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闇魔法の使い手  作者: 葉月 縷々
最終章 異界戦国時代編
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第308話 象徴の地

またまた遅れてすいません……何かファッキンニートになったら一気に筆が……orz


それと長くなりそうだったので切りました。纏め方が上手い作家さんがガチでしゅご過ぎて震える……。


「このような時代にこんなご厚意……助かりますじゃ。お返しどころか大してもてなしも出来ず、本当に申し訳ない」

「……いえいえ、私達『メサイア』は救済の為の組織です。どうかお気になさらず」


 メサイア艦隊が魔国に向かっている。


 その報を受け、ノアや数人の護衛と共に全速力で駆け付けたライを待っていたのは根幹を担うマナミが炊き出しや生活施設の修繕をする姿だった。


「こ、これは一体……?」

「……何ておぞましい」


 場所は国境も国境。数百人規模の、村と村が手を取り合っているような大きめな集落にて、他にも構成員とおぼしき者が支援物資を配っていたり、新たな建物を建築していたりと真っ当に助けている。


「あ、あの……お金とかは……」

「そうですよ、流石にここまでおんぶにだっこじゃ……」

「……そりゃ貰えるもんは貰うがな。マジで何も返せねぇぜ?」


 最初に頭を下げていた村長らしき老人に続き、村人達も小さくなって何か対価を、と交渉を試みるものの、マナミの返答は変わらない。


「良いんです。私がしたいからしてる……本当にただそれだけです。見返りも要りません。見下してるとか偉そうにだとか思っていただいて構いません。争いを好む人が存在するように、争いを嫌い、助け合いたい人がいるとわかっていただければそれで……」


 刺激しないようにか、艦隊は村から離れた位置に停まっており、マナミを含め、誰も武装していなかった。


 既に数日は滞在しているのだろう。


 村人とメサイアの人間が談笑を楽しんでいる場面が散見され、本来家の中に隠すであろう子供達までもが無邪気に走り回っては初めて見るらしい外界の人間におっかなびっくり話しかけている。


「……で? 戦争好きな人達がこの理想郷に何の用? こっちまで誤解されるから獲物くらい隠してほしいんだけど」


 「すいません、私達に来客のようです」と抜け出してきたマナミにそう冷たく言い放たれ、ライは一瞬たじろいだ。


「い、いやでも……帯剣くらいは自衛の範疇だろうっ? それに、俺達は別にしたくて戦争してるんじゃない。向こうが秩序を乱すから対処しているだけであって……」

「うん、ライ君目線では農具くらいしかない一般人も危険に映ってるし、ユウ君達が一番悪いんだよね? でも私や村の人からすればいつ抜かれるかわからない剣で悪戯に脅しているだけなの」


 マナミらとは対照的に、完全武装している自分達。特に視線を向けられている部下達に至っては殺気や嫌悪感すら隠そうとしていないことに気付き、急いで《マジックバッグ》に聖剣をしまうと同時、「なっ……少しは抑えられないのかっ? ノアもっ」と叱る。


 が、全員から反論されてしまった。


「獣や魔物が人のように振る舞っていれば苛立ちもします」

「武器の有無なぞ関係ありませんな。奴等には牙も爪もある」

「『再生者』様と勇者様にはそこのゴブリン共がお見えにならないので? いつこちらを襲うか算段しているに違いありません」

「同感であります。罰当たりにも一緒に暮らしている者も同類。今すぐにでも火炙りの刑に処して浄化すべきかと」


 人選を間違えた。


 一人で来るべきだった。


 そんな後悔をしたところで、どうこうなるものでもない。


 種族の垣根を越え、おおよそ()()()()()()()()()()異例の村の中、ライは声を押し殺して言った。


「っ……君達の意見は聞いてない。平和的に話し合いが出来るかもしれないという折角の機会を一兵士に無駄にされるわけにはいかないんだ。これは絶対命令だ。今すぐ武装を解除して態度を改めるか、それが無理なら村から離れてくれ」


 今のライの立場は連合の『最強』の戦力にして党首でもある。


 後ろ楯のイクシアの滅亡、王族の死による自動的な繰り上がりだとしても婚姻の事実はその効力を発揮する。


 今回ばかりはメサイアとの接触、ひいてはマナミとの対話が目的だった為、仕方なく連れてきた護衛だったが、ノアが連れてきた時点で聖軍出身者で固められていると見抜けなかった己を恥じた。


「「「「…………」」」」


 正規軍とはとても思えない、不満を全面に出した顔で軍人らしく直立姿勢になったノアらを見て、溜め息をつく。


「安心してるとこ悪いけど、あそこにお仲間さんが居るから連れてってね。聖騎士に相応しい、今の後ろの人達みたいなことをしてたんだから」


 MFAを着脱したところで追加の頭痛の種を脳天に突っ込まれ、思わずこめかみを押さえたライは瞑目して訊いた。


「それは……離反した暴徒のことかい?」


 〝異界戦国時代〟の到来宣言以来、世界全体の治安の悪化は留まることを知らない。


 軍人に限れば規律を守れる者や上に忠実な者はイコールで優秀。そして、そのような人材が戦場と無縁であるなんてことは当然あり得ないのだ。


 となれば戦死者の大半がどのような部類かも判明してくる。


 必然的に連合軍の品位と質は著しく低下。順調に侵攻し、領土を増やして回っている魔帝軍とは打って変わり、連合諸国で増発しているテロや独立、建国の気運を止めることも儘ならない状態にある。


 人族最大国家のイクシア、聖都テュフォスの消滅。軍関係者や民衆含め、聖神教徒……所謂、大陸人口の大幅な減少。そうして『聖』魔法の使い手が減った影響で疫病は蔓延。病人も怪我人もろくに治療出来ない負のスパイラルは『こんな時代に暴れない方が異端だ』と軍を抜け、賊に成り下がる者を殊更に増やした。


 マナミの言うノアと護衛(後ろの人達)のように、思うがまま行動していた人間が国防の届かない辺境の地にまで現れたのは想像に難くなかった。


「この村の人達は国の要請に背いたからね。酷い有り様だったよ」


 言いながら指を指した方向には幾つかの簡易的な墓があり、墓標の朽ち具合を見ればその真新しさがわかる。


「『戦争になったら遠すぎて守れないから魔都に来てくれ、仕事なら幾らでもあるし、保証もするから』って破格のお願いを断った代償……と言えばそれまでだけど、多分私達の到着が遅れていたら……」


 ライは再び歩き出したマナミの後を追い、村の様子を横目に耳を傾けた。


「皆、戦争は嫌だし、放っておいてほしいの。そりゃ国の土地に住まわせてもらってるから納税の義務には従うけど、だからって侵略には賛同出来ないし、止める権限も〝力〟もない。ユウ君も義勇兵を受け入れてるだけで徴兵はしてないみたいだよ」


 言葉の裏に隠された、『連合はどうなの?』という真意が心にモヤモヤした気持ちをもたらし、迷いを生んだ。


「……強奪した土地の扱いは俺も知ってる。村も街も都も、魔物の魔核から生成出来る魔石を一定量納めさせる代わりにインフラ整備をしてるって……」


 シキ本人が言うこと成すことは悪そのもので、実際に植民地化もしていれば人殺しも大量に、無慈悲なまでに行っているが、帝国や亡命した『天空の民』から技術者を募り、古代の遺物(アーティファクト)を使っての防衛力増強、道路舗装に側溝や街灯等の設置をしているという。


 場所によっては下水道の最新化、衛生観念から医学知識、魔道具の使い方の指南、無料の学校を開いて識字率を上げてと根本から生活基準を高めてもいる。


 更に可能な範囲で治安維持、魔物や賊の間引き、無償で薬を配り、自立用、憲兵らの失職防止用にと銃火器をも配給しているとか。


 余程の問題がない限り、手の者を補佐に送るだけで元の統治者一族の命は奪わないどころか、有能さと実績を鑑みてそのまま任せている領土もあり、ダンジョン、鉱山、商いの盛んな土地に至っては余計な口出しとしない。


 やることは過激だけど、言うことさえ聞いていれば安全安心に生きられる。


 そんな噂が正反対の状況である連合にとってどれだけ痛手か。


「でも……ここの人達みたいに救えてない人だっているじゃないか」


 殆ど人型魔物と相違ない容姿の魔族は判断が難しいが、獣人族と人族の若者は確かに多い。メサイアの支援があるとはいえ、女子供に老人の誰もが屈託のない笑顔を浮かべている。


 政策がまともで、それらが事実だと自身の目で見ても尚、認めたくなかった。


「まだわからないの? この土地で生きてるんだから商人くらい来てる。私達ほどじゃなくても外の情報は入ってて、その上で戦争は反対だ、庇護されなくても自分達で何とかする、連合に攻められても恨まないって覚悟した人達なんだよ」


 言われて辺りを見渡せば不安げにこちらを見ている村人と目が合う。


 最初から武装せず、差別することなく好意的に、真摯に向き合っているメサイア。


 殺した数以上に感謝されていそうな魔帝軍。


 未だに威圧的な態度を改めない騎士とその頭領である自分。


 現実を見れば見るほど打ちのめされるようで、虚しいような、悔しいような、複雑な想いを抱く。


「ひ、人殺しのやることなんて……」

「そんなこと言ったらターイズ連合は? 結果を出してる分、どっちがマシなの? 私も認めたくないし、支持はしないけど……人を部品扱いしてるユウ君は命令の違反者を必ず処刑する。暴行された人が居れば被害者や遺族に恨みを晴らさせる機会だって与える。見せしめに街の広場とかで大々的にね。戦争に参加する度にルゥネさんに覗いてもらうんだってさ」


 これはライをしても噂レベルだが、【以心伝心】を通じて質問し、少しでも怪しい者がいれば即座に捕え、()()してしまうらしい。


 同様の方法で間者も感知される為、幾度と放った部隊も誰一人帰ってきていない。


 徹底した規律、徹底した処罰、徹底した政治。


 復讐劇に関しては帝国の風習だと承知している。が、嘘も建前も通じず、真実と真意、民意すらも共有してしまう相互理解の能力の前では全てが霞む。


「ユウ君の……魔帝軍の掲げる『絶対法』に例外はないよ。意にそぐわない人、不和を生むような人は最初からマークされるし、謀叛の意思がある時点で消される。そんな人間に掛けるお金も時間も、労力も慈悲も、全部全部無駄だ、要らないってね」


 圧倒的なカリスマと〝力〟、いつ毒を盛られ、寝込みを襲われ、身内を狙われても構わないという強固な心を持つ者にしか出来ない上、女帝ルゥネの能力と生存、依存を前提とした極端かつ長くは続かないやり方だが、結果を出しているとマナミは言う。


「全て公平で平等なの。きっとユウ君の親しい人が軍規を犯しても同じように殺しちゃうと思う。だって矛盾したら今までの全部が破綻するんだもの。俺が悪いんだから恨むなら恨め、責任は取るし、後はどうなっても構わないって言動で示してる」


 その理屈を証明、あるいは分かりやすくする為か、彼女は近くで籠か何かを作っていた村人に質問して見せた。


「すいません、答え辛いと思いますけど、この村で口減らしをしたことはありますか?」


 額から茶色い角を二本生やし、青い肌をしたオーガ種の若人だ。顔も険しく、目付きは誰かを連想するほどに鋭く恐ろしい。


 ジロリ、とマナミを見やり、ライ達……否、腰の獲物に目を向けたその者は予想の範疇から大きくはみ出た声を発した。


「ぁっ……ぁっ……そ、その……えっと……はい……酷い冬とか……作物が育たない年とか、は……お、お年寄りの人から順に……」


 年頃の少女のような、可愛らしい声音だった。


 丸太が如き太い脚を女の子座りに、人のものよりも数倍は大きい指と指をツンツンと合わせ、チラチラと怯えた様子でそう告げたのだ。


 三メートルはあろうかという巨体と形相にまるでそぐわない中身。


 これにはライはおろか、ノア達までギョッとする。 


「あれ? 女の子だった? ごめんね、悲しいこと訊いちゃったね」


 マナミも驚いたようだったが、慣れているのか、笑顔を向けて角のあるおかっぱ頭を撫でていた。


 よくよく見てみれば花で出来た髪留めもしているし、筋肉と見紛っていた胸も女性的だ。


「えっ、あっ、き、君? そのっ……服は……? 恥ずかしくないのかい?」

「はい……? 何か変です……か?」


 腰ミノしか着用していない少女(?)にあんぐりと口を開け、「はいギルティ。ライ君さ、デリカシーって知ってる?」と結構強めの肘鉄を受けて悶絶する。


「うぐっ……!? ご、ごめん、僕達と全然違う文化だから驚いたんだ。君はーー」


 重ねて訊こうとした次の瞬間。


「ーーあー! 外の人がお姉ちゃんナンパしてるー!」


 そんな、無邪気な邪魔が入った。


「何だこいつ? 悪者か?」

「すげー! 髪の毛白いぞこの人達! 爺ちゃん達みたいだ!」

「あはは、大人なのにちっちゃーい!」

「ばかっ。お前がデカいんだよ!」

「騎士様もいる! 女の人の騎士様だ! うわあぁっ、騎士様かっこいー!」


 それは多種多様な種族の子供達。


 唸ってるコボルトの子、キラキラした目で尾を振る猫獣人の子、こちらを指差して笑う岩巨人の子、呆れるようにツッコミを入れる人族の少年にキャーキャーと叫ぶツインテールの女の子。


 それこそこの村の在り方を体現した、騒がしくも微笑ましい集団だった。


 再度、面食らいこそすれ努めて笑顔で挨拶してみる。


「や、やあ皆、こんにちは」

「「「「こんにちはー!」」」」


 ちゃんと躾もされてるらしい。全員に一斉に頭を下げられ、手を上げられ、また驚いた。


 そこからは腕を引かれ、髪を引っ張られ、あっちがどうの、ここではこれがどうのと揉みくちゃにされる。


「ねーねー何で髪の毛白いのー? 鳥獣人ー? でっかくて綺麗なお羽!」

「あっ、目も白いよ! 変なの!」

「見て見てっ、お花の冠だよ!」

「大人が言ってたけど、勇者様ってホント!? 俺に剣教えてくれよー!」

「わ、私は魔法! えいっ、えいって皆を守れるすんごいの教えてー!」

「「「「…………」」」」


 ノア達が一歩足を出した気配を感じ、手をバッと向けて制止した。


「動くな。俺は大丈夫だから……って、あいたたたっ、こ、こらっ、耳は止めなさい耳はっ。おおぅっ!? 君は力強いねっ!? 今何本か抜けたよ羽根! うんうん聞いてる聞いてるっ、だから手ぇ離しっ……ああもうっ、元気だなぁ!?」


 彼等の外見は兎も角、やられているのは単に子供子供したコミュニケーション。


 明らかに敵意じゃないものとわかる……それも幼い子に何をしようとしたのか。


 ライは初めて本気でノア達に怒気を向け、口調を荒げた。


 無論、子供達にわからないようトーンは平静そのもので、ツッコまれもしなかったが、マナミの言わんとすることが理解出来た。


 服は貧相、顔も身も痩せているし、臭わなくとも最近メサイアの人間に洗われたばかりだとわかる汚れ具合。


 年齢故の無尽蔵の体力が感じさせないだけで、決して楽な暮らしをしているわけではないのだ。


 そして、鬼の少女(?)が認めた事実。


 (狂魔帝シキ……ユウは世界規模の口減らしをしている……? 自分に当てられて武力を持ち出す人間を尽く殺して回って……その分を子供や庇護下の人に……?)


 ゼーアロット奇襲作戦の折、宇宙でシキと話したことを思い出す。


 聖神教はこれまで神の代弁者として勢力を広げた宗教組織。


 昔からの『教え』とやらで差別意識を助長し、不和を生み続けてきた。


 『人々は皆等しく争い合って神を崇め奉るような信仰の土壌を作れ』と言わんばかりの、神々が定めた他種族との溝、それに連なる負の連鎖システムに敢えて準じて傀儡となり、或いは恣意的に解釈して甘い汁を吸ってきた一部の特権者の存在。


 イクシアですら横行していた奴隷制度の悪用とアカリのような被害者達。


「そうか……人口を減らす……粛清っていうのは……今のノア達みたいに……いや、俺も含めて〝力〟が有って周囲を威圧する者……既得権益に縋り、まだ肥えようとする人間達を排除すれば……成る程、既に自治にも手が回らない連合から新たに『教え』に毒された人間は出てこない……大陸の国々を平等に支配して……自分達の『教え』を広めるつもりなのか、アイツは……」


 重ねて、たった今見せたノアらの蛮行と態度、最近めっきり人型端末を使わなくなったロベリアの様子が脳裏を過った。


「そりゃ、巻き込まれる方は当事者の理屈なんてわからないよな……そりゃあ……長く生きた人間も絶望する、よな……」


 ライは今日この日、ここに至って初めてシキとロベリアが掲げる理想を受け止めた。


 人が少なくなれば管理しやすい、その人間が争いや人殺しを是とする人間であればあるほどに。『そんな連中をのさばらせた』民も罪人だからと侵略する。


 何処までも理不尽で非情で不条理で非道徳的だとしても、極めて合理的な判断なのだと知った。


 そして同時に、その〝危うさ〟も。


 (だけど……万事が万事上手くいくとは到底思えない。寧ろターイズ連合の発足よりも急ピッチに事を進める分、瓦解を始めるのも早い筈……)


 自己矛盾を抱えながらも理想実現の為に戦い続けているシキは自分と魔帝軍を新たな聖神教に見立て、彼の言う優しい魔王を世界に統べらせようとしている。


「どーしたのー?」

「つまんなーい!」

「抱っこして!」

「あっちで遊ぼーぜ!」

「もー、勇者様が困ってるでしょっ? それに勇者様は私と遊ぶの!」


 難しく考えようとしたところで、また無垢な子供達の邪魔が入り、苦笑する。


 そんな自分達を見て微笑んでいたマナミと目が合い、言葉を交わす。


「人が集まればそれだけ綻びも生まれる。だから……アイツの考えやロベリアのやりたいことが全部正しいとは、俺はどうしても思えない。賛同は出来ない」

「けど、それは私達も同じだよ。どうすれば正解か平和になるかなんて誰にもわからないし、誰か一個人が決めていいことじゃない。それでもって……どんなに聞こえの良いことを建前にしてても、あの二人の企みは悪事。絶対に覆らない」


 例え悪意があろうとなかろうと、この村のように平和を築けているのに切り捨てられた人々が居て、誰かの助けを必要とする人々が居る。


 勇者ではなく、人として。


「やっぱり……人死にも人を信じられないのも……悲しいじゃないか」


 もうこの下らない戦争を止めたい。


 シキほどじゃなくとも意識改革を早め、人と人とが手を取り合える世界にしたい。


 ()()()()()を辺りに向けながら、ライは決意を固めていた。


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