第九十二話 決着とその後。
クラスマッチはついに決着した。
俺は宣言通り緑岡に勝つことが出来た。
そして推薦がかかったクラスの総合優勝は、
1位 Aクラス
2位 Cクラス
3位 Bクラス
4位 Dクラス
となった。
テストの方も含め、俺たちAクラスは推薦の権利を得た。
言ってしまえば、受験勉強をする必要はなくなった。
クラスマッチが終わり、時期は1月中旬。
次の日、俺は緑岡の元を尋ねる。
「よう。緑岡。」
「ああ。」
昨日のこともあってか、少しく暗い緑岡。
「お前、退学するらしいな。」
「ああ、責任もって僕は退学しようと思う。」
「一人称は僕に戻ったんだな。」
「それについては深く触れないでくれ。」
「そうか。」
「楓。今になって怖いよ。今まで散々退学者を出してきたくせに、自分の退学が決まると、僕はそれが怖い。今ままで僕が退学にさせた奴らも同じ気持ちだったんだろうな。」
「楓、許されることではないのは分かってるし、許されたいと思ってもいない。それでも言わせてくれ。すまなかった。」
「それは俺に言うべき言葉じゃねえ。」
「分かってる。僕はダサいな。」
「ああ。ほんとだ。」
「お前に会えてよかったよ。そして、戦えてよかった。ありがとな。楓。」
「ああ。俺もだ。なんだかんだ楽しくもあったしな。もちろん許す気はねえが。」
「ああ。一生かけて償うつもりさ。」
「償う?」
「とりあえず、いいところに出世しよう。」
「緑岡財閥は継がないのか?」
「継ぎたくねえな。」
「お前、退学なんかしたら、いい所行けねえんじゃねえか?」
「まあな。でもなんとかして見せるさ。」
「緑岡。俺に提案がある。」
来年のための、俺の考え。
「なんだ。」
「お前、この学校に残れ。」
「どういうつもりだ。」
「なんだかお前がいないってのも、ちと寂しいもんでな。」
「なんのつもりだ。」
「本当に少しは思ってるぞ。」
「本当の目的は何だ。」
「まあ、隠す必要もないしな。ーーーーーーーーーーーーーーーー。」
「まじか。でも、断りずらいな。」
「だろ。お前に見過ごせるか?」
「考えておく。」
「ああ。さっさとしてくれよ。もじもじしてっと、本当に退学の日がきちまうからな。」
「ああ。ありがとな。」
「何回もその言葉を言うな。気持ち悪い。」
そう言って、緑岡の些細な笑みを見て、俺はその場を後にした。
次の予定も入っているので、少し急ぐ。
相手は神月。
実はクラスマッチが終わってから1度も話せていない。
早速予定場所に着くと、既に神月の姿があった。
場所はそこそこなレストラン。
「待たせた。神月。」
「ぜ、全然待ってないよ、、、」
前髪を少し弄りながらそう答える神月とはなかなか視線が合わない。
「優勝おめでとう。」
「ああ。ありがとう。」
「楓くんのおかげで退学は免れた。ありがとう。」
「お前もかなりの活躍だったな。」
「そうかな?緑岡くんももう身を引くみたいだし、今日で一旦私たちのスパイは終わりかな?」
「ああ、そうだな。最後はバレてどうなるかとおもつたが、結果的には勝利だ。」
「最後まで私はダメダメで、ほとんど楓くんに助けて貰っちゃったな。」
それは違う。
この勝利は二人じゃなかったら絶対になかった。
「あまり自分を追い詰めるのはやめた方がいいぞ。」
「うん。そうだね。今日は私の奢りだから、沢山食べて。」
「本当にいいのか?」
「いいっていいって、お礼だから。」
申し訳ないが、こういうのは素直に受け止めた方がいいと、俺の今までの経験が言っている。
「すまないな。ありがたくご馳走させてもらう。」
「うん!気にせず食べて!」
「ところで神月、来年は生徒会をする気はあるのか?」
「え、生徒会?3年でやる人なんて中々居ないんじゃない?」
「まあな。でも俺は来年の生徒会長が3年になると思っている。」
「なんで?」
「それを含めて今から神月に提案がある。」
「提案?」
「ーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
「うーん。分かった。いいよ。」
「そんな簡単にいいのか?」
「うん。断る理由もないもん。」
「ありがとう。じゃ、これからもよろしくな、神月。」
「うん!」
笑顔でそう言う神月とはやはり中々視線が合わなかった。
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