表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者:
第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
93/140

第九十三話 まだはもう

 クラスマッチも終わり、二月となる。

 霜月有栖は、ある買い物に一人で訪れていた。


 今日は、買い出しに来ました。

 なんの買い出しかというと、それはバレンタインです。

 材料を念入りに選びます。

 選んでいると、突然話しかけられます。


「あれ?有栖ちゃんやないか?」


 声、言葉使いで私はすぐに神楽坂さんだと気づきます。


「神楽坂さんも買い物ですか?」


「バレンタインの買い出し来たんやけど、もしかして有栖ちゃんも同じだったりするんか?」


「私もそうです。」


「なら、ちょうどいいけん、一緒に選ぼや〜」


「いいですね。」


「有栖ちゃん、誰にバレンタイン渡すんか?」


 選びながらそう聞いてくる神楽坂さん。


 神楽坂さんは意地悪です。


 どうせ私が誰にあげるかなんて分かっているのに。


「嘘や。有栖ちゃん。からかっただけや、応援しとるからな〜」


 恥ずかしそうにしていたのか私にそう言う神楽坂さん。


「私、楓くんにあげます。」


 神楽坂さんの言葉を聞いていなかったかのようにそう言う私。


 神楽坂さんも少し目を開いて驚いている様子です。


 すると、私の頭をそっと撫でる神楽坂さん。


「うちはな、水無月くんにあげるんや。」


「知ってますよ。」


「有栖ちゃん、この前見てたやろ。」


「なんの話でしょうか。」


 言われてすぐには分からなかったですが、少し考えてあの時のことを思い出します。


「あ、あの北村さんのやつですか?」


 クラスマッチ前、北村さんが神楽坂さんに告白しようとした時のこと。


「そーやで。水無月くんが急に出てきたけど、有栖ちゃん一緒にいたやろ。あともう一人いたけど、多分楓くんやろ?」


「バレてたんですね。」


「前、うちが言ったこと、まだ覚えとるか?」


「告白のことですか?」


「そーや。でもな水無月くんがあんなこと言ってきたやろ?それからお互いちっと意識しとるっつーか、気まづくなってもうてな、、」


 確かに、あれから二人でいるところはあまり見かけません。


「そろそろじゃないんですか?」


 自分では行動しないくせに、そんな言葉が出る自分が嫌になります。


「だから、バレンタインでうち、告白することにしたんや。」


 私だけ、置いていかれてしまう。


 でも、非力な私に行動は起こせない。


「そろそろ、買って帰ろうや、有栖ちゃん。」


 なにか勘づいたのか、神楽坂さんは気を使ってそう言います。


 神楽坂さんはいつも鋭いです。


「元気出しいや。有栖ちゃん。きっと大丈夫や。」


「私は、、、大丈夫です。」


 二人で歩いて帰ります。


 帰り道。


 私は見てしまいました。


「有栖ちゃん。こっち向いてや。」


 神楽坂さんも気づいたのか、必死に私の視線を誘導してくれます。


 私の見ている先にいたのは楓くん。


 そして隣にいるのは、神月さん。


 私は呆然とそれを見つめます。


 胸が締め付けられます。

 そう、きっとまた、楓くんは取られてしまうのです。


 楓くんが私に振り向くなんてことはないのです。


 分かっています。


 だって、私は気持ちを上手く伝えることが出来ないまま、こんなに日がたってしまいました。


 ずっと好きだったのに、正直になれなくて。


 結局楓くんは綾華さんと付き合って。


 その件はまだ、詳しく知っている訳では無いですが、別れたその2人が別れたと知って、少し嬉しくなってしまった私。


 でも、私は行動に移せなくて。


 まだ大丈夫と。

 まだその時じゃないと。


 神楽坂さんだってもう、告白の決心をしているのに、未だに勇気が出ない私。


 楓くんはきっと私なんかより、神月さんの方がきっといいのでしょう。


 私が楓くんに恋を教えるなんてことは、夢のまた夢。


   そうして、そのまま帰宅する私。


 諦めたくても諦められない。


 それが辛いのです。


 でも、もう私には無理だと、心の中でそう思ってしまう。


 バレンタインに作ろうと買った材料は、それが袋から取り出されることは、なかった。


 それはバレンタインが訪れる日、いやそれ以降も、袋から取り出されることはなかった。

ご愛読ありがとうございました!

ぜひぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ