軍という駒と指し手
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申し訳ありません。
軍上層部は、現状の戦闘を時間稼ぎと判断した。
一度気が付いてしまえば、その方向で話は進めることになる。
相手が時間稼ぎをしている理由としては、ヴラムの繁殖が理由として考えられる。
ということは、相手の戦力が心もとない可能性を多分に含む。
では最善の戦術は? 電撃作戦である。
あいての戦力が整うまで待つことなく、一気呵成に攻め立て、敵本陣を落とすのが最善手だ。
問題をあげるとすれば、こちらの主力が疲弊し、使えなくなる可能性である。
連戦に次ぐ連戦で、味方の数は減ってないとしても、士気の低減や疲労の蓄積が無視できなくなっているのだ。
現在はダルムシュタット内で一般生活に近い形で休養を取らせているが、戦地では心休まる間も少なく、結局は「現状が戦力の最大値、時間経過でダメになる」ということだ。
この手のダメージは目に見えにくく、本人にも自覚症状が出ないパターンが多いので注意が必要だ。
しかし、それでも戦わねば勝利を得ることが出来ず。
現状が最大戦力というなら、それをぶつけるしかない。せめて消耗を抑えるために行軍ルートを考え、作戦を与え、予想外に備えるだけだ。
現状の攻撃目標は3都市。
南西のフルダ、西のブライザッハ、北西のククスハーベン。
ダルムシュタットからの移動距離はフルダまで7日、ブライザッハまで8日、ククスハーベンまで6日である。フルダからブライザッハまでは9日、ブライザッハからククスハーベンまでは5日かかる。
3都市のうち、一番遠いのはブライザッハだが、その後の移動まで考えれば北西のククスハーベンから順に回るのが、全都市を攻略するとした場合の最短コースとなる。
これは古い地図と軍の進軍速度を参考にした数字なので、実際は地形に変更などは無いだろうが、植生などにより多少前後する恐れがあった。
しかし、3都市すべてのヴラムと連戦を行うのは無茶が過ぎるというものだ。
最大でも2都市で済ませないことには食料と疲労などが問題になり、継戦が困難になる。希望的観測で予定を立てることはできないので、西のブライザッハをまず攻め落とし、そこから南北どちらかに進軍するのが現実的なやり方だ。
偵察部隊はすでに出してあるが、集合をブライザッハに変更すればいいだけの話で、ブライザッハに出した部隊も道中で回収すればいい。フルダとククスハーベンの部隊は入れ違いになるが、少数でも迎えを出して集合場所の変更を伝えればいい。
軍上層部はそのように結論付けた。
軍は神速を貴ぶ。
今度も準備そのものは完全ではないので拙速と言うべきかもしれないが、速度が重要という点は変わらない。
よって、結論の出たその日のうちに最低限の準備を整えさせ、翌日の進軍を決定する。
ただし、これが陽動だった場合。また、相手が破滅を望めば。
最悪、人類は全滅する。
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