第82-2話 Day1昼:燃えるごみは燃える
お読みいただきありがとうございます。
以前とは話数が変わっておりますがお気になさらず。
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「生還ですわー」
「どんな旅だよ」
それからもう少し別の物を集め、私は炊飯場に戻ってきて早速準備を始めた。
「とりあえず少し離れた広場で枝を持ってきましたわ。ここのものよりは乾いておりますので」
水があり、木のせいで木陰になるこの場所は、雨が降った時には存分に水を吸収するにもかかわらず、日が当たってもなかなか乾燥しない。通りで妙にここにある薪は湿っているわけだ。
だから、朝から日が当たっていた広場から乾燥させた枝を持ってきた。
これが作戦その一。だけど、私の本命はこれではない。
「とはいえ、昨日雨が降った以上、これだけではどうしても厳しいですので……じゃーん」
「えっと……それはいったい?」
「こちらを使いますわ」
屋敷から持ち帰ったものを彼らに見せ、ミズリィは興味深そうに確認してきた。
「……布?」
「えぇ。布の切れ端ですわ」
私が持ってきたのは布の切れ端だ。
「用は捨ててないゴミ?」
「えぇ、そのとおり」
最近は余った布を再利用するより、余分な部分は処分することを前提に大量生産して、それをを使うほうが楽らしい。
つまり、これはただの廃棄物だ。
新築の施設だから、施設を作る際に余った布などがあると考えて尋ねたところ、案の定たくさん回収することができた。
「ただ……見ていてくださいませ」
さて、ナーコのいうとおり、普通ならこの布は廃棄するものだ。ただ、こういう場面においてはかなり役に立つ。
というもの、布の素材は当然植物で、さらに布とは繊維状に編み上げられたもの。
そして施設内に保管されたこの布は、雨に当たることもなく比較的乾燥しているわけで。
つまり端的にいうと。
……少しお待ちくださいませ。
「火打石も借りるわよ」
……もう少々お待ちくださいませ。
カチッ、カチッ。
ふー、ふー
ボォ! うわっびっくり。
……よし。
気を取り直して。
つまり端的にいうと……
そう、この布は非常に効率的に燃えるのだ!
「すごー、めっちゃもえてるー」
「あまり持続性はありませんが、初期の着火剤としては布って最適ですの」
私がグランとして生きていた時、使い物にならなくなった服を良く燃やしていたのだ。懐かしい、あれは楽しいくらい燃えていたなー
まぁ、懐かしむ気持ちは置いておきまして。
「あとは細かくした枝たちの水分が抜けて、燃え始めるのを待ちますわよ」
「じゃあ、ばんばんもやそうぜ!」
「ちょっとま……ゴホゴホ、メラクさん。これ燃やしたら、ゴホホ、結構煙が出ますので、ゴホホホ、ほどほどにね。チエさん、少し下がっておくといいですわよ」
「う、うん、そうする」
作戦はうまくいった。期待通り、そして記憶通りに。
しばらく布を燃やすうちに枝も燃え始め、私たちはついには薪を燃やすことに成功した。
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