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イベントの始まり

本日、2話投稿 1話目です




祝日が終わり面倒なイベントが始まる──そう、例の小学生との交流会だ。

他の生徒たちがバイトでお金を稼いだり、娯楽を勤しんでる時間をボランティアに充てなくちゃならない。



「「はぁ〜〜……」」


俺は姉ちゃんと同時に溜息を吐きながら一緒に学校へと向かっている。

小学校訪問は私服で行うらしく、俺は黒のTシャツとジーンズという格好で、姉ちゃんは黒のTシャツとショートパンツ……姉弟揃って黒一色だ。



「ゆ、雄治……あのさ……」


「動画なら消さないぞ?」


「いや、そうじゃなくて。私にもその動画送ってくんない?雄治に寝ぼけて抱き着いたってヤツ」


「…………」


俺はその言葉を聞いて動画を削除した。身の危険を感じたからだ。

最近姉ちゃんは何を考えてるのか分からない時がある。そんな女に動画を渡したらどんな風に悪用されるのか分かったもんじゃないぞ。


しかし、脅迫に使えると思ってたら、むしろ逆脅迫されるとは……やるな姉ちゃん。

流石は俺の血がながれてるだけの事はあるぜ。



──────────


俺と姉ちゃんが到着した事で、集合メンバーが全員集まったようだ。

遅れて来た訳ではないが、生徒会長と弥支路さんと石田と金城さんがしっかりし過ぎてるだけである。


真面目な感じが凄く嫌だ。土曜日の集まりなんだからもっと気楽に行きたいのに……ほんと先が思いやられる。



「それじゃ、行きましょうか!レッツゴー!」


生徒会長の掛け声で出発した。

しかもバスなどではなく歩き。加えてレッツゴーに対しては誰一人として突っ込まない。

でも俺は良いと思うよ、アホっぽくて。



「ねぇ後輩くん!どんなレクリエーションがやりたい?いろいろ考えて来たんだけど!」


「坂本!この前は楽しかったな!」


「雄治様っ!また鰻を食べに参りましょう!」


「雄治、プリン」


……移動中みんなめっちゃ話し掛けて来るし。

もう面倒くさいなもう、もう。



(坂本先輩愛されてるなぁ〜)


その光景を、弥支路は羨ましそうに眺めていた。



─────────



「「「「今日は宜しくお願いしますっ!!」」」」


「はいっ!宜しくですわっ!」


「……宜しくどうも」


小学校に到着してから自己紹介を済ませると、さっそく各々別れて行動することになった。


住宅街から少し離れた場所にある聖堂小学校。

全校生徒が300人程度の小規模な学校で、その中でも真面目な生徒が数名選ばれ、その相手をボランティアの俺たちがするみたいだ。


相手は12人。

こっちは3班に別れるので、二人で四人を相手にする事となる。てっきり一クラス規模を相手にするものだと覚悟してたので気が楽になった。これなら女子の相手を金城さんに任せられそうだな。


俺は金城さんと一緒に、面倒を見る事になったグループへと向かう。

ただ厄介にも全員女子という……そして辺りを見渡しても女子しかいない。


男性が撲滅した世界線に迷い込んだのかな俺?



「……ふふっ、流石は私が4年まで在籍していた女子小学校……とても礼儀正しいですわ」


「…………女子小学校?」


「はい。ご存知ではありませんでしたか?」


「うん」


「あら良いお返事……では準備に行って参ります」


「女子小学校……どうして?」


──クソッ!知ってたら来なかったのにっ!

いや確かに石田の妹くらいにしか女性不信の話は打ち明けてない。だから悪気はないと思うけど、女子小学校に男子を呼ぶかね?


抗議の念を込めて、違う場所で子供の相手をしている高宮生徒会長を睨み付ける。しかし、目が合うと嬉しそうに手を振って来た。



「お〜いっ!後輩く〜ん!わからないことがあったら何でも聞いてねぇ〜!」


「もう帰りたいでーーすっ!!」


「ダ〜〜メッ!!」


「……役立たずっすね!!」


「え〜?なんて〜?聞こえないよ〜?」


都合の良い耳だな。

けどあんまり駄々をこねても仕方ない。事前に確認しなかった自分が悪いと諦め……ん?


目の前に居る四人の女子グループを見ると、互いに不安そうな表情で顔を見合わせていた。

そして俺は気付く……帰りたいなんて言ったから不安になったんだと。



「……こんな感じで冗談を言い合う仲なんだよ」


「……あの、えっと……私達と遊ぶのが嫌とかじゃないのでしょうか……」


オカッパの女の子が恐る恐る聞いて来た。



「う〜ん……」


どうしようかな……?

正直に嫌って言っちゃおうかな……?

でも生徒会長に迷惑掛けるのは悪いし……誤魔化すか。



「そこまで嫌じゃないよ」


「ほんとに!?やったっ!!」


「ぬわっ!?」


──すると、おかっぱ小学生とは別の女の子が雄治の元へと駆け寄った。急な接近に雄治は思わず仰け反ってしまったが、小学生はそんな反応など気にせず無邪気に話掛ける。



「ねぇねぇお兄ちゃん!凄くカッコいいね!ウチのお兄ちゃんとは大違いだよっ!ねぇおんぶしてっ!ねぇねぇ!」


「君、学年は幾つ?」


「3年生だよっ!」


「だったらおんぶしない」


「ええーー!私可愛いのにーー!」


「うん、だからこそ絶対にしない」


長い金髪の少女……恐らくはハーフなんだろう、瞳はブルーに輝いている。色白い肌が特徴的な少女でかなりの美少女だ……まぁ姉ちゃん程じゃないけど。


それは良いとして……やっぱり小学生は最低だぜ。初対面でおんぶとか馬鹿なんじゃないの?



「……それ以上近付かないでくれる?」


「えー、どうしてー?」


「……子供が嫌いなんだよ」


正確には女の子供だけど。


「じゃあねー、レイナをおんぶして克服しよー?」


え、強いこの子……生徒会長に怒られる覚悟で本音言ったのに全然引き下がってくれない。

しかも他の女子達も群がって来るんだが……?



「お兄さん!とっても面白いですね!女子小学校に来る人だからロリコンさんかと思いましたけど、違ったんですね!」


「俺、心狭いから次ロリコンって言ったら許さんぞ?」


「怒られたね〜瑠美〜、私はお兄ちゃんみたいな人がタイプだよ〜!ねぇ結婚しよう!」


「絶対嫌だ」


「ちょっと!レイナちゃんも瑠美ちゃんも夕美ちゃんも!先に坂本さんと話をしたの私なんだけどっ!横取りしないでくれるっ!?」


「横取りってなんやねん」


「お兄ちゃんー、おんぶおんぶー」


「あぁー!うるさいどいつもこいつもっ!俺の側に近寄るなぁぁっ!!こえーんだよさっきからっ!」


女子小学生に囲まれていた雄治はその場から逃げ出し、金城可憐の元へと向かった。

場違いな青色ドレスを着ているので可憐は良く目立つ。

冷静に考えると普段着がドレスとは恐ろしい。


そして尋常ならざる様子で駆け寄って来る雄治を見て、可憐は手に持っていたオセロや将棋、チェスなどのテーブルゲームを放り投げ、慌てて雄治を向かえ入れた。



「ゆ、雄治様!?どうなさいました?!」


「金城さん……今日はずっと側に居てくれ」


「え、それ凄く幸せ」






金城可憐編


『幼馴染の異常性(極)』


『壊れた母親』


この間に愛梨視点のエピソードを追加しました。

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