第77話 コマりごとはむしろ進行形
お読みいただきありがとうございます。
以前とは話数が変わっておりますがお気になさらず。
さて、色々と丸くあの日で終わったのかというとそんなわけはなく。
むしろ、現在進行形で問題を抱えているわけで。
それはもちろん、あの降臨祭の日からである。
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「ふぅ、危なかったですわ」
「それはこっちのセリフだ」
あの降臨祭の日。時間はというと、ノルンの練習の時間も終え、ノルンが部屋に戻った後のお話。
「火は危ないから使うなって言ったよね?」
「うぅ……精進します」
「進むな止まれ」
「バレたか」
「ま、どっちも怪我してないからいいけどさ。それじゃ、本題に戻ろうか」
「あぁ、そうでしたわね……本題って何でしたっけ?」
「君の処遇のことだよ」
「要するに、まだ要求があるということかしら?」
「なかなか察しがいいね」
そう、私は先ほど脅されていたのだった。そして、その話を続けるということは、まだ要求があるということ。ある程度それは織り込み済みだった。カルトラはそこまで無計画な男ではない。
「私をあんなテストしておいて、これだけで済むと思えませんもの」
「そうだね、では要求を伝えておくよ。もっとも、この要求こそが本命だけどね」
そして、その後語られたカルトラの要求内容についても、概ね予想通りだった。
「僕の仕事を継続的に少し手伝って欲しい」
「はぁ、やっぱりですか」
数時間ほど前のカルトラは、私が仕事ができるかを見ていたのだ。そして、その仕事というのはおそらく――
「具体的な仕事内容は?」
「様々だね。ま、分かっているとは思うけど魔法を使ってもらうくらいの仕事だ」
「ですわよね……はぁ。まぁ私に拒否権はないのですけど」
まぁ、そういう仕事だということ。
「条件が一つ。私の日常生活に支障をきたさないこと。具体的には、学校に行く、帰る、家族との夕食、そして私の命。これらに影響を及ぼさないことであればお受けしますわ」
あたりまえだ。魔法を使えることがバレたくないから協力するというのに、日常生活に支障をきたしていてはそこを起点にバレてしまう。そんなのはゴメンだ。
「もちろん、その辺は考慮するさ」
「なら結構ですわ」
仕方がない、というより私に拒否権はないので、私はこの要求を渋々受けることになり、その日から月一日ほど、様々な仕事で街を走り回ることになった。
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「ノルン様。今日も楽しかったですわ」
「ありがとう!」
「次は再来週ですわ。それではまた宿題の成果を期待しておりますので」
「うん、林間学校だったよね、行ってらっしゃい!」
今日の練習も終わり、次は再来週である。来週は林間学校があるのでお休みだ。
これからの二週間でノルンがどれだけ成長するか楽しみであった。
「ちょっとまってステラちゃん、これ持って帰って!」
その時、カルトラが玄関までやってきて、私に何かが入った籠を渡して来た。
「これは……こんなにたくさんのカルネ!」
「いつものお礼だよ」
「いつもここまでくれませんでしょう。何かありましたの!」
「本当に君はご飯に弱いよね……ま、次の分も込めて、いろいろ入れておいただけだよ。カルネはおまけさ」
「あー、そういう」
そして、その中にはたくさんのカルネと……何やら怪しい手紙と小包が。しかも、小包はノルンから見えない位置に入ってあるのをみるに……
どうやらいつものお仕事の依頼なのだろう。
願わくば、来週の林間学習までに終わらせて、楽しく林間でフィレッシュしたいところだが、果たして。
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夢、果たせず。
私は思わず叫んだ。
「次の仕事場所、まさかの林間学習先ですのー!?」
相変わらず、都合よく私はカルトラに駒にされてしまっているらしい。
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