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かつて最強と呼ばれた男は前世の知識と共にTSお嬢様を満喫するようで  作者: 赤木林檎
第2章 低学年編

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第82−1話 Day1昼:とりあえず諦めてみた!

お読みいただきありがとうございます。


「うーん、とはいえこのままじゃ厳しいので……」

「ほらやっぱり」


 もう、話を途中で折らないでくださいませ。


「私は少し離れますわ」

「あれだけいっておいてできねーのかよ」

「違いますわよ」


 まずは状況の再確認。


 現在、炊飯場で起こっている問題は一つ。それは、どうやっても火がつかないこと。

 その理由は簡単だ。昨日降った雨のせいで、木は水分まみれ、さらに空気すらしっかり湿っているから、である。


 そこまでは誰しもわかっている。ただ、とくに子どもたちはこの対処法はあまりわかっていないらしい。まぁ実は、この対処も簡単なのだけれど。


「どうすんだよ」


 そう、この対処とは……


「諦めますわよ!」

「あきらめんのかよ」


 諦めることである!!


「ただ勘違いしないでくださいませ。もちろん、火を起こすことを諦める、というわけではありませんわ」

「つまり?」

「現状の装備だけで火を起こす、これを諦めますのよ」


 湿気がこんなに溜まった木にすぐに着火するなど無理に決まっている。だったら解決方法も一つ。別の物を使って火を起こし、それで薪を乾かしつつ燃やせばいいのだ。

 やることも決まったことだし、早速移動しよう。そこまで重いものを持つわけでもありませんし、私だけで十分ですわね。


「ってなわけで、しばらくお留守番よろしくお願いしますわ」


――――――――


 先ほど歩いてきた道を戻ること数分。


 私は風変わりな建物、つまり宿泊施設まで戻ってきた。


『さすがに施設から新鮮な薪を拝借するのはズルくない?』

「そこまではしませんわ」


 神様のいうとおり、おそらく施設に戻れば予備の薪が用意されているはずで、それを用いれば比較的簡単に着火できるだろう。ただ、流石に皆のいる前でそれをするのは気が引ける。

 ただ、そこまでのことをせずとも、ちょっとした小手先の技術で火は起こせる。小手先の技術でどうにかするのは私の戦闘技術と似ている。つまり得意分野ってわけ。


「まぁ、作戦がありましてよ」


 そんなわけで、私は小手先の技をするために、ある物を集めることにした。


「それじゃ、まずは掃除している人を探しましょうか」


 本施設は、貴族の管理する建物である。そして、加えるならば、人手によってしっかりと管理された施設である。

 となれば、当然、施設をメンテナンスする人がいるはずだ。そしてこの時間だからおそらく清掃をやっているはずで……あ、いた。


 私は、ちょうどそこを掃除していたメイドに駆け寄り声をかけた。


「ねぇ、施設のお姉さん、今よろしいかしら?」

「どうしました? もしかして迷っちゃいました? 確かにここ広いですもんねー、私なんて毎日ま――」

「いえ、違いますの。少し相談がありますの」

「――え、あっ、相談?」


 この建物はできてあまり月日は経っていない。だから、私の見立てが正しければおそらく残っているはず。そしてそれらは、彼女なら知っていてもおかしくない。


 私は彼女に、ある物について貰えないか頼んだ。


「そうですね、探せばあるかと思いますが……そんなもの、欲しいのですか?」

「はい、是非」


 私が欲しがるそれは、燃えない木の代わりになる。昔もよく使ったものだ……いや、使ったという表現は間違っているのだけど。

 経験上、それはよく燃え、巻いたりすれば木と上手く共存できる。


 しばらく彼女を待つ。


 ……暇だなー、暇だなー、私が帰ったら火がついているとかだと嫌だなー。


 …………筋トレでもしようかなー。


 と思っていると、ようやく彼女が戻ってきた。手にいくつかの物を持って。


「おまたせしました。こちらでかまいませんか?」

「あら、こんなにたくさん。遠慮なく頂きますわね」

「えぇ、まぁ……どうせゴミになるものですし?」


 そう。私の求めているものはまさにこれだ。ゴミになるものだと思うと、遠慮なくもらえてありがたい。

 とはいえ、今はこれはゴミじゃない。私にとっては大切なものだ。


「ありがとうございますわ。これで一つ目の準備が整いましたわ」


 私は深々と彼女にお辞儀をして、その場を後にした。


――――――――

お読みいただきありがとうございます。


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