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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第九十話 走馬灯


27-30


バスケ部が決めると一点しか入らないのが痛いが、着実に点を重ねる文月楓。


まるで闇落ちかのように、凶暴な雰囲気を醸し出す彼は、普段とはまるで違う姿のようである。


緑岡林太郎はそんな楓についていくことができず、点差はどんどん縮まる。


30-30


あっという間に楓は同点に追いつく。


残り時間は4分となった。


ーーーー


負ける。


このままだと負けるぞ、俺。


緑岡林太郎。


紛れもないこの天才を育て上げたのは親でもなく姉。


天才揃いの緑岡家の中でも突出して抜けた才能を幼少期からもっていた緑岡明奈。


俺はそんな姉にずっと憧れてた。


そう、元々俺は勝ちたいとかそういう感情はなかった。


楓みたいに、才能を隠しても良かった。


でも、それは逃げだと、姉は言った。


俺は姉みたいに強くなりたくて。


でも、実際にも俺は今、目の前の文月楓という男に敗北しそうになっている。


今だけでいうならば確実に負けているだろう。




忘れるところだった。


俺は憧れたんだ。


明奈だったらこんなところで諦めたりしない。


そうだ、こんな所で諦めたら、、、、


明奈の弟なんか名乗れねえ。



「楓ーー!」


シュートを放つ楓に追いつき、楓が放ったボールを俺は叩き落とす。


それを拾い上げ、俺は持ち味のスピードでゴールに向かい、点を重ねる。


32ー30


「ここからだぞ、楓。」


そういうと、楓は鼻で嘲笑うかのように失笑する。



それからは、どちらも一歩も引かず、止めて、止めて、止め返すといった戦いを見せた。


時間はどんどんに減っていくが、どちらもシュートを決めることはなく、点差は二点差から変わることはない。


残り1分。変わらず点は32ー30だった。


ーーーーー


残り1分。二点差を縮めるために早くも点を重ねたい所だ。


ボールを持っているのは本木。


緑岡は本木からパスを受ける。


緑岡は華麗なドリブルを見せ、俺を抜き去ろうとする。


でも、もう何回も見た。


俺は緑岡のクロスオーバー(ドリブルを左右に切り返すこと)をカットする。


前に転がるボールを俺は追いかけそれを拾い、そのままゴールへ向かってドリブルで進む。


スリーを打ってもいいのだが、まだ時間はあるため、確実に点を重ねることにする。


落ち着いて俺はレイアップシュートのステップを踏み、軽やかに跳ぶ。


その時だった。


俺は後ろから迫り来るものの気配を感じる。


やがて、その者は、自分を捨て身かのようにスライディングしてくる。


このまま着地すれば俺はそいつを踏み足は軽い捻挫では済まないだろう。


このまま器用に着地地点を変えるなんてなかなかできる者はいないだろう。


俺は死を覚悟するかのように諦め、最後のシュートを確実に決めることにする。


そして、地面へゆっくりと落ちていく。


キャーとか、楓ー!とか色々な悲鳴が飛び交うのが聞こえた。


それは走馬灯とでもいうかのようにゆっくりと聞こえながらそれを言う友達の顔が浮かんだ。


まあ、足を捻った後、勢いよく頭をぶつけて死亡ってこともあり得るため、本当に走馬灯だったりするのかもしれない。


本当に死亡シーンとでも言うかのように、俺は中々地面、いや、何者かの背中に着地しない。


ゆっくりと、そこへ落ちていく。


なぜ、ゆっくりなのかは分からない。


冷静だった。


そして、下にスライディングしてきたやつにいかりを感じた。

そして、返り討ちにしてやろうと思った。


俺は、空中で体制を変えた。

でも、そんなことは簡単にはできない。

バスケットゴールのネットをギリギリでつかんだ。

ぶら下がるような状態。

そして、勢いをつけて、足を大きく前に振る。

そして手をネットから外す。

体はほぼ横の状態。

このまま落ちれば、衝撃も最低限に抑えられる。

何もないところに着地することもできないことはなかったが、俺に踏まれようと下にもぐってきたみたいなので、願い通りに踏んでやろう。


そのまま俺は、何者かの上に落ちて行った。


何も痛くはなかった。

本当に痛くないのか。

それともアドレナリンで何も感じないのか。

でも、確かに痛みはなかった。

試合は少し止まった。

公式戦ならテクニカルファウルだろうが、ただのファウルになった。


緑岡は、そいつのもとに近づいた。


「お前何してんだ。」


「いや、このままじゃまずいと思って。


「お前、俺が負けるとでも?楓が怪我したらどうするんだ。俺は今、楓と戦ってるんだ。」


俺はその二人に近づいた。


「別にいいぜ。」


二人して俺を見る。


「俺に特に痛みとかはない。痛いのはそっちの方だろう。」


俺に踏まれた側の方が確実に痛いはずだ。


「怖いな。お前は。」


緑岡はそう言った。


「どういうことだ?」


「なんでもない、勝負を続けようじゃないか。」


ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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