第78.5−4話 幕間の間 おしごと! 爆破編
お読みいただきありがとうございます。相変わらずタイトルが物騒。
話数の数え方を変えましたので話数が変わっていますが、内容と順番は同一です。
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魔法札を使って、仕事をすんなりこなそうと考えていた。しかし大きな問題、というより欠陥があったわけでして。
うーん。
今考えれば聞いておくべきでしたわ。なんというか……使い方を?
『使い方を聞く回想をしたばかりじゃん?』
「いやもちろん、使い方は聞いていましたが」
神様の話を軽くいなしつつ、私は頭を抱えていた。
そういえば聞いていなかったのだ。鍵の近くで呑気に魔法札を準備できない状況、すなわち今の状況での使い方を! えっと、どうやって使えと?
先ほどのように一瞬で鍵前から離脱するわけにはいかない。しかし監視されている以上、当然ながら近づいて悠長にする余裕はない。半ば詰んでいるのだ。
「では、次は地下室に行きますよー」
「「はーい」」
一応作戦は思いついてはいるが……この方法は我ながら非推奨だ。
ただ考える時間すら惜しい、というのが正直なところだった。だからその方法を実行するしかないのだろう。
――よし!
私は覚悟を決め、実行に移った。
初めに魔法を使って (詠唱するほどの時間はないので無詠唱で) 氷を作る。そこにふんわりと……そう、超ふんわーり、手の震えすら打ち消す勢いで複数枚の魔法札を乗せて準備は完了。やること自体は簡単だ。
え、弱点? そうだなぁ。『ちょっと強めの衝撃を与えたら、計画とか建物が物理的に吹っ飛ぶ』くらいかな…………危なっ!
改めて考えると本当に危ない方法だった。だからやりたくなかったのだが、そうはいっても仕方がないので決行することにした。
可愛い隊列が次の方向に向かい始めるまで待つ。彼女が次の方向に向かっている子どもに視界を前に向けるタイミングを待つためだ。
そしてそのタイミングが来たので私は早速動かし始めた。
しかし、当然ながらこの作戦にはさらも重大な問題がさらにありまして。
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この作戦には、かなりまずい問題が依然としてある。
それは、違和感なく行動するためには、私も前を見る必要があることだ。すなわち、術者である私も氷を見ることができず、結果として氷の操作は困難を極めることになる。
要するに一言でまとめると、この作戦は――割とバカな作戦だ。
こんな状態でピンポイントに氷を運ぶ操作、当然ながら、普通はできるはずもなく――
まぁ、普通でしたら。
もちろん私はできますが。
本っ当にカルトラは私に感謝をした方がいいですわ。私でなきゃやりませんわよこんなこと。
息を吸って、吐いて。空間に体を溶け込ませるイメージで。そこから、子どもたちの足音を意識から外して、氷に対する感度を高めて。そうやって、私は氷を運び始めた。
このままこうして……これで……よし。
一瞬だけ自然に後ろを振り返る。はたして。
よし、成功だ。
第二関門もクリアした。あとは起爆するだけだ。
私は深呼吸をして、再び集中状態に入った。
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まず一番上の魔法札に対して、風魔法で切り傷をつけた。
こうすることで一枚目の魔法札は起動するわけだが、振り返って見ても少しも変化は確認されず。
反応がないということは……成功だ。周辺に簡易的に音が出ない環境、光の発生を阻害する環境を作り出す、そういう魔法札だから。
次に二枚目の魔法札を着火で反応させた。
すると、灼熱の魔法が発動し、鍵の部分が轟々と熱くなった。確認できないが相当熱くなっているはず。
二枚目の魔法が始まってしばらくしてから、先の魔法で燃やされた三枚目の魔法札が発動した。
三枚目は急激に冷やす魔法。熱を帯びさせた金属に対して、氷点下を大きく下回り、人間をも瞬時に凍らせる温度で冷やす事によって、金属は非常に脆くなる。
そして最後の魔法札。斬撃にも熱にも強い最後の魔法札に対しては、力を込めて氷を突き刺す。こうすることで、最後の魔法が発動し――
ドッカン!! と魔法札が音を鳴らして弾け飛んだ。もちろん想像の中だけで。
一枚目の魔法札の効果で、音は聞こえず視覚的な変化もない。ただし、魔法札自体が正しく発動した感触はした。
さて、どうだろうか。
私はもう一度振り返って様子を確認した。表面上は見えにくいが、鍵は壊れていた。こちらも大成功だ!
あとはここから離れればいいだけ。実質完了したも同然――
「ねぇ、そこの君。そんなに後ろを振り返ってどうしたのかな?」
ちょっと待て、それはまずい!!
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