第七十四話 文月楓の選択
少し時は遡る。
「すまんな。霜月。」
呼んだのは妹の方だ。
「大丈夫です。頼みとはなんでしょうか。」
「凪と東条のことだ。」
凪と東条は俺のテストを改ざんしようとしていると、以前聞いた。
改ざんするとなると確実に職員室に乗り込むことになる。
職員室にはもちろん監視カメラがあるため、凪が監視カメラの内容をダミーに変えるなど色々な想定ができる。
それを考えて、まず1つ目の対策は予め隠しカメラをつけておくこと。
ただそれだけだと対策もされやすいし、凪たちも警戒してくるはずだ。
俺はもう少し考えた。
霜月は信用している訳では無いが、霜月が俺を裏切っても裏切らなくても関係ない。
「俺はあいつらにテストを改ざんされてもいいよう、隠しカメラを設置する。」
「そんなこと私に言っていいのですか?」
「ああ、俺はお前を信じて言っている。」
「その隠しカメラをどうすればいいのですか?」
「お前が凪に同行するなら、回収して欲しい。」
「同行できなかったら、どうするのですか?」
「いや、同行してほしい。」
「はぁ、無茶を言いますね。分かりました。やってみます。」
こうして、霜月に協力を求める。
そう、こちらとしては裏切られようが構わない。
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テスト終了後の夜。
「じゃ、入るよ〜」
凪、東条、霜月の三人は職員室に潜入。
「凪。気をつけて。隠しカメラがあるはずだから。」
「本当にあるのかなー。まあ、場所も聞いてるんでしょー。楓先輩敵に教えるなんてバカだね〜。」
「はい。聞いた場所はここ。あれ?」
「ないじゃん。口だけ?脅してきただけ?」
笑い転げるように言う凪。
「ここの監視カメラの内容は移し替えたんだよね?」
「もうやってるよ〜」
完全に安心しきっている三人。
楓の狙いは油断させることだった。
霜月に伝えていた場所にカメラがなかったことで、三人は安心しきっていた。
その程度で三人のことはすぐ倒せると判断したから、あまり余計なことはしなかった。
カメラの内容を移し替えたと思っていた三人だったが、楓はさらに上から移し変えていた。
そのカメラに三人をはっきり特定出来る。
別に霜月妹が裏切ろうが裏義妹が、関係ないのだ。
このまま三人の映像を学校に提出しても良かったのだが、楓はここでカメラ映像を編集することにした。
それをする理由は霜月有栖の存在だった。
霜月有栖が妹を失う姿を見たくなかった。
だから、霜月星良の姿を編集で消す。
元々職員室が暗かったので、簡単に消せた。
そして、その映像を匿名で送る。
楓の編集によっていないとされた霜月以外の二人、凪、東城はこうしてあっさりと退学した。
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「楓先輩。どういうことですか。」
当然、霜月は俺を問いつめる
「何がだ。」
「なんで退学になったんですか。」
「お前はならなかっただろ。」
「それがなんでって聞いてるんですよ。」
「俺はお前が退学しないようにしたんだから大人しくしておけ。」
「くっ。」
「凪の負けだ。」
「じゃあなんで私だけ助けたんですか。」
「そんなことはどうでもいい。」
「裏切るような人を近くに置いておけないから凪を退学させたんですよね?今なら私も同じじゃないですか?」
いや違う。大事なのは裏切るかどうかじゃない。
「裏切りなんか誰もがすることだ。」
「ーーーーー。」
凪は邪魔だった。それだけだ。
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「だから言ったでしょ。」
家で私は星良と喋ります。
「流石だね。楓先輩。」
「楓くんのことは裏切っちゃだめって言ったじゃん。」
「私だって裏切りたかったわけじゃない、、、」
「まあしょうがないね。でも、楓くんを裏切るのはもう無理だね。」
「うん。私じゃ絶対勝てないかな。」
「お姉ちゃんさ、楓先輩ホントに好きなの?怖くない?」
「楓くんは怖い時もあるよ。でも、それは楓くんが本気になった時、普段話してる楓くんはほんとに温厚な人、いや温厚では無いか。どちらかというと冷徹、、、、だね。」
二人仲良く笑いあいます。
「冷徹とか言って、ほんとに好きなの?お姉ちゃん。」
どうなんでしょう、この気持ちは恋ではないのでしょうか。
「でも気になってることは確か、、」
気になってると好きって何か違うのでしょうか。
私には分かりません。
今度誰かに聞いてみましょう。
「そっか、、あ、凪のことなんだけど、、、」
「うん。」
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
「え。」
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「神月。凪の件は無事解決した。」
放課後、神月とすれ違い、少し立ち話をする。
「どっちも退学なんて驚いたけどね。」
「ま、まあな。」
「あと、一位おめでとう。クラスマッチも頑張ってね。」
「ああ。ありがとう。」
「ごめんね。」
静かにそう言う神月。
「何がだ。」
「私のせいでこんな戦いになって、次の対決だって、私の退学がかかってるでしょ。私には何も出来ない、、」
「大丈夫だ。お前のせいじゃないし、必ず助ける。」
「あのさ、楓くん。この前言ったこと、覚えてる?」
「クリスマスのことか?」
霜月星良と神月三人で話した後、霜月が去った二人の状況で、神月は俺を誘ってくれた。
「うん。」
「今のところは予定はない。行こうか。」
「うん!ありがと!」
今年のクリスマスはスパイの相棒とイルミネーションに行くことになった。
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