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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第九十一話 聞こえない

試合再開。


のこり30秒。


先程の俺のシュートはファールを貰いながら決めたため、ボーナスのフリースローを打つ、それをしっかりと決め、


32-32


同点となる。


ボールを持つのは緑岡。

ここは絶対に止めなければならない。


緑岡は時間稼ぎなどするつもりもなくドリブルで突っ込んでくる。


俺はそれを追いかけ、前に入る。


ゴール下で、俺は完全に緑岡を封じ込める。


だが、さっきまでの緑岡とは違うかのように緑岡はドリブルをやめ、見えない方向へ、バックビハインドでパスを出す。


それを受け取るのは本木。


本木はしっかりとそのボールを受け止め、ミドルシュートを放つ、それはネットに吸い込まれていく。


32-34。


観客の殆どは緑岡の勝ちだと思った。


残り15秒。


2点差だが、バスケ部の俺が決めたところで追いつかない。


追いつくには、俺以外が決めるか、俺のスリーポイントの二択。


スリーしかない。スリーを決めれば同点に追いつける。


ハンデがなければスリーで逆転なのにな。


俺はドリブルで自分のゴールへ運んでいく。


まじか。


相手はトリプルチームをしかけてくる。


緑岡と本木、そして、知らない誰かが、俺に三人でディフェンスを仕掛けてくる。


そんな俺はさすがにスリーを無理やり打つことも出来ず、水無月にパスをだす。


残りに4秒水無月がボールを持つ。

水無月が決めれば、同点に追いつく。


もう時間が無い。


「打て!」


観客の声。


期待する観客はそう言って叫んだ。

半分ほどだろうか。

水無月に期待した観客。


半分ほどは水無月には決められないと思ったのか、静かに見つめている。

もしくは、緑岡の勝利を願う者。


バスケ未経験の水無月がここで決めるのは難しいと判断する者も多いだろうが、時間が無く、水無月のシュートに期待する観客は多い。


ここで、こんな状況で水無月のようにボールを持ってしまった者は焦りのあまりすぐにシュートを放ってしまうだろう。


しかし、皆に期待される中、水無月は違った。



相手も観客も皆、水無月に視線が行く。


そんな中、俺は一人スリーポイントライン、いやそれよりも離れた所に移動する。

それを水無月は見逃さなかった。


残り3秒。落ち着いた水無月は、迷いもなく俺にパスを出した。そのパスは観客と相手のみんなを驚かせた。


「まずい!」


「決めろー!」


色々な声が飛び交う。


残り2秒。俺は水無月からのパスを受け、シュートの体制に入る。


相手はみな焦って、シュートが落ちるのを願っただろう。


だが、緑岡だけは違った。

何も無かったかのようにこちらに向かってくる。


「そんな遠くから打って大丈夫なのか?」


そう言いながら緑岡は俺のシュートを止めに大きなジャンプをする。



「さすがだな緑岡」


俺はシュートを打つフェイントをして、ボールを上にあげたあと、また元に戻す。


残り2秒でのフェイント。中々簡単に出来るものでは無いだろう。


観客は大騒ぎとなる。



「マジかよ」


緑岡は飛びながらそう呟く。


焦る緑岡は先程まで高い所に跳んでいたが、重力に逆う事はできず、ゆっくりと落ちていく。


残り1秒。


俺はまだ打たない。


なんでだろう。もう何秒もたった気がするのにタイマーはならない。

緑岡はすごい跳躍力だ。

周りの動きもゆっくりに見える。

前もこんなことあったな。


0.1秒俺はシュートを放つ。


「ビーーーー!」


打った直後に、タイマーは鳴った。


「2点じゃ足りねえよ。」


延長戦まで持ち込まず、俺はここでトドメを刺す。


緑岡の動きを見ていた俺は、ファールを貰うよう、少し前にジャンプをして、緑岡のファールを誘発する。


「悪いな緑岡。」


緑岡は空中で俺を避けることが出来ず、そのまま俺に接触する。


ファールの笛がなる。


俺はそのまま倒れ込む。


だが、俺の放ったシュートは綺麗な弧を描いて、そのボールはネットにかすりもせずに入る。


その瞬間、体育館は観客の雄叫びや女子たちの甲高い叫び声でいっぱいになる。


34-34


ファールを貰いながらのシュート。


バスケットカウントで、フリースローが1本与えられる。


試合時間はもうないが、最後のフリースローで、俺の勝ちか、それとも延長戦かが決まる。


歓声は鳴り止まぬ中、俺はフリースローラインに立ち、ボールを受け取る。


こんな場面に遭遇来たらきっと心臓がバクバクでまともに打てないだろう。


だが、今の俺は何故か入る気しかしない。


周りの音は聞こえない。

さっきまでの歓声はもう聞こえない。


観客も、もう俺の視界にはなかった。


俺にはボールと手が擦り合う音しか聞こえない、そして、視界にはバスケットゴールしか映らない。


俺は操られるかのようにして、美しいフォームでシュートを放つ。


放ったシュートは、綺麗なスピンをかけて、まるで最初からそういう運命だったかのようにして、ネットに吸い込まれていく。その場にいた誰もが、入ったと確信するようなシュートだった。


35-34


点数の表示が変わった瞬間、俺は開放されたかのようにして、周りの人達の姿が目に映る。


そして、大歓声が、巻き起こった。


ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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