表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/22

守ってあげたい-15

 しばらくは雨が続いて、新聞部の活動はもっぱらデスクワークとなった。特に、写真集の予算案の作成。何度も電卓を叩いていた坪井が、あきらめて言った。

「部長、無理ですよ、これ。どう考えても、できない」

「わかってる」中川

イスにふんぞりかえったまま、中川は微動だにせず答えた。

「あきらめて、生写真セットということにしましょうよ。初めの予定通り」坪井

「そう、中川、あきらめろ。こだわりすぎなんだよ。本にしようと思ったらどれだけ金がかかると思う?」新田

「わかってる」中川

「俺たちが稼いだ金を全部つぎ込んだって、無理だぜ。写真集なんて。できたとしてもだよ、大赤字なんてことになったら、どうするんだ?お前、当分何にも食えねえぜ」新田

「わかってるって」中川

「由起子先生に相談したんですか?」坪井

「したよ」中川

「どうでした?」坪井

「このままじゃあ、無理だって。やっぱり、スポンサーがいるって」中川

「由起子先生にスポンサーになってもらえば、いいじゃないか」新田

「バーカ!できるわけねえだろ。由起子先生は、学校に相談してみるって言ってたよ」中川

「でも、学校がスター写真集にお金出してくれるかな?」坪井

「バカなこというなよ。そうなりゃ当然、お堅い本になっちまう」中川

「それでもいいじゃねえか。俺たちがプロモーションすることになるんだろ。すげえじゃないの」新田

「バーカ。そんなもんで、満足するのか、お前」中川

「んなこと言ったってよ。お前に何かできるのかよ!」新田

「できねえから、こうやって待ってるんだよ。雨だしな……、どっこも行けねえ」中川

「待ってるって、昨日もふんぞりかえってたじゃねえか」新田

「そうだ。待ってるんだよ」中川

「一昨日も」新田

「だから、待ってるんだよ!」中川

中川はついにふてくされてイスの後ろへ首を垂れた。

「ところで、みゆきちゃんは、どうしてるの?昨日も来なかったけど」新田

「用事があるって、帰ってった」中川

「それで、元気がないんじゃないのか、お前」新田

「どういう意味だよ」中川

「そういう意味だよ」新田


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ