表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/100

戦闘開始

 結局、レイナスの意見が通ることになった。確実性が高かったからだ。

 一撃離脱を基本とし、ほんの2~3匹釣れたのならそのまま潰し、そうでなく4匹以上が動くようならやり過ごして他を刺激する。それだけになった。

 もしも上位個体が動くようなら臨機応変。手下を連れて動くことが懸念されるので、倒せそうにないなら無理はしないという事になった。

 本当に危険な奴なら本職に任せるのがベストなのだ。



「もう1㎞行ったとことに3匹ほどの群れ。手ごろだな」

「では、私が狙撃するという事で構いませんね」

「ああ、周辺警戒は任せろ」


 作戦としては、釣りが基本になる。

 遠距離からの攻撃を当て、注意をひければそれで良し。上手くすればそれだけで倒してしまえばいいと考えている。

 敵は集団で狙撃者を殺しに来るだろうが、敵がまとまって動けば中の人間にも余裕ができるし、こちらも危ない橋を渡らずに済むのだ。1㎞も移動させれば森という地形も手伝って、連携して戦うどころでなくなるというのがレイナスの読みだ。数を減らし、隊列を崩して余裕を作る。戦術の基本である。


 ほどなくしてリーゼの≪光術≫が完成する。遠距離砲撃用光術、≪サテライトキャノン≫――基礎となる≪光術≫の名前は全部“英雄”が付けていったものを採用している――は対象の頭上の光を集め、高出力レーザーにして打ち込むものだ。威力は高いが、使うには高いセンスが要求されるので使いこなすものは少ない。今回は遮蔽物が多く直線的に攻撃するのが難しかったので、最も遮蔽物が少なくなる頭上を使って狙わせてみた。

 この光術があるなら彼女一人でも敵の数を削れたのでは? と思われるかもしれないが、発動するまでに時間がかかり術を編み込むまで無防備であること、一撃必殺の威力まで理力を消費すれば周辺のヴラムに自分の位置を教えてしまう事などがあったのでできなかったのだ。最低でも護衛がいないと、彼女では使う気になれない。

 遠距離が専門で、近距離は苦手なのだ。


「ヴラム1匹を撃破(テイク)。次弾よろしく」

「分かったわ。他からヴラムが来る気配はない?」

「……全く動きに乱れがないな。統率できるリーダーがいそうだ」

「ちょ!? 待ちなさい!!」


 結果を確認したレイナスが次を要求する。それに応え、次の準備に入ろうとしたリーゼ。

 しかしレイナスの発言に聞き捨てならない情報が混じっていたことに気が付いて、思わず詰め寄る。


「リーダーってなんなの!? 説明しなさい!!」


 戦場とは思えない慌てぶりに眉をひそめるレイナス。この場にいるのに今さらだと考えている。


「リーダーは、上位個体でも知性の高いヴラムです、よ? 他の個体を率いているのは大体リーダーって言われる個体なのです。ほら、狼みたいに群れで動く獣もいるじゃないですか。あれと同じです」


 レイナスが何か言う前にシャルロッテがリーゼに説明する。これ以上雰囲気を悪くしないための措置だ。

 なお、リーダーについては座学でちゃんと教えられている。


 一通り説明を受けたリーゼだが、レイナス達から顔をそらし、言い訳するようにつぶやいた。


「座学は苦手なのよ……。実技だけなら私がトップなのに…………」


 どうやら彼女(リーゼ)は彼女で問題児のようだ。もっとも、本職の言う事を無視して勝手な行動をとる段階で判り切っていたことではあったが。

 このことは、真面目にコツコツと積み重ねながらも高評価を得ることのないレイナスの心を少し荒れさせる。が、一応ここで言い争いをするのはダメだと自分に言い聞かせる。


「とにかく次だ。急げ」


 敵を釣るためという事で場所を変えず、そのまま3匹を潰し終わるまでその場で狙撃を続ける一行だった。

読んでいただきありがとうございます。

誤字脱字、日本語の間違いなどありましたら指摘をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ