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闇魔法の使い手  作者: 葉月 縷々
第5章 魔国編
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第231話 嗤鬼

すいません、またまた遅れました(-_-;)


「おいおい……」


 思わず嘆息する。


『宣戦布告も無したぁ随分やる気じゃないか……腕が鳴るねぇ!』


 フェイは燃えているが、いつものスイッチが()()入ってない俺は辟易する他ない。


 斥候の情報通り、連合艦隊がやってきた。場所は帝都を目前にした広大な荒地。俺達と帝都の距離は約二十キロほど、俺達と連合艦隊の距離も同じくらい離れているだろうか。


 フェイがフルーゲルのコックピット内から言ってきたように、奴等は宣戦布告も無しにどんどん近付いてきている。


 どういう理屈による通信かは知らないが、無線のような魔道具があるというのに、だ。先程からルゥネが出している勧告も無視して突き進んできている辺り、最早話すことなどない、とでも言っているようだ。


 予めモグラ少女のアイが『見』ていたこともあり、帝国軍は既に配置に付いている。


 補修した戦艦と新たにシャムザから輸入した戦艦の計14隻。その中には完全修復と改修を終えた巨大強襲用魔導戦艦ヴォルケニスの姿もある。


 ディルフィンは高速移動を目的に改造された巡洋艦タイプの艦。その為、遊撃を任された俺達は迎撃体勢にある帝国軍を見下ろすように遥か上空を浮遊していた。


 望遠モニターによって得られた地上付近の情報は立体映像式に投影されており、横並びに陣形を組んでいる帝国軍も、同じく並列している連合艦隊の様子もよぉく見える。


「艦影を全て確認っ。その数60っ」

「ふーむ……アイ氏の言った通り、バラけることなく真正面から……残りの戦力は自国の防衛に回していると見て良さそうですぞ」


 オペレーターが情報を伝え、ジョンが一人呟く。


 ディルフィン自体が戦闘に加わる予定はない。が、俺やメイ、フェイ達の移送手段。否が応にも危険に晒される。


 俺は少し考えたのち、マイクをとって艦内に居る全員に話し掛けた。


『俺達を含めれば戦力差は四倍。毎度のことだが、キツい戦いになる。死にたくなけりゃ……いや、降りたい奴は降りても良い。無理はするな』


 誰にも死んでほしくない、という言葉が出てこなかった。


 我ながらなんてひねくれた性格だ。こんな言い方しか出来ない自分に腹が立つ。



 しかし、皆はそんな俺を理解しているらしい。


「はっ、何を今更! 大体、そう言っていっつも無茶する奴は誰よ!」

「お前が来いってんなら付いてくぜ! 何せお前はシャムザを救ってくれた恩人だ! まさか降りてくれ、なんて言わねぇよな?」

『『『そうだそうだ!』』』

『アタイらは大将のモノなんだろ? モノはモノらしく、死ぬまで一緒に居るさっ』

『同じく!』

『んっ……惚れた弱味』

『最初は無理やりでしたけどね。でも大事にしてくれるので私も尽くしますよ! 目指せ立身出世! 目指せ正妻ポジション!』


 メイは元々俺の為に、という理由があり、ジョンは何より俺が強制的に連れてきたが為に。二人は苦笑いで答え、他は元気いっぱいの返事が一斉に返ってきた。


 元『砂漠の海賊団』の皆もフェイ達も理由はどうあれ戦ってくれるらしい。


『こらネペッタ! 大将はアタイんだよっ!』

『あっ、隊長狡いっ、はいはい! 私も私も!』

『副隊長もハンナも最初は泣いてたくせに……』

『そうですよ! 特に隊長なんて絶対に寝首掻いてやるなんて言ってたじゃないですか!』


 フルーゲル隊が何やら喧嘩を始めてるが、内容が内容なので止められない。大体、正妻はムクロだと言ったろうが。つぅか身分を考えれば婿入りだぞ。妾ですら認められるか怪しい……というかリヴェインに何言われるか……。


「わ、私はー……お、降りたい、かなぁ……なんて……」


 しれっと手を上げてそんなことを抜かしてるメイドはスルーした。


 撫子と同じだ。優秀な戦力を逃す訳ないだろう。


「おーおー、二番三番四番以下が何か言ってるねー? ユウ兄の正妻の座は誰にも渡さないのにさー?」

「いや、お前は候補にすらないからそれ以下だぞ」

「酷い! っていうか何で私にだけ辛辣なのっ!?」


 おっと、つい本音が。


 フェイ達も艦内の皆も笑ってくれている。


 茶番の効果は絶大。これから死地に向かおうってのに余計な力が入ってちゃあ困るからな。メイはわからんが、フェイ達はそういう雰囲気を察しておちゃらけてくれたようだ。


「悪いな、皆」

「へっ、水臭いんだよ!」

「仲間なんだからそこはありがとう、でしょ!」

「あぁ……ありがとう」


 俺は良い仲間を持った。


 持つべきものはやはり仲間……家族だな。この温かさがどんどん俺じゃなくなっていく俺を俺足らしめてくれる。


「はぁ……それより、あそこにバカ兄貴が居るって考えると脱力するよ。ホントに大丈夫なのユウ兄? 武装以外は実力も才能も負けてるし、属性魔法が使える分、相性も悪いんでしょ?」


 存外メイも真面目に考えていたのか、そんなことを言ってきた。


 帝国と連合の戦力差も大きい。数も技術も圧倒的なら、勇者二人に再生者が一人、異世界人も二人、更にはスラスター兵装や対艦装備を得た聖騎士達と個々人の能力差も凄まじい。


 端から見れば無謀な戦いだろう。


 しかし、その実情は別物。


 敵を知り己を知れば百戦して危うからずとも言う。


 そもそもの話、透視も遠視も可能なアイのお陰で敵の武装や布陣、作戦概要まで丸わかりなのだ。


 互いに巡洋艦が殆ど。それら魔導戦艦の性能はこちらのが古い分、向こうの方が全体的にやや上。その代わりに、戦争用に建造されたものじゃないから足が遅い。


 更に、対艦装備は向こうも持っているが、帝国軍も大量に配備されている。


 となれば……例え数で圧倒されようと良い勝負をする筈だ。


 何しろルゥネが先の戦争で得た情報を元に新造した兵器は初出。


 今回はヴォルケニスも居る。流石にシャムザの時みたいに最前線には立たないにしても、短期決戦なら全ての分野において光るものがあるヴォルケニスの存在はやはり大きい。


 それに……


「その為にお前達が居るんだろ。大丈夫さ、ルゥネの作戦が上手く行けば開戦後、三十分もしない内に戦力差は同等になる」


 俺がそう言い切ったことでメイ達の表情はまた更に和らいだ。


 以降は戦艦が逃げ回りながら撃ち合い、俺達のような航空戦力がぶつかる、というのがルゥネの読み。


 ライ達を含めた主戦力は俺とテキオら転生者達が相手をし、存在そのものが最強の対艦兵器であるメイが艦隊を沈めて回る。


 フェイ達は聖騎士相手に無双出来るし、帝国軍の航空戦力も防衛くらいは可能。


 強いて言えば向こうのアンダーゴーレム部隊が邪魔だが、アイが『見』た限りだと先の戦争で不利を悟ったらしく、数がかなり減っているらしい。全体数が少なければ前には出てこない。あくまで艦隊の護衛に回るだろう。


「つまり……俺達はこの戦争の要。気張れ。そして……誰も死ぬなよ」


 今度こそハッキリと言えた本音混じりの発破に対し、皆は力強く頷いた。


 今回の戦争の目的は連合艦隊の壊滅じゃない。その脅威を映像に納め、魔国に持ち帰ることだ。


 しかし、連合艦隊がまたしても敗れた、なんてことになった暁には地上の国々は『天空の民』に更なる投資をする筈。


 そうなれば戦争は続く。


 フェイが言うには物資がないから百隻くらいしか無いだけ。逆に言えばそれさえあれば奴等は幾らでも艦隊を増やせるということ。アンダーゴーレムも聖騎士に配る対艦装備もだ。


 戦争は発明の母と言うが、帝国が産業革命を起こしているように向こうも同じように進歩し、戦力を高めてくる。


 帝国もシャムザも魔国も、迎撃や防衛は出来ても『天空の民』の城を落とすまでの余力はない。


 戦争を終わらせるのなら最終的には連合の中心に居る奴等を皆殺しにしなければならない。


 今はまだドンパチ程度。今後、各地での戦争はより激化するだろう。


「つくづく時代の動きを感じるなァ……だが、新時代の大戦争はまだまだ始まったばかり。楽しんでいこうぜ。なぁ、そうだろルゥネ……!」


 俺達は各々戦いに備えつつ、雲の中に隠れるのだった。










 ◇ ◇ ◇



 先に仕掛けたのは帝国だった。


 連合艦隊は再三に渡る停船勧告を尽く無視。最後通告として立体映像の投影による停船指示も出したが、返ってきたものは『貴国は我が連合の敵と知る』、『貴国の敗北は明白である』、『直ちに武装を解除、降伏せよ』というもの。それも光信号であり、その意味はフェイ達『天空の民』にしか読み取れない。


 訳のわからない対応に青筋を浮かべたルゥネはならばと返した。


『帝国の領土を、村を、街を……今まさに帝都を侵攻しようとする魂胆。良いでしょう、我々は古き善き伝統に従って迎撃します。……帝国臣民っ、並びに新生帝国軍の総員に告ぐ! これよりターイズ連合を正式に侵略者と断定っ! 奴等が蛮族と揶揄する力をっ、その血をっ、生き様を示しなさいッ!!』


 そうして各艦から発射されたのは新兵器の一つ。


 外見上は三角錐の金属塊。銀色に輝くミスリル製のそれは言うならば人間魚雷。空洞になっている内部に人一人が入り、特攻させるというもの。


 日本の知識から着想を得、ルゥネが直々に発明したその兵器は爆発する棺桶(バーストコフィン)と名付けられた。


 参考に脳をリンクさせられ、挙げ句にそんなものを造り出したと知ったシキやテキオら転生者は「こいつマジか」と二度見三度見して天を仰いだものだ。


 されど、その効果は絶大。


 尻に火が付いたような、異様な光を放ちながら爆走していったバーストコフィンの群れは対空砲火に晒されつつも連合艦隊に辿り着き、次々に激突爆散。二十から三十機に並ぶ第一波で十隻近くを沈めることに成功した。


 続いて、第二、第三、第四波が肉薄する頃、連合艦隊は気付く。彼等を取り巻くエアクラフト部隊に。


 バーストコフィン。またの名を高速移送特攻兵器。


 後部には『臨界爆発』しやすいよう()()された強化スラスター。魔力は付属しているマナコンデンサーより供給される為、乗員が消費する魔力は起動に必要な僅かな量のみ。そして、一度起動してしまえば後は突撃する他ない。


 一応、内部にハンドルのようなものはあり、正面も視界確保用に強化ガラスで出来ているのだが、操作性は最悪。


 迫り来る対空砲火や直撃して爆死する仲間達の姿は寿命を縮ませ、更には密封空間の為、環境も色々と劣悪。生き残った乗員は(のち)に二度と使いたくないと語る。


 超高速、超効率を誇る改造強化スラスターが異世界人や転生者にしか扱えないのなら、『臨界爆発』寸前に発生する暴走エネルギーを使えば良いじゃない。


 との発想から造られたそれらは乗員が内部のスイッチを押して数秒……あるいは強い衝撃を与えれば爆発する。


 その寸前に腹に相当する部位が開き、乗員を投下する仕組みであり、投下後は予め装着していたエアクラフトで飛び回り、直ぐ様航空戦力として動ける寸法。


 人体よりも大きい物体による『臨界爆発』は流石の威力で、ブリッジに直撃すれば一撃で撃沈し、エンジン部でも同じ末路を辿らせる。他の箇所でも巨大な穴を作るくらいは容易に可能。


 が、当然ながらその危険性は言うまでもない。


 結果として、連合艦隊はその半数が沈み、空力を得た帝国兵に囲まれた。その中にはテキオが率いる転生者部隊も居る。


 代わりにバーストコフィンに乗員した約七割の兵が死亡した。


 それらに対するルゥネの評価は「そこそこですわね……」というもの。


 ヴォルケニスのブリッジ内にて続いたのは、


「もう少し綿密さと……あぁっ、今思いましたけど爆発させないで魔障壁内に入ったら魔力の刃を纏わせるとかも良いかもしれません! アンダーゴーレムや戦艦も爆発させられるようにしておけばもっと面白いことにっ……ん~っ、『臨界爆発』は使えますわぁっ……!」



 と、感想のようなだけで死者に関するものはなかった。


 しかし、帝国臣民は元より戦闘民族。死地を楽しんでこそ帝国人だという人種であり、死亡者も前線で戦いたいと自ら志願し、その危険性を散々説かれた上での結果である。


 数で負けているのだから多少の無理はせねばという思いもある。


 そんな帝国軍人達の犠牲のお陰で開戦早々に行われた『肉を切らせて骨を絶つ』戦法は連合艦隊を縮み上がらせた。


 訳のわからない内に半分もの仲間がおぞましい光の中に消えていき、気付けば対艦装備で身を固めた敵兵が周囲を取り囲んでいるという事実。


 そうして掃討戦に近い流れになった後は早い。


 連合艦隊はその数を更に減らしながら後退し、勇者や異世界人、アンダーゴーレム部隊を出撃させた。


「くっ……次から次へと……! アイツは何処だっ!? この気配っ、戦場には居る筈なんだ! 一体何処にっ……!?」

「おいイサムっ! 早く黒堂の居場所を割り出せよ! このままじゃ俺達の母艦もっ……」

「あぁもうっ、だからライ達を待つべきだって言ったのに! 何でこうなるのよっ!」

『フルーゲル全機は艦の防衛に専念せよ! ブリッジがやられてない艦は沈ませるな! 再生者殿が来れば復活する!』

『『『了解っ!』』』


 どうやら彼等は先行部隊だったらしい。


 ヒャッハー等と叫びながら襲い来る帝国軍人を持ち前の異世界人パワーで撃退しつつ、状況把握に努めている。


 これには戦場の上空を飛んでいたディルフィン、その甲板上で待機していたシキも驚いていた。


「何でライ(クソ勇者)が居ないんだ……? 代わりに白仮面野郎とゾンビ、アホ女が一人……てっきり一緒に来るもんだと思ってたんだが……まあ良いっ……メイっ、ヴァルキリー隊の四人は出撃っ! 作戦変更だ! どうせ勇者共は俺を感知してこっちに来る! 代わりにゾンビ野郎とアホ女は頼むぞっ、行け行け行けぃっ!」

「りょーかいっ!」

『よっしゃあっ、とうとうアタイら新生ヴァルキリー隊の出陣だっ、行くよ皆ぁ! バシレーヤのバカ共に目にもの見せてやりな!』

『『『はーいっ!』』』


 既に出撃準備を終えていた少女らは次々に散開し、様々な色の光を撒きながら降下していく。


『ブリッジっ、戦場の様子はっ?』


 いつもの通信妨害のせいで途切れ途切れの無線を通じて仲間達と連絡をとる。


『えー……あーっ……い、今沈んだ筈の戦艦が幾つか持ち直しましたぞ! 癒野氏はあの戦場に――』

『――艦長っ、シキ! 連合艦隊の奥にもう一隻居やがるぞ! 雲の中に隠れてやがった! 艦隊後方の更に更に後方っ、雲が二つあるとこっ、デカブツだ!』


 艦砲射撃の重苦しい音が響く中、シキは「何だとっ?」と甲板の手すりに乗り上がり、マントから取り出した双眼鏡を覗いた。


「奥……雲の、側……? っ、あれかっ! まだ遠いが、この感じ……間違いねぇっ、奴だ! 何で出てこないっ……確か『ジェフェリン』級……フェイは要人用の戦艦だっつってたな……つまり……? ははっ、あいつ護衛か! それか何かあって置いてかれたな!?」


 アイのような固有スキル所持者でも居なければ連合側は帝国の新兵器など知る由もない。


 先の戦争でも大敗を喫したとはいえ、その実情は痛み分けに近いものだった。油断さえなければ勝てると踏んでいたのだろう。


 事実、対人用の機銃を増設したらしく、テキオ達が以前ほど近付けていないという報告も上がってきている。


 それでも戦力差は覆りつつある。


 艦隊は沈黙した。


 後はライ達特別戦力をどう調理するかで決まる。


「クハッ……バカ共がっ、まだわからないのか……!」


 仮面越し、それも片目のみの使用と中々シュールな光景だったが、シキは戦場を見下ろしながらニヤリと笑って無線を繋げた。


『メイ達には言ったが作戦変更っ、目標はそのデカブツだ! このまま戦場上空を横断しろっ、俺は状況を見て降下する! エナさんとトカゲら暗殺部隊は予定通り付いてこい! 俺達が抜け次第、ディルフィンは全速力で待避! 後は作戦通りだっ、わかったな!?』

『『『あいよ!』』』

『ひええぇっ、何で私までっ……やっぱ帰って良いかなぁっ!?』

『へへっ、やっと出番か……了解だぜボス。なぁお前ら?』

『『『承知!』』』

『ぶひっ!? シキ氏っ、例の白仮面がこっちに気付きましたぞ! む、向かってきてるっ! ぶひひぃっ、め、メイ氏とヴァルキリー隊の攻撃も無視して突撃してきてますぞぉっ!?』


 なら加速を掛けろっ、こっちの方が早いっ。


 シキの怒鳴り気味の返答に、ジョンはぶひぶひ言いながら頷き、素早く指示を出した。


「さて……聖騎士共、ゾンビ、アホ女はテキオやメイ達が何とかする……マナミはどっかの艦に居る……残りはライと撫子……居れば聖騎士ノアと他の上級騎士程度っ。地上なら兎も角、空ならっ……ハッ、今度こそぶっ殺すっ……! 待ってろよクソ共っ。要人用ってんならイクシアの女王も『天空の民』の女王も居るよなぁっ……!?」


 既に艦隊や戦場の映像は撮っている。勝っても負けても、ライ達生身の人間だけでは帝都の占拠は不可能。そして、魔国に帰国し、映像を届けることが出来れば帝国とシャムザの同盟に魔国を加えることが出来る。


 恐らくは『海の国』も協力を打診してくるだろうという考えはシキだけでなくルゥネも持っていた。


「そうなりゃ……世界最強の駒が手に入る。西と中央、北と東と南の勢力図の完成……マジの大陸分断だっ……代わりに俺はボコボコにされるかもだし、ムクロにゃ悪いが……楽しくなってきたっ……あぁっ、楽しくなってきたなァ!」


 地球で言う教科書に乗るような出来事、人物達、それらが織り成す渦の中心に居る。


 嘗てない興奮に包まれたシキは犬歯を剥き出しにして嗤った。


 この瞬間こそ彼のスイッチが入った瞬間であり……


 後の世に伝わる大戦の一部、第二次帝連戦役という悪夢の始まりだった。


次も遅れるかもです(;`・ω・)

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