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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第八十四話 渡さない

 神谷綾華の退学から数日が経つ。


 霜月有栖はクラスマッチで何に出場するか悩んでいた。


 今日のこの時間は一週間後にも迫るクラスマッチの競技決めです。

 このクラスマッチは、推薦をかけたバトルと言うのもかかっているので、大事な戦いとなっています。


 ちなみに、その推薦のために行われた先日の不定期テストの結果は、一位Aクラス、二位Cクラス、三位Cクラス、四位Dクラスとなりました。私たちAクラスは現在一位なので、クラスマッチも油断せずに勝利を積み上げれば推薦の切符を手に入れられるのです。


「楓くんはバスケですか?」


 隣で頬杖をついている楓くんに聞きます。


「ああ。そのつもりだ。有栖は何か希望はあるのか?」


「それが決まってなくてですね。」


「そうか、女子の競技はバレー、バスケのどっちかか。」


 男子はバスケ、サッカー、ソフトボールの三種目あるのですが、女子は二種目しかないのです。


「そうなんですよね。どちらも経験なくて、、、」


「経験ない人の方がい多いんじゃないのか?」


「それもそうですね。楓くんはもちろんバスケですよね?」


「ああ。そのつもりだ。」


「はい。じゃあまず男子から決めるよ。」


 楓くんと二人で話していると、水無月くんが前に出て、皆の希望を聞き始めます。

 委員長は不在なので、今は水無月くんが仕切っています。


 意外にもあっさり決まり、競技決めは終わります。


 私は悩んだ結果、神楽坂さんとバレーをすることにしました。


「じゃあ、ドッジボールの選抜、出たい人〜男女問わず〜」


 そんなのがあるのですか。

 まあ、私は遠慮しておきましょう。


 ちなみに、隣の楓くんは手を上げていました。


 ーーーーーーー


「文月くん。ちょっといいかな。」


 俺の元に訪ねてきたのはクラスマッチで一緒にバスケをすることになった北村蓮華きたむられんげ

 競技決めが終わった後、少し話したが、他に喋ったことはほとんどない。

 印象としては、普段見ていて優しそうだし、友達もそこそこいるように見え、悪くない印象だ。


「北村か。どうした。」


「あの、少し相談があって、、、」


 なぜか俺は嫌な予感を感じたが、北村の話を聞くことに。


「恥ずかしいんだけど、俺、恋しちゃってさ。」


「は、はあ。」


 俺の予感は的中したかのように厄介しそうな話題が飛びかかってくる。

 なんで俺なんだ。


「俺にどうしろと?」


「まず、相手なんだけどさ、、、」


 俺は静かに彼を見つめる。


「神楽坂さん、、、なんだよね。」


 おいおい、それはダメだって。

 予想外の人物に焦る。

 俺としては水無月神楽坂コンビを推しているのに、どうすればいいものか。

 まあ、神楽坂がモテるのも仕方ないか。


「悪くないセンスだな。」


 何言ってんだ俺。

 混乱のあまり変なことを言ってしまう。


「だ、だろ!?可愛いし、すんげー優しいんだよな。」


 どうすればいいですか教えてください。

 俺は応援するべきなのだろうか。


「俺はどうすればいいんだ」


「神楽坂さんの好きな人知らない?」


 水無月であってほしい。いや、きっとそうだろうが、ここは知らないと言っておくのが無難か。


「いや、知らないな。」


「知らないか〜。聞けたりしないよね?」


「気にかけておく、神楽坂は少々ハードルが高いが、頑張ってくれ。」


「うん。ありがと、文月くん。」


 なんとか乗り切る。

 悪くない対応だろう。


 数日後、、、、、


「お、おお、そうか。」


 今度はお前か水無月。

 どうしてこんなに俺の元へ相談にくるのか。


「じゃあ、まだ大丈夫だよな?」


「ああ、北村と神楽坂は付き合ってないと思うぞ。」


 最近北村は神楽坂にアピールしているようで、水無月が心配になっているとのことだ。


「分かった。ありがとな。お前も頑張れよ。」


「ああ。」


 何を頑張るのかは知らないが。


 にしても、神楽坂を巡って争いが起きてるな。


 水無月もさっさと告白すればいいものを。


「楓くん!どうしましょう。」


「どうした。」


「えーと、さっき神楽坂さんに言われたんですが、、、」


 ーーーーーーーーー


「どうしよう。有栖ちゃん。」


「最近神楽坂さんに近づいてきますよね。北村くん。」


「そうなんや。でな、今日の放課後、ちょっと呼ばれてな。」


「ま、まさか、、」


「わからへんけどさ、違かったら恥ずかしいけど、告白だったらどうしよってな。」


「まあ、多分好意はありますよね。告白されるのも時間の問題だと思います。」


「うち、怖いんや、告白されるのが。」


「どうしてですか?」


「北村くんもいい子なんやで、だから振るのが申し訳ないっちゅうかな。なんやろ。」


 真剣な表情の神楽坂さん。


「うち、やっぱ水無月くんが好きなんや。」


「知ってます。」


 私は微笑みます。


「先に水無月くんに告白したらどうですか?」


「無理や、無理や、そんなの無理や、」


 分かります。告白なんて、簡単にできるものではありません。

 私だって、告白できないまま、ここまできてしまいました。


「分かった。うち決めたわ。告白されたら、ちゃんと断る。で、水無月くんに告白するわ。ま、これで告白じゃなかったら恥ずかしくてもうどうしようもならへんわ。」


「応援してますね。」


「うん。ありがとな。有栖ちゃん。」




「って感じです。」


「なるほどな。俺らにはどうしようもなくないか?」


「まあ、そうです。だから報告だけ、、」


「ちょっと待て。それ本当か?」


 水無月が盗み聞きしていたようだ。


「ちょえ、水無月くん!?あ、あの、、どこまで聞いてました?」


「えっとー全部は聞こえてないけど、北村が神楽坂さんに告白するってのだけ聞こえた。」


 あ、危なかったです。そこまでならなんとかセーフでしょう。


「あの、二人ともついてきてくれねえか。」


「どこにですか。」


「神楽坂と北村の場所だよ。霜月さん場所わかる?」


「分かりますが、、、」


「頼む。こっそり見るだけだからさ。」


「まあ、いいんじゃないか。」


「楓くんまで、、じゃ、じゃあ行きましょっか。」



 ーーーーーー


「い、いました。」


 うまく三人で隠れて、神楽坂さんと北村くんを見ます。

 しばらく何気ない会話を交わす二人。

 その会話はクラスマッチの話に変わっていきます。


 そして、ついにその時は、、、、


「あのさ、神楽坂さん。」


「なんや?」


 いつも優しい顔で応える神楽坂さん。


「クラスマッチでさ。俺のチームが優勝したら、、」


 そっち系の告白の仕方ですか!?

 それに優勝したとしても、ほとんど活躍するのはバスケ部の楓くんと徳永くんじゃないですか!?


「いや、違うな。神楽坂さん。俺、、、」


 今にも好きという言葉が出そうな状況は、まるで恋愛アニメを見ているかのようで。



 でも私は知っています。



 この告白の結末を。




「好きです。よければ俺と、、」




 でも、私の知っていたはずの結末は変わってしまうのです。



 この隣にいたはずの水無月くんによって。


「ちょ、水無月。なんでここに。」


「水無月くん。」


北村くんと神楽坂さんも当然驚きます。


「か、神楽坂は、、、、」


 頑張れ水無月くん。


「神楽坂は、、、、」


「頑張れ。水無月。」


 隣にいる楓くんも呟きます。


「渡さねえ!」


 その瞬間、神楽坂さんは今にも泣きそうになりながらも笑顔を見せました。


「だっせ。なんだよ、渡さねえって。でも、、すげえよ水無月。」


 隣にいる楓くんはそんなことを言います。


「はい。私はかっこいいと思います。」


なんで楓くんが泣きそうになってるんですか。


「そうだな。」


水無月にそう言われた北村は神楽坂の様子を見て全てを察した様子で黙ってその場を去っていった。






ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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