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皆で修行

 私、ウルスラさん、プロークと飛竜ワイバーンの人化した4人で、一旦雲の上まで飛び、作戦会議。



 「まず、不殺です。これはいいですね。大目的は、飛竜ワイバーンの子3頭の奪還です。敵の無力化は、敵の大将を狙ってさっきみたいに私が電撃でスタンさせます。」



 命令系統の上だけ叩けば、残りは降参する……はず。

 まだ命令を出される前なら、なんとかなると思う。



 「私達は、何をすれば良いのでしょう?」


 「ハッタリをかまします。もう、こちらには手を出したくないと思わせます。」



 方法は、恐怖でも良いし、その人の良心に訴えても良いし、その人の持っている宗教上の禁忌に触れると思わせても良い。



 「でね、作戦はね、ゴニョゴニョゴニョ……OK?」


 『『「了解!」』』


 「では行くよ! 魔導リアクター展開!」


 「マジックライト、フルパワー!」


 『『--天使の翼!--』』



 敵の軍隊の頭上の雲から、眩い光が降り注いだ。所謂、天使の梯子というやつだ。

 敵の軍隊は、何事が起こったのかと、皆頭上を見上げた。



 「よし、降下開始。」


 「降下」

  「降下」

   「降下」



 3人の天使と思しき純白の翼を広げた3人の美女と、その頭上に光の輪を戴いた1人の少女が、雲の上からゆっくりと降りて来る。

 2万人の敵兵は、全員がその光景を目の当たりにした。

 4人の神の使いと思われる女性達は、敵の陣の有る、小山の上で止まると、中に居る指揮官達に向かって話しかけた。



 「お前達は、何故人同士で殺し合おうとする?」


 「直ちに軍を引け、さもなくば、天の怒りがその身を撃つであろう。」



 私とウルスラさんで、セリフ割りだ。ウルスラさん、若くなって綺麗な声出すわー。



 敵軍の人達、動揺してる、動揺してる。



 「くっ、この様な敵の妖術に惑わされはせんわ! 誰か、弓を持て!」



 お? 惑わされない人が居た。

 でも、周囲の偉い人に止められているよ。

 弓を持って来た兵士から強引に奪い取り、矢を番えて、あっ、本当に撃った。

 だけど、矢は当然、私達の所までは届かない。私の祖力フィールドがあるし、ウルスラさんの絶対障壁もあるからね。

 飛んで来た矢は、空中で止まる。



 「くそっ! もう一本寄越せ!」



 懲りずにもう一本撃とうと矢を番えた所に、私が電撃を落としてやる。

 稲妻みたいに一瞬じゃないよ。500万ボルト、1ミリアンペアの電撃を5秒位流してやる。

 あらら、気絶して失禁しちゃった。



 「私に逆らうという事は、どういう意味かをその身で確かめたいという事か。」



 人の姿のプロークと飛竜ワイバーンが、それぞれ巨大な火炎竜と空竜に姿を変え、口から吐き出す業火によって、本陣の天幕を焼き払った。

 その、人の手では到底敵い様も無い光景を見た者は、全員平伏して赦しを請うた。



 「よいか、私は何時でもお前達の所業を見ているぞ。お前達が神に背く行いをしたその時には、お前達の体と魂は地獄の業火で焼かれ、永劫の苦しみを受け続けるであろう。」


 「は、はは、はい! お赦しください。何卒ー!」


 「もう一つ。ここに飛竜の親子を傷つけた不届き者がおるだろう?」


 「は、はひ! 直ぐに飛竜番の者をここへ引っ立てろ!」



 軍隊長が横の者に命令すると、慌てて駆けて行ったその軍人は、一人の男を後ろ手に縛り、私達の前へ引き出して来た。



 「嫌だー、俺じゃない、俺じゃないんだー!」



 その男は泣き叫んでいる。

 こんな下っ端の兵隊が、一人で飛竜を捕まえて来れる訳が無いじゃないか。

 この男を生贄にして、保身を謀ろうとしているな。



 「たわけ者め!」



 私は、その軍隊長に雷を落とした。



 「私の目を節穴と見縊みくびるか!」


 「ははー、どうぞお赦し下さい! 女神様!」


 「お前の罪は、国民全ての罪と知れ。次にこの様な事が行われた場合は、この地上から一つの国が消える時と知るが良い!」



 私は3頭の飛竜の子を繋いでいた鎖を魔力で引きちぎり、私達の元へ引き寄せた。

 そろそろボロが出そうなので、とっとと引き上げる事にしよう。



 「お前達の行いは、何時も見ているぞ。我が身を正せぬ愚か者には、再び神罰が下るであろう。ではさらば。」



 私達は、そのままゆっくりと雲の上まで登って行き、ウルスラさんの出した超マジックライトをゆっくりと消した。



 「うし! 大成功!!」


 「ふう、言葉遣いの端々が少々怪しくて、少し焦りましたわ。」


 『--女神様、我が子をお助けくださり、感謝致します。--』


 「あ、私女神じゃないんで、お礼は結構です。」



 私達は、雲の上を移動し、敵兵の目の届かない所まで移動した後、地上に降りて村へ戻った。

 子飛竜達は、直ぐ様ウルスラさんの治癒魔術で怪我の治療を施された。切り裂かれて失われてしまった翼の被膜の欠損部分は、次の脱皮で回復出来るそうなので、取り敢えずは不便だろうけどこの村で面倒を見てもらおうか。飛竜のお母さんが子供達に変身術を教える事が出来れば、自力で翼を直して元居た山へ帰れるかも知れない。


 遠眼鏡で敵の軍隊を見ていた隊長さんが、『敵は引き上げて行く様です』と教えてくれた。

 そして、私の前に跪いて、『女神様から御預かりしておりました、この遠眼鏡をお返しします。』と、恭しく返してくれた。

 だから、女神言うなって。演技なんだから。

 誰だ? 女神のソピア、略してメソとか言っているのは!



 軍隊長さんは、国境の警備人員を増やしたり、死者の弔い、捕虜の護送、村民の避難命令の解除、伝令で呼んじゃった兵の帰還命令等、後始末の仕事がいっぱい有るそうだ。

 私達は船を戻そうかなと思ったのだけど、女神様のモニュメントとして残すとか言い出して、戻さなくても良くなったので、ここから修行の旅を再開する事にした。何で船が私を表すモニュメントなんだよ、納得行かない。



 「さて、これから何処へ行こう。私としては、滝行も出来る山の中に行きたいな。」


 『--滝行って何です?--』



 飛竜ワイバーン親子が興味深そうに聞いてくる。



 「うーんとね、こう、滝の水に打たれながら、雑念を消して、精神を鍛える修行なの。何処か、水量が適度に少なくて丁度良い滝が在る場所知らない?」


 『--おお、それなら、我々の棲んでいた山の更に奥に丁度良い滝が在りました。--』


 「え、マジ? そこへ案内してくれる? ついでに送っていってあげるよ。」



 というわけで、飛竜ワイバーン親子は村預かりを取り止めて、一緒に山まで行く事になった。

 村を発つ時に、皆が名残惜しそうに手を振って見送ってくれた。

 皆、人懐っこくて良い人ばかりだったね。

 そう言うと、ウルスラさんとプロークが顔を見合わせてちょっと肩を竦めてみせた。なんなんだよ、もう。








◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇








 飛竜ワイバーンの案内で、東へ向かって暫く飛んで行くと、山岳地帯が見えて来た。



 『--あの山が我々の棲家だった場所で、その麓近くで狩りを子達に教えている時に人間に捕まってしまいました。--』



 動きに拙い子飛竜が捕まり、それを質に、親飛竜も捕まってしまったという事だそうだ。飛竜の親子の情を利用した、卑劣なやり方だ。



 「次に同じ事があったら、私かプロークに思念を飛ばすんだよ。助けに行くからね。」


 『--有難う御座います。--』



 棲家の山を飛び越え、山岳地帯の更に奥地へと向かうと、飛竜が谷のある地点を指し示し、そこへ先導して降りて行った。

 ここまで奥地になると、人間も入って来なさそうで、都合が良い。



 『--ここです。--』


 「おお! 理想的!」



 滝の落差はあまり無く、水量も程々に少ない為に滝壺が無く、下の岩の上に立って滝の水を受ける事が出来る。

 滝の周囲には開けた平地があり、キャンプをするのにも丁度良さそう。森の中へ入れば、野生動物を狩れるし、滝の下の沢には魚も見えている。食料も水も確保出来そうだ。


 良い場所を教えて貰った。ここに決定ー!

 飛龍さん達にお礼を言って、棲家に送り届けようとしたら



 『--あ、あのう、我々も此処で皆様と一緒に修行をさせて貰えないでしょうか。--』



 ん? 何の修行?

 ああ、変身術ね。オッケーオッケー。一緒に修行をした方が効率が良いかも知れない。皆でやろう。



 ウルスラさんは、飛行術の練習。

 プロークは、声の発声練習。

 私と飛竜達は、変身術の練習。


 頑張ろー!!




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★★★新作書き始めました。★★★
 ⇒ 私、魔女はじめちゃいました。





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