守ってあげたい-15
しばらくは雨が続いて、新聞部の活動はもっぱらデスクワークとなった。特に、写真集の予算案の作成。何度も電卓を叩いていた坪井が、あきらめて言った。
「部長、無理ですよ、これ。どう考えても、できない」
「わかってる」中川
イスにふんぞりかえったまま、中川は微動だにせず答えた。
「あきらめて、生写真セットということにしましょうよ。初めの予定通り」坪井
「そう、中川、あきらめろ。こだわりすぎなんだよ。本にしようと思ったらどれだけ金がかかると思う?」新田
「わかってる」中川
「俺たちが稼いだ金を全部つぎ込んだって、無理だぜ。写真集なんて。できたとしてもだよ、大赤字なんてことになったら、どうするんだ?お前、当分何にも食えねえぜ」新田
「わかってるって」中川
「由起子先生に相談したんですか?」坪井
「したよ」中川
「どうでした?」坪井
「このままじゃあ、無理だって。やっぱり、スポンサーがいるって」中川
「由起子先生にスポンサーになってもらえば、いいじゃないか」新田
「バーカ!できるわけねえだろ。由起子先生は、学校に相談してみるって言ってたよ」中川
「でも、学校がスター写真集にお金出してくれるかな?」坪井
「バカなこというなよ。そうなりゃ当然、お堅い本になっちまう」中川
「それでもいいじゃねえか。俺たちがプロモーションすることになるんだろ。すげえじゃないの」新田
「バーカ。そんなもんで、満足するのか、お前」中川
「んなこと言ったってよ。お前に何かできるのかよ!」新田
「できねえから、こうやって待ってるんだよ。雨だしな……、どっこも行けねえ」中川
「待ってるって、昨日もふんぞりかえってたじゃねえか」新田
「そうだ。待ってるんだよ」中川
「一昨日も」新田
「だから、待ってるんだよ!」中川
中川はついにふてくされてイスの後ろへ首を垂れた。
「ところで、みゆきちゃんは、どうしてるの?昨日も来なかったけど」新田
「用事があるって、帰ってった」中川
「それで、元気がないんじゃないのか、お前」新田
「どういう意味だよ」中川
「そういう意味だよ」新田




