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新しい剣

作品のタイトルに副題をちょっと付けてみました。

それに伴い、あらすじも少々変更。

書いている内に物語の方向が変わってきたりするので、その都度変えていくかも知れません。

 「これはね、王室近衛兵ロイヤルナイツの12人だけが持つことが出来る、特別なソード」


 「えっ、何でそんな物をヴィヴィさんが持ってるの?」


 「の、レプリカなのよー。」


 「レプリカかーい!!」



 本物の王室近衛兵ロイヤルナイツのソードは、刃の部分が全部ミスリル銀で出来た、ミスリルソードなのだそうだけど、このレプリカソードは、芯の部分だけにミスリルが使われた、本体は普通の鋼の剣らしい。

 芯といっても、ほんの細い針金というか、ミスリルの極細糸が、中心に一本埋め込んである程度らしい。

 そして、刃の部分は、最近、錬金工房で作成に成功した、粉末冶金パウダーメタルで作られているのだという。

 粉末冶金パウダーメタルは、鋳造、鍛造、に次ぐ第三の冶金方法だ。微粒粉末の金属を焼結して作る。

 通常の冶金法では避けられなかった材質のムラや偏りの無い均質性に加え、耐食性、耐錆性、耐摩耗性、加工性、切れ味、等を自在にデザインする事が出来る。

 このレプリカソードは、ブレードを光にかざすと青く反射する、とても美しい剣に仕上がっている。



 「レプリカだからといって馬鹿には出来ないのよー。この剣は、魔力の通りの良いミスリルを芯に使っているおかげで、こんな事が出来ちゃうのよー。」



 ヴィヴィさんが剣を持って、ヒュンっと軽く振ると、届いていないはずの木の葉がすぱっと切断された。



 「実はね、剣の先端から見えない魔力の刃が伸びているのよ。刃といっても、剣先から極細の魔力の線が出ているだけなんだけどね。極細だから、刃物みたいに切れちゃうのよねー。私の魔力で、約1ヤルト半位延長出来るわ。これ、戦闘時には結構有効だと思うのよね。」


 「へー、面白い。」



 これも偶然の産物なんだけど、細いミスリルの線に魔力を流すと、あたかも水のノズルの様に、先端から勢いよく魔力が噴射する現象が発見されて、実用化に成ったとの事。お師匠の発見らしいよ。材質をケチったせいで発見した、怪我の功名だね。

 私も真似をして、剣に魔力を込めて近くの木の枝に向かって軽く振ってみた。

 軽いサクッとした手応えと共に、その木の枝が落ち、その木の太い幹が斜めに切断されて横に倒れた。遅れて、その向こう側の木の幹が、更にその向こう側の木が……薙ぎ払われた様に順番に倒れていった。やべ。



 「あー、うーんと、てへっ!」


 「あらあー、相変わらず、とんでもない魔力量ねー。」


 「お前は、魔力を精密に制御する方法から勉強するべきじゃな。」


 「……」



 ちょっと森林破壊してしまった。

 ヴィヴィさんは、自分の持っていた方の剣をケイティーに渡した。



 「これは、新しく作る学校の、魔導剣術科の卒業生に魔導鍵かどちらかを与えようと思っているの。どうかしら。」


 「はい、これなら魔導剣術科を受験したい人は多いと思います!」


 「あなたは、剣の先からどれ位伸ばせるかしら?」


 「はい、むむむー!」



 ケイティーが剣に魔力を流し、地面に当てて長さを確かめてみた。



 「うん、一応ちょっとは使えるみたいね。大体、1パルム(約17センチ)ってところかしら?」


 「私の魔力では、たったこれだけが限界みたいです。」



 あまりの短さにがっかりした様子。



 「いいえ、がっかりする事は無いわ。1パルム程度でも上出来よー。だって、世の中で魔力を持って生まれた人は、それだけでも恵まれているのだから。それに、ソピアちゃんを見ちゃうとがっかりする気持ちも分かるけど、あの子は異常だから。1パルムでも、イザという時に使うと、結構有効なのよ。剣術の幅が広がるわ。」


 「私は異常なのかー……」


 「あ、異常な程凄いって意味よー、おほほほ。」



 ところで、学生に与える剣に王家の紋章はマズイのでは……?

 と、思っていたら、ヴィヴィさんが剣の柄に手を翳し、さっと手を退けると、王家の紋章は学園の校章へ変わった。



 「へへー、シールでしたー。」



 私の持っている方も爪で擦ってみると、ペロッと剥がれた。

 王家の紋章を悪戯に使って大丈夫なのか、この人?



 「内緒よー。」


 「だめじゃろ。」



 お師匠、冷静。



 「その剣はあなた達二人に差し上げるわ。使ってみて、感想を聞かせて頂戴。」


 「まさか、これもモニター兼広告塔……」


 「うふふふふ! ソピアちゃんの快気祝いよー。」


 「それだと、私が貰う理由が。」


 「お友達特典よー。」


 「は、はあ、そうですか。」



 ケイティー、また悪い奴に狙われなきゃ良いけどな。

 ケイティーに何かあったら私がヴィヴィさんをとっちめる!

 今、ヴィヴィさんが、さっとファイティングポーズを取ったけど、気にしない。



 「それを使って今度は、あなた達二人で剣のお稽古をしてみて。もちろん、魔力使用ありでね。」


 「ちょっと待って下さい! 魔力ありだと私、ソピアに勝てる気がしないんですけど!」


 「それもそうねー。じゃあ、ソピアちゃんは、剣の延長術(仮名)の使用は無しね。」



 私は、それでもケイティーには負けない自信はあった。



 「では、よーい、はじめ!」



 ケイティーは普通に構えている。

 私は、剣を魔力で操作し、腕を胸の前で組んで仁王立ちだ。

 魔力操作なら、筋力の何倍もの速度で剣を振るう事が出来る。リーチも思いのままだ。負ける要素が無い。

 案の定、私の振るう剣速にケイティーは付いて来れない。



 ガガガガガガガガ!!



 「きゃあああああああ!! ちょっと、ソピア、ちょっ、まって! 速い! 速い!」



 案の定、捌くだけで精一杯で、攻撃する余裕は全然無いみたいだけどね。

 しかし、驚いた事に私は剣速を緩めていないにもかかわらず、ケイティーはその攻撃を全て捌き切っている。


 ん? あれれ? それって結構凄くない?


 そうこうしている内に、筋力で戦っているケイティーの方には、どうしても段々と疲労が溜まってきている。

 私は、ちょっと速度を緩めてあげようかなと思った瞬間、私の真似をした摺足で、ススッと近づいて来たケイティーの何気無い突きを食らってしまった。

 もちろん、剣の突きなど私の祖力障壁で鼻先の1パルム程度の距離で止めてしまうのだが……


 私の右頬に熱い感触が走り、数本の髪の毛がはらりと落ちた。

 これには、私もケイティーも一瞬何が起こったのか分からず、びっくりした、というよりも一瞬思考が停止した。



 「!?」


 「きゃあっ! た、大変! ソピアの頬に傷が!」


 「あら大変、こちらへいらっしゃい。治してあげるから。」


 「これは驚いたわい。ソピアの祖力障壁を貫通するとは。」



 頬の傷は、ヴィヴィさんが直ぐに修復してくれた。

 それよりも驚いたのは、ケイティーの魔力刃が、私の障壁を貫通した事だ。

 多分、来るのが分かっていれば、見えない魔力刃でも止められたのだと思う。

 私が、剣の見えている部分、物質部分の本体を1パルムで止めればいいやと、舐めていたと言うか高を括っていたが為に、1パルム延長された見えない刃が私の頬まで届いてしまったのだ。



 「ソピアは油断していたと言うかも知れないが、この勝負はケイティーの勝ちじゃな。」


 「やったー! ソピアに勝った! ソピアに勝った!」


 「ぐぎぎぎぎ」



 悔しい! 悔しいけど、私は無意識に友達を舐め腐っていたという事か。

 駄目な奴じゃん。

 ホクホク顔のケイティーを見ていたら、悔しい気持ちも収まった。

 こんな所まで追ってきてくれた親友には感謝しないとね。



 「大親友ね。」


 「あ、うん。ですよねー。」



 休憩がてら、皆でお茶を飲んでいたら、森の方から誰かの気配が近づいて来ている。

 そちらを見ると、なんだか見覚えのある姿が。



 「お、ドリュアスかのう。」


 「エウリケートじゃないね。」


 「ごきげんよう、大賢者様、ソピア様。その他の皆様。私は、ドリュアスのモレアと申します。」



 モレアはエウリケートよりもちょっとお姉さんっぽい感じのスマートな美人だ。



 「ちょっとぉー、私達はその他に括られちゃったわー。」



 ヴィヴィさんはちょっと不満顔。

 ケイティーは、初めて見るドリュアスにちょっとビビっていた。

 何か、ドリュアスっていうと、森を荒らす悪い人間を退治したりする厳しいイメージがあったらしい。



 「して、今日は何用じゃな? モレアさんとやら。」


 「はい、ちょっと抗議を。」


 「抗議!?」


 「木材を利用する以外で森の木々を無闇に切り倒さないで下さい。」


 「「「「!」」」」



 皆が一斉に私を見るよー。



 「ごめんなさい。」



 その後、モレア監視の元、皆で倒れた木に、リペアとキュアを施しました。




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★★★新作書き始めました。★★★
 ⇒ 私、魔女はじめちゃいました。





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