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疾走 拾参の壱 東京 (仮)
あいつが帰って来た。
「悪かった、」「調子に乗っていたんだ。」
「狂れていたんだ。」
「やりたい、」「やらせてくれ。」
「もう、」
「いつも、勝手なんだから。」
俺は、この一言二言だけで、
男を思い出の中から引き戻した。
許すことにした。
戻すことにした。
今はいい、
後からゆっくりと開いていこうか、
あいつはドアの外に立っていた。
俺が渡した鍵を手に持ちながら立っていた。
俺がドアを開けると
行を整えるようにして行ってきた、
「ごめん。」
「来ちゃった。」
男はそこで続けようとしていた。
「入れよ。」
「そこ(で)は迷惑だ。」
俺は、引き入れ、ドアを閉める。
男はコーチするように、そこに立ったままにいる。
俺は抱きつきたい衝動を抑え込んでいる。
俺はせっかくの切りをつけたのに、
ノコノコやってきて、また俺をかき乱すのか、
はじめかも知れない。
これでも、
こんなに綺麗に謝っているのは。
『俺は簡単に絆されてしまうのか』
絆されて、落ちてしまう俺。
俺はすぐに
身体で受け止めている。
変わらない
前と同じように犯して来る。
「あぁ、」
いや、前以上か、
『伝われ、伝われ、』
俺は身体を重ねて押し付けでいる。
俺は身体を繋いで押し入れていた。




