表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇魔法の使い手  作者: 葉月 縷々
第1章 召喚編
2/340

第1話 疑念

2024年現在、作者がステータス設定を出したことを酷く酷く酷く酷く後悔してることだけは留意願います。

認めたくないものだな、自分自身の若さ故の過ちというものを……(; ・`ω・´)


 で、だ。このカオスな状況は一体なんだ? 何が起きている? 


 目の前のこの頭ピンク女は勇者様方とか抜かしたな。


 頭大丈夫かこいつは……いやいや、待て待て、第一印象で相手の正気を疑うのはあまり良くない。落ち着け俺。


 状況を整理しよう。


 雷と癒野さんも一緒に帰ってたら魔法陣が出てきた。


 次に目を開くと、周りには変な人達。


 人混みの中から女の子が出てきて、勇者がどうたら言う。


 OKわからん。何だこの状況。


「驚いてしまうのも無理ありません。今から皆さんの状況を説明致しますので一旦、落ち着いてください」


 ……その一言で落ち着けたら、相当な大物だと思う。


「皆さんは我々の儀式魔法で呼び出された異世界人……召喚者と呼ばれる存在になります。先ずは急な召喚をお詫び致します。申し訳ありませんでした」


 お詫びと言いつつ頭は下げない辺り、偉い人なんだろうと思った。


 ふと雷達の方を見てみれば互いの顔と目を見て首を傾げている。


 全員、「ほう……で?」という顔だ。


「私達の世界は今、悪逆の限りを尽くす魔王とその魔王が治める国による脅威に晒されているのです。その魔王を倒し、世界を平和にしていただく為に勇者様を……ひいては異世界人の方々を召喚した次第です」


 つまり、困ってると別世界から学生拉致って戦争させると。


 控えめに言ってもヤバいぞこいつら。


 癒野さんどころか雷ですら微妙な反応だし。


「し、召喚? 魔王? 失礼ですが一体、何の話を?」


 何処か幼さを残してはいるものの、雷に匹敵する顔を持ったイケメン君がそう切り出した。


 黒髪黒目。身長はライと同じくらいで、取り巻きらしい三人の女子はそのイケメン君の後ろで震えている。


「そうですね……魔王に関しての説明はまた後程に。召喚に関しては今、ご説明致します」


 ……え、魔王の話を始めたのあんたなのに?


 思わず喉元まで出掛けた言葉を飲み込み、耐える。


 まだ混乱してるようで思考が落ち着かない。


「この世界の名はイクス。剣と魔法の世界……と、言うとわかりますか?」


 ゾクリ……


 何故か背筋に冷たいものが走った。


 少し考えてその理由を知る。


 質問の仕方だ。


 こう言えば伝わるだろう、的なニュアンス。


 実際、イケメン君もその他も「あー……ん? あー、はいはい……ん?」みたいな納得行ってるような、行ってないような顔で頷いている。


 まるで何度か()()()()()()()()みたいで、そこに嫌なものを感じたんだろう。


「えっと……ゲームみたいな感じ……ですかね?」

「そのゲーム、というものがどういったものか存じませんが、大体合っているかと」


 「適当だなー……」という感想と「やっぱり元々俺達みたいな異世界人用のマニュアルか何かでもあるのか……?」という疑問が同時に浮かんだ。


 ついでに、「異世界だってんなら何で言葉が通じるねん」とも思う。


 そして本当に異世界なら先ずはこれだろ、と念じてみた。


 ステータスオープン!


 やっぱり混乱と困惑と驚愕でテンションが可笑しくなってるのか、気分はもうギ○ュー特戦隊。ポーズ決めたよな、心の中で。


 で、来ましたよ。


 目の前に文字が羅列した半透明な板がポンッと。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 種族:人族

 名前:ユウ=コクドウ

 性別:男

 レベル:1

 年齢:17

 職業:武闘士・狂戦士

 称号:異世界人・召喚に巻き込まれた者・固有スキル所持者・悪の権化・闇魔法の使い手・並行職・勇者の友(極)・戦闘狂・力持ち・俊敏・詐欺師


 HP:123/123

 MP:80/80

 攻撃力:238

 防御力:68

 魔攻力:91

 魔防力:89

 敏捷:182

 耐性:60


 固有スキル

 【抜苦与楽】Lv1

 スキル

 《言語翻訳》LvEX

 《身体強化》Lv1

 《感覚強化》Lv1

 《成長速度up》Lv1

 《鑑定(全)》Lv1

 《闇魔法》Lv1

 《狂化(暴)》Lv1

 《負荷軽減》Lv3

 《詐欺》Lv2

 《演技》Lv3

 《仮面》Lv3

 《人心誘導》Lv2

 《並列思考》Lv1

 《高速思考》Lv1

 《記憶補助》Lv1

 《集中》Lv1

 《武の心得》Lv1

 《怪力》Lv1

 《金剛》Lv1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 えっと……出しといてなんだけど、訳がわからなかった。


 周りの反応を見るに、俺しか見えていないことはわかる。


 取り敢えず……詐欺師と悪の権化ってなんやねん。


 ただの高校生だぞこちとら。なんだこの不名誉な称号は……


 しかも悪の素質とかならまだわかる。わかるが権化……権化は酷くないか……?


 というか俺が悪かどうかは置いといて、勇者召喚で悪い奴召喚してどうすんだよ。 


 いや、ツッコむのは後にしよう。


 例え勇者召喚の筈なのに狂戦士とか戦闘狂とかいう余計に不安を煽るような文字が見えたとしても。


「~等が有名でしょうか。この場では魔物が居て、他種族が居て……戦っていると知っていてもらえれば問題ありません」


 ピンク髪の女がしていたこの世界に関する説明が終わり、一瞬の静寂が辺りを支配した。


 さて……


 冷静にツッコミを入れるという現実逃避もこれくらいで終わりにしよう。


 これで、本当にここが異世界だってのがよくわかった……どうしよう(汗)


 いや、だって、異世界ものだと相場的に「ステータスオープン!」とか「ステータス!」って念じれば頭の中に出てくるかな~と思って、やってみたらこれですぜ!? マジじゃないですか! しかも呼ばれた理由が「魔王を倒せ」だと。……何だよ! 俺に創作物のモブをやれと!? 嫌だわ! 倒せってことは戦うんだろ!? 死ぬかも知れないんだろ!? 嫌過ぎる! 俺はまだ死にたくねぇ! 悪逆の限りを尽くすだぁ!? そんなもん知らんわ! ラノベとかでも言われてますけどね! これ、立派な拉致ですから! 脅迫ですから! 勝手に来させられて、倒せとか言われて! どうせ戦わないと飯を食わせられないとか地球に帰さないとか言うんだろ!? 俺に関しては悪の権化が勇者の仲間なんて可笑しいので出ていって下さいとか言うんだろ!? もしくは悪・即・斬! 的な感じで殺すとか! ふざけんなよ!? まあ、妥当な判断だとは思うけどもっ!


 ステータス欄にあった何ちゃら思考スキルとやらのお陰か、バーっと頭の中で自分の声が木霊した。


 何らかの条件を満たした結果、勝手に発動したような感じだった。


 他のスキルも……何となく使い方がわかる気がする。


 自分の身体が自分のじゃなくなったようで少し気味が悪い。


「皆さんがご自身の世界に帰る為には魔王を倒さなくてはなりません」


 俺が一人で薄ら寒い感覚を味わう中、無慈悲な宣告がなされた。


 瞬間、「あぁ!? っざけんなよッ!?」、「そんなの誘拐じゃない!」、「強制的に別の世界の人を喚んで戦わせるなんて非人道的とは思わないのかしら?」、「俺達を元の世界に戻せ!」、「……うわぁテンプレだなぁ」と雷達以外の全員が思い思いにその心の丈をぶちまける。


 雷は俺達の周りを囲んでいる連中の先頭に立っている兵士っぽい人達を見ていた。


 癒野さんは不安そうにこちらを見たり、雷の腕に掴まったりしている。

 

 今、俺達の命は目の前に居る奴等が握っている。


 雷の視線の先にあるのは剣や槍、両手斧を持つ兵士だ。


 鎧も着てるし、兜だってしている騎士のような奴等も居る。


 俺達に武器を向けている訳じゃない。が、こちらが何か問題を起こせば即襲いますよと言わんばかりの様相だ。


 抗議したい気持ちは勿論わかるんだが……お前らには本物にしか見えない鈍い光を放つ武装が見えないのかと訊きたくなった。


 そして、それに対するピンク髪の反応はこうだ。


「グスッ……も、申し訳……ございません……っ……私達には……そうする以外に方法がっ……魔王に一体どれほどの土地が奪われ、我々が苦しんだかっ……! どうか、どうか私達を魔王の手からお救いください! 勇者様方なら絶対にこの世界を救える筈です! お願いしますっ!」


 号泣。


 まさかの号泣である。


 その後ろの連中まで一斉に暗く俯く辺り、演技派だなぁと思う。


 いやまあ本当に困ってるのかもしれないけども。色々頑張って結果、ダメだったから最後の手段として俺達を喚んだのかもしれんけども。


 でもだからって他人に戦争やらせようと考える時点で信用出来ない。


 さっきの問答的にも何度か同じことをしてたような節もある。


 しかし。


 自分と同じかそれより下くらいの女の子が一目を憚らずに泣く姿は痛ましく、同情を買うのだろう。

 

 イケメン君が元気よく拳を掲げ、音頭を取り始めてしまった。


「皆……やろう! この人達はこんな方法を取らなければいけないほど追い詰められているっ……手段を選べないくらい困窮してたんだ! 僕はこの人達を……いや、この世界を救いたい! どっち道、魔王を倒さなければ、地球には帰れないんだっ、やろう! 僕達の手で魔王を倒し、この世界に平和を取り戻すんだ!」


 「ファーwww」とか「だっておwww」とかって指差して笑いたくなった。


 洗脳を疑うレベルでお人好しだ。


 いや、つぅかバカだろ。笑えねぇよ。


 倒すってのは言い換えりゃ殺すってことだろ。


 例え魔王が悪い奴だったとしても、王を殺すってことは土地を奪うってことだろ。


 だったらその民は? 国は?


 植民地化一直線だろ。反抗する奴は殺せって言うんだろ。


 この世界に幾つ大陸があって、どれくらい広くて、今この場所が何処なのかも知らないが……


 一つの国を滅ぼしたところで世界が平和になると本気で思ってるんならイケメン君も目の前のこいつらもどうかしてる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ