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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第八十三話 人の恋路をスパイします


「緑岡。」


俺は生徒会室の緑岡の元を訪ねる。


「楓か。綾華のことか。」


「ああ。お前と綾華の約束通りならば、綾華は退学だ。」


「残念ながらそうなる。が、お前はそれが嫌なんだろ?」


「ああ。やめてもらえるか。」


「一応こちらとしては綾華に裏切られているもんでしてね。簡単にイエスとはいえない。」


当然の反応だ。

緑岡は余裕の表情でお茶に置かれているお茶を一杯口に運ぶ。


ここで、俺は只者ならぬ雰囲気を感じ取る。

おそらく、緑岡も感じたはずだ。

その雰囲気は的中するかのように生徒会室の扉は開く。


「その話面白いね。僕にも聞かせてよ。」


入ってきた人の顔は、残念ながら俺の記憶にはなかった。


「お前、、、」


緑岡は知っているかのような反応を見せる。


「知り合いか?」


「ああ。多分すぐにわかると思う。」


どう言うことだ?と思いつつも、緑岡の言う通り、一瞬で目の前の者の正体は判明する。


「あ、自己紹介しとくね。同じ二年の黄瀬川清一郎だ。よろしく。」


黄瀬川。これは凪の苗字と一致する。

つまり、、、


「兄弟と思ったかもしれないが、いとこみたいなものだ。」


なるほどな。


「で、何が目的だ?」


緑岡は威嚇の姿勢を見せる。


「いやいや、面白そうな話をしてるなって思ってね。一つ質問してもいいかな。」


「言ってみろ。」


「来年、お前は生徒会長を続ける気はあるのか?」


生徒会長。

この学校では基本的に二年生以下が生徒会の役員を務めることが多い。

三年生は基本受験に専念したいからだ。


だが、もちろん希望があるなら務めることはできる。


「いや、俺は今年で身を引く予定だ。」


「え?そうなのか?」


俺はここで口を出してしまう。

そんな俺の言葉は無視されるかのように、黄瀬川は話を続け、緑岡はそれを真剣に聞く。


「そうか。なら、俺が来年度生徒会長になろっかな〜なんて思って。」


「それを言ってどうする。」


「いや、来年度に向けて練習しよっかなーって。」


「どういうことだ。」


「だから練習だよ。退学の。」


こいつが何を言っているのか、俺は理解できなかった。

いや、できない訳ではないが、驚きのあまり、思考が停止する。


「だから、練習にその綾華って人、俺の手で退学にさせよっかなって。」


「馬鹿か。」


俺が思わず感情を露わにする。


「さっきからうるせえな。お前を標的にしてもいいんだぞ。」


「ちっ」


一旦ここは引くのが賢明な判断だろう。

まだ焦る必要はない。


「お前は生徒会長になったら退学者を出すつもりなのか?」


「そんなの気分次第さ。」


「今のお前に退学にさせることなんてできるのか?」


「ああ。やってみるとも。」


「やれるもんならやってみろ。」


「いいのか?それだと、その綾華って人の退学を認めてるってことと同じだぞ。」


「待て、緑岡それは俺が許さない。」


俺はマズイと判断し、またここで話に入る。


「楓。こいつが決めたことをやめるわけがない。何を言っても無駄だ。仮にここでこいつを納得させたとしても、どうせ、後にすぐ実行する。」


「お、わかってんじゃん。さすが緑岡財閥の社長の息子さん。」


この後も、俺は説得を試みるが、結局、黄瀬川を止めることはできなかった。


後は、黄瀬川が何をするのか。それに怯えることしかできなかった。


翌日。

そんな何もできない俺のせいで、最悪の結果となってしまった。


退学者 神谷綾華


あっという間に、俺のクラスから、綾華は姿を消した。


悔しさの、何もできなかった自分を恨む。


そして、黄瀬川を恨む。


もうどうしようもできない。


失ってしまったものを取り返すのは難しい。

いや、これに関しては不可能と言ってもいい。


綾華。きっとすぐ会えると信じてる。

そして、謝らせてほしい。


綾華。お前には色んなことを教えてもらった気がする。

ずっと一緒で、楽しいことばかりだった。


だが、俺は今、綾華を失った悲しみともう一つ悲しみが生まれる。


俺は綾華のことが好きになれたと思ってた。

いや、きっと好きなんだ。


なのにな、なんでだ。


失恋の気持ちが生まれない。


胸が締め付けられるような感覚と聞いたことがあるが、そんな感覚はない。


今、俺にある悲しみと悔しさは、今まで何度も経験してたもので、失恋とは違う。


「もう、諦めようかな、、、」


俺の目指していた恋愛。

恋をしたいという思春期ならではの気持ち。

もう、俺には無理なのかもしれない。


だから、もう、恋愛を知ろうなんて思うのはやめる。

俺は人の恋愛を見てるだけでいいから。



俺、クラスマッチまでに立ち直れるかな。



文月楓の心の傷はかなり深かった。


ーーーーーー

「神楽坂さん」


「どーしたんや。有栖ちゃん。」


「楓くん。別れたんですか?」


「あ、その件か。私も分からへんや。調査中や」


「別れるって早くないですか?」


「そうやな〜。どうしたんやろな。」


「私、何かあったと思うんです。」


楓くんと綾華さんとの間に何があったのか。

楓くんは綾華さんのことが好きだったのか。

なんで一週間と言う短期間で別れてしまったのか。


そしてそれは真実なのか。


私は知りたいのです。


楓くんなら何かきっと、あるはずだと、私は信じます。


勝手に調査してすみません。楓くん。


でも、私好きなんです。


楓くんの事が。


諦められないのです。


ストーカーですか?


そう思われてもいいです。


初めてのこの恋。


私は知りません、失恋というものを。

仮にこの恋が実らなかったとしても、やれるだけのことはやりたいです。



だから、私は、




人の恋路をスパイします。







ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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