイミングで泣くことと、妙に男の子らしい言動をすること以外は至って大人しく、聞き分けがよい子どもであった。


 アルカが違和感を感じたのはいつからだろうか。そうだ、彼女が言葉を少しずつ話せるようになってからだ。お嬢様はどこからともなく覚えた言葉を使う。そんな言葉を教えた覚えはないのに。アルカは普段独り言を話しているのが聞かれていることを危惧するが、そういうわけではなさそうだったので、少し変だとは思いつつ、さほど問題はないので通常通り仕事をこなしていた。


 ただし、ある日、決定的な疑問を覚える事件が起きたのだ。


 それはいつものようにお嬢様が教材を聞いた後にお昼寝をしている時のことだった。


「水?」


 地面には水の跡がある。お嬢様が漏らしたのかと考えるが、匂いからしてそういうことではなく、ただの水なのだ。

 彼女がどこからかコップで持ってきたものなのだろうか。彼女は急いでキッチンに行き食器の個数を数える。……減っていない。水漏れの可能性、他の動物の可能性、彼女のおもらしが無臭の可能性、いくつか考えられたがどれもしっくりこない。不安に思ったが、現状わからないので、仕方なくそこを入念に掃除することにとどめた。


 そして、さらに不思議な出来事は続いた。


「焦げ跡?」


 そう、フローリングにほんのわずかな焦げ跡がある。普通の人は気にしないであろう焦げ跡だが、彼女にとっては大きすぎる変化だった。


 彼女は深く考えた。この前の水とは比べものにならないくらい火は危険だ。お嬢様が火遊びをしていたのか? 道具は? 協力者がいる? それとも泥棒?

 分からない。ありえない。不可能だ。

 この部屋のことは全て知っている。無理に決まっている。一つの可能性を除いて。まさか……


「魔法?」


 魔法は無から水を作り出すことも火を作り出すこともできるものらしい。魔法のせいにすればこの不思議な現象の辻褄があう。しかし、それは古代の人間が分からないことを神様の仕業といったような、そいいう責任転嫁のような意見に過ぎない。つまり、この予想には何の価値もない。

 しかし、そうとしか言えないのだ。少なくとも、私が通常では知らない何かが起こっているのだから。


「お嬢様から目を離さないようにしなければ」


 もし悪い人だとしたら、すぐに対処しなければならない。もしお嬢様が何かをしているのなら、ありえないけれど、もし彼女が魔法を使っているのだとしたら、彼女はとんでもない天才ということになる。いや、天才という言葉で表すことができないほど。


 アルカは今日もメイドとしての本分を発揮する。


 ――――――――


 ミラは優れたメイドである。


 特に勉学に秀でており、ミラの教えに従い学習をしたステラの兄、姉はどちらも優れた学問機関に進学している。さらに彼女は心の教育も欠かさない。巷に出回る教材は全てチェックしており、その中でも特によく学べ、特に紳士的、淑女的なものについてはほとんど完全に記憶しているほどだ。

 だから彼女はお嬢様の教育担当に選ばれた。勉学、心、どちらも優れた成長ができるように彼女は抜擢された。

 そんな彼女は疑問を覚えた。

 彼女は何度もリピートする。繰り返し繰り返し、お嬢様に与えた教材を聞いた。


「そんなはずはありません」


 この教材は、彼女が特に優れていると思うものの一つだ。人間の記憶工学に基づく上手な説明がされており、何より丁寧な言葉遣いであるはずなのだ。


「この教材を聞いてお嬢様が下品な言葉を使うなどありえない」


 そう、この教材中に「ちんちくりん」などという下品な言葉は出てこない。

 外部の人間で彼女に下品な言葉を使う人が彼女に接触したのか。あるいは彼女が接触しに行った?彼女が新たに言葉を編み出した?

 悩んでも分からない。彼女は他のメイドに警告しておくことにした。


 ミラは今日もメイドとしての本分を発揮する。

お読みいただきありがとうございます。


これを本編に含めるか番外編とするかは審議中です(ひとまずは番外編扱い)。


お手数をおかけしますが、もし面白いと感じてくださいましたら、是非ともブックマーク、そして下にある「☆☆☆☆☆」をクリックして応援していただけると嬉しいです。なお、忖度して満点をくれるのも嬉しいですが、率直な点数をいただけるととても参考になります。

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