エルグライアの英雄譚
エルグライア大陸に“奴ら”が攻めてきたのはおおよそ100年前の事である。
“奴ら”は異世界より「門」を開き、ヴラムと呼称されることになる魔物を解き放った。
当時のエルグライア大陸には統一国家『スラウテルン』があったのだが、その主要12都市のうち5都市がたった1年で陥落した。残る都市もまた猛攻にさらされ、このままではすべての都市が落ちると思われたその時、奇跡は起こった。
別の異世界から、一組の少年少女が現れたのだ。
黒髪黒目の少年と、銀髪碧眼の少女は瞬く間に戦況をひっくり返した。数で押すのが基本のヴラムを「雑魚はすっこんでろ」と言わんばかりの勢いで蹴散らし、幾度も人類の窮地を救った。そして人々にも希望の力を与えたのだ。
残念ならがその後も2都市を落とされたが、侵攻開始より4年目、希望の力――≪光術≫を与えられた人類の反撃が始まった。慣れるまで、戦術が確立するまでは押される事もあった。しかし、いつしか戦いは人類が有利になり、反撃開始から2年後には落とされ敵の前線基地となってしまった都市の一つを奪い返したのだった。
その後、敵の侵攻元である「門」を破壊した英雄たる黒髪の青年は10年間もの長きにわたり人類に協力を続けたが、ある程度状況が安定すると元の世界に帰って行った。
英雄は去り際に、こう告げた。
「今後は人口増加を待ってから都市を取り戻すべきだ。今取り返しても防衛線を無駄に伸ばすだけで守りきれない」
色々な配慮からもう一つの都市を奪還する事になったが、その後80年間は人口増加政策に勤め、英雄の規定した基準に達してから8都市目を開放。そこでヴラム側の様々な技術を入手し、独自に発展させ、今に至る。
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