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かつて最強と呼ばれた男は前世の知識と共にTSお嬢様を満喫するようで  作者: 赤木林檎
第2章 低学年編

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第78.5−5話 幕間の間 おしごと! 緊急事態編

お読みいただきありがとうございます。


話数の数え方を変えましたので話数が変わっていますが、内容と順番は同一です。

――――――――


 まずい。あぁ本格的にまずい!


「何か気になるものがあったのかな?」


 監視の彼女が私に問いかける。


 どうやら何度も振り向いたせいで、彼女は私の視線を気にしてくれたらしい。


 このままだと鍵が壊れていることに気づかれてしまう!


「あぇっと、ええっと、ううんと……」


 なんとかしないと。

 えぇと、あっちに向かせないためには、うんと……そうだ、あっちじゃなくてわたし(こっち)に注目させればいいわけだけど、かといってそんな方法なんて……っと……えぇっと…………


 目を回すも頭が回らず。目線だけがあっちこっち。あわわゎ。


 仕方がない。


 どうやらあれしかない。昔から着想自体はあった。あれしかないのか。でもあれかぁ……

 なんというか、マジでやりたくない。本当にやりたくない。

 さっきの危険な魔法札運びよりやりたくない。


 でも、緊急事態だしな。緊急の事態だしなぁぁぁぁ……


 うん、仕方がない。


 ――――私は捨ててやる。


 何をかって? そんなの決まってるじゃないか。




 恥に!!


「おねぇさん、私ね、えっとね……ちょっとお耳かして」

「? うん、いいよ」


 私は身長差を活かし、耳を借りるという名目のもと、彼女の肩を固定する。こうすることで彼女が後ろを振り向かないようにした。

 そして耳元に顔を近づけた。……やるしかない、やるっきゃないのだ! 頑張れ私!


 私は小学生、私は小学生、私は正真正銘の小学生……


 しばらく自分に言い聞かせ、その言葉で頭を満たしてから、私は彼女に耳打ちした。





「えっと……トイレ、行きたいですの……」


 うわぁ、恥ずかしぃ。すごく、すごーく恥ずかしい!

 でも仕方ないじゃん! 色々振り向いていたことの合理的な理由がこれしか思いつかなかったんだもん!!


「そっかそっか。それは仕方ないね。トイレはこの先にあるよ。もう少し辛抱できるかい?」


 うぅ、優しい……でもごめんなさい、その善意をお借りします。


「えっと……あんまり耐えられそうになくって……ぐすん。うぅ、お姉さん、連れてって」


 あぁ! ほんっと、恥ずかし……恥ずかしいよぉ!!

 恥ずかしすぎて思わず泣きそうだ!

 でも本当に仕方がないじゃん! 彼女をここから離すチャンスなんだから!!


「あー、泣かないで、大丈夫だから。お姉さんが連れてってあげるよ」


 ここまでしたからだろうか。この作戦はうまくいったらしい。



 こうして、私は彼女に連れられてトイレに行き、間接的に彼女をあの場から離すことに成功した。


「先生。彼女、体調が優れないようなので、少し先に行きますね」

「えぇ、畏まりました」


 つまり結果としては上手くいったのだが。


「ぐすん」


 代償として、私のメンツとかプライドとか、そのあたりがどこかにいったのでありました。



――――――――


 後日。


「いやーステラちゃん、ほんと助かったよ。次もよろしく」

「絶対嫌!」

「どうして?」

「恥ずかしい!」

「いやその感想はおかしくない?」

「……私が受けた辱め! 知らないくせに! いいですか! まず――」

「ちょ、魔法出てるって! おいやめろやこら!」


 私はカルトラに有る事無い事ついでに魔法をぶつけて、それらを回復することに決めたのであった。




お読みいただきありがとうございます。


監視の女性の口調がこの前から変わっているって? 子どもには優しい人というわけですね。萌えです。


そういえば、萌えって単語、今はあまり使われていない気がしますね。また今度調査してみますか。


もし面白いと感じてくださいましたら、是非ともブックマーク、そして下にある「☆☆☆☆☆」をクリックして応援していただけると嬉しいです。

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