第80-2話 Day1昼:自己紹介しようかい?
お読みいただきありがとうございます。
以前とは話数が変わっておりますがお気になさらず。
――――――――
私の班は第七グループ、メンバーは五人だ。まずは自己紹介といこう。
「俺、メラク。よろしくな」
「あら、よろしく。今日も元気ね」
まずこいつ、メラク。
さっぱりとした髪型で日に焼けた肌をした彼はA組のガキ大将であり、ひと悶着あって今は私がよく遊ぶ男友達の一人である。小学生男子相応の低身長なので、少し背伸びすれば余裕で見下ろすことができる。この前それで喧嘩になった。勿論、私が勝った。
いや待て。普段関わるこいつと同じ班なのはおかしいぞ。……あ、わかった、このガキ大将に対抗できる女の子が私だけだから、同じ班につっこまれたんだ。ジロっと先生を一目見て、目が合ったのでおそらく黒。……おい先生やりやがったな。
ただ間違ってはいないので許そう。メラクは口が悪いので、同じクラスですら少し怖がられているのだ。まぁ私は怖くありませんが。だって勝負したら勝てるし。というか勝ったし。ふふーん。
はい、その話は置いておきまして。次の方、どうぞ。
「じゃあつぎ、おれ。おれはナコルェリア。よろしくー」
「よろしく。ナーコさん」
次、B組の男子、ナコルェリア。通称、ナーコ。
たまに彼とも遊ぶから少しは知っている。そうだな、一言でいうなら『バカ』だ。いや、人間をこの二文字に要約してしまうのもどうかと思うが、まぁ……ナーコはいいだろう。愛すべき不動のバカだ。ちなみに割と太っているので、物理的にもおそらく不動。
私を含めて、みんなは彼をナーコと呼んでいる。女の子みたいな呼び方だけど、体系は男の子寄りだ。多分鍛えればいい体になる……別に興味はないけど。では次の方。
「では僕が。僕の名前はミズリィです。あまり体力はありませんが、頭のほうで皆様の支えになれればと思います」
「よろしくお願いします。ミズリィさん」
三人目の男子、ミズリィ。D組らしい。
眼鏡をかけた見た目と話し方から察するに、ちょっと賢そう。……なにこの分析、バカは私は?
「かしこそー」
お、ナーコと同意見だやったね……ダメじゃん。つまりバカじゃん。
「以後お見知りおきを」
とりあえず名前だけは覚えたので、今後新しい情報があれば頭の中に追記しようと思う。
「あ? 頭なんて使うのか?」
「はい、僕が知りえた情報によれば――」
「ふーん、わかんね」
「…………」
さっそく追記。メラクに話を強制的に閉じられてシュンとした。眼鏡をクイッとする姿から自信家なのかと想定していたが、意外とそうでもないらしい。
と、こんな感じで今後も情報が入ったら追記しますわね
はい次……といいたいところだが、男子は以上だ。合計で三人、言葉通り三種三様だ。とはいえ、おおむね問題ないといえた。少なくとも女子よりは。
問題は女子なのだ。女子、といっても私を除けば一人しかいないのだが。この女子が問題というよりは、相性の問題である。
「ぇと、チエです。ょろし…………」
「あぁ? 聞こえねぇよ」
「ひぃ、ごめんなさい」
そう、彼女だ。名前はチエさん、私と同じE組。
容姿はというと、少しやせ型で、髪はおかっぱ……じゃなくって、えっと、この前アルカに教えてもらったぞ……? そう、ボブ! ボブみたいなヘアスタイルをした女の子である!
彼女はかなり内気な性格であり、私とは正反対の少女である。そのため、同じクラスではあるが、ほとんど話したことはない。せいぜい、チエさんが他の生徒にひどい絡まれ方をしていたので、さすがに目障りに思ってその生徒どもを追っ払い、その時に挨拶した程度だ。
とはいえ、たまにクラスの中で彼女から視線を感じることはあった。彼女は私に対してどう思っているのだろうか。私としてはせっかくだから仲良くしたいが、普段の仕草から、おそらく警戒されていそうだしなぁ。
「それで? 何て名前だっけ?」
「……チエです」
「だから、なんて?」
「メラクさん、あのねぇ、普段から再三伝えておりますが、もう少し優しい言い方は出来ませんこと? 怖くて私が泣きそうですわ」
「だって聞こえなかったし」
「言い方の問題ですわよ。ったく。いやになっちゃいますわ。えっと、彼女は『チエ』さんね。えっと……『チエさん』とお呼びすればよろしいのよね」
チエの方を向いて確認を取った。急に振られて驚いたようだが、少ししてから彼女はコクコクと頷いた。
「じゃあ、よろしくね、チエさん」
と、まぁこんな感じである。
グループが決まった瞬間から危惧していたことではあるが、先ほどのやり取りからもわかるように、彼女がメラク達と仲良くできるとは到底思えない。今回のグループでもめ事が怒るとすれば、まずここからだろう。
グループで集める得点は当然高得点を取るとして、それとは別に私としてはグループ内で仲良くしたい、という思いも強いのだ。ただ、どうやらこの様子だと、私がうまく回さないと喧嘩は回避できないだろう。うん、頑張ろうね、私。
以上、この四人と私で合計五人だ。少し大変なメンバーだけど、これから四日間、日中の活動はこのグループで過ごすことになるわけなので、なんとかうまくやっていきたいところだ。
「さて、最後は私も自己紹介しておきますわね。わ――」
「見ろよナーコ、ステラが猫かぶってるぞ」
ぐぬぬ。なんとか、うまく――
「……わたくしはステラと申します。皆――」
「帽子はかぶっているけど猫はいないよおー?」
……うまく。
「…………皆様と同じグループにな――」
「ナコルェリアさん、猫を被るというのは物理的な意味ではなく、比喩的な表――」
「ねぇ自己紹介くらい最後までさせてもらえないかしら?」
うーん、ほんとに大丈夫か、このグループ?
お読みいただきありがとうございます。
もし面白いと感じてくださいましたら、是非ともブックマーク、そして下にある「☆☆☆☆☆」をクリックして応援していただけると嬉しいです。




