守ってあげたい-12
「どうしたの?」立花
「いやぁ、どうしたら成績が良くなるかなって話してたんだよ。俺ら、劣等生だから。どう、何か秘訣でも教えてくれない?」新田
「そんな…わたし」立花
「純子ちゃん、期末の時は一緒に勉強しようね」坪井
「あ、いいな。お前ら」新田
「新田さんは、中川さんとみゆきさんに教えてもらえばいいじゃない」坪井
「バカ、あいつら二人と一緒にできるわけねえだろ。俺はそんなヤボじゃねえよ」新田
新田の台詞で、立花と坪井の顔から笑顔が消えて、沈黙が訪れた。しまったと思いながら新田は、取り繕った。
「俺のレベルじゃ、あの二人を引きずり落とすだけだからな。ハハ」新田
力ない笑いでごまかそうとしたけれど、ごまかしきれず、ちょっと取材に行ってくると、部屋を出て行った。
残された二人は気まずい雰囲気を保ちながらも、笑顔で互いの顔を見せ合った。
「さぁ、ちょっと整理しておかないと」坪井
坪井は出納帳を開いた。
「あのね、はるみちゃん」立花
「何?」坪井
明るく笑顔を向けたが、立花は笑顔を返さずじっと坪井を見ていた。
「どうしたの?」坪井
「あのね、もう、いいじゃない」立花
「何が?」坪井
「中川先輩とみゆき先輩のこと。はるみちゃんの気持ちもわかるけど、でも、いいじゃない」立花
「うん」坪井
「あの二人、絶対お似合いだし……。わたしたちじゃあ無理よ。…勉強が、っていうことじゃなくてね……。うまく言えないけど…」立花
「うん、そうだね。あたし、諦めるとは言わないけど、いいよ、みゆきさんなら。いい人だし、美人だし、……中川さんも気に入ってるみたいだし」坪井
「うん」立花
二人はようやく笑顔を向け合って互いの目を見ることができた。
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