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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第六十八話 空白

今日から俺は停学処分。

1ヶ月家で過ごすことになる。

無駄な時間にはしない。

有栖に、水無月。俺のことは気にしないでほしい。

庇ったつもりはない。

俺のやりたいようにやっただけだ。


ーーーーーーーー



「有栖ちゃん。厳重注意で良かったなあ。」


神楽坂さんにそう言われます。

確かに、良いことではありますが、、、


私が助かったのは楓くんのおかげです。


先生と話している時の楓くんを思い出す。


なかなか見た事のない顔でした。


楓くん、なんで私達を庇ったのですか。


「はぁ」


楓くんはいつも一人で、、、、


今何してるのかなあ。楓くん。


一ヶ月も会えないのですか?


こんなこと考えたことありませんでした。


「好きな人一ヶ月会えへんのは辛いなあ。いつでもうちんとこ来いや!」


子供をなだめるように神楽坂さんは私の頭を撫でながらそう言います。


好きな、人、、ですか、、、




当たり前ですが、何日経っても楓くんは来ません。


私は何件か楓くんに連絡をしたのですが、既読すらつきません。


楓くんは大丈夫でしょうか。


心配のあまり、水無月くんに相談しましたが、水無月くんの連絡にも既読がつくことはありませんでした。


不安と心配、そして言葉に出来ない気持ちをずっと抱え込みながら、私は一ヶ月過ぎるのを待ちました。


ーーーーーーーー


「もーなん連絡つかないの!」


神月桜の連絡にも文月楓は答えない。

実際には気づいていないというのが正しいのだが。


「大事な時期なのに、大丈夫かな、、楓くん、」


緑岡くんと楓くんの対決もどんどん近づいてってる。


なのに、こんな時に停学だなんて。


噂を聞いてから、私はすぐに連絡したのに、既読は一向につかないまま。


「はあ。」


一ヶ月会えないのか。


なんだろ。


寂しいな。


相棒と会えないの、辛いな。


好きな人と会えないの、辛いな。


神月桜も、何も出来ないまま一ヶ月が過ぎるのを待つのだった。


ーーーーーーーーー


「失礼します。」


生徒会室の扉を開けるのは神谷綾華。


それを待ち構えるようにして待っているのが緑岡林太郎。


「話ってなんだ。綾華。」


「あの、私、生徒会を辞めたいのです。」


数十秒、生徒会室に沈黙が続く。


神谷綾華は考えた末、決心した。


生徒会をやめてやると。

もう、嫌な思いはしたくないと。


「そうか。今までありがとな。」


「え、いいのですか。」


あっさりすぎて、驚く綾華。


「ああ。お前が辞めたいのならしょうがない。」


「ありがとうございます。今まで本当にありがとうございました。では、早いですが、失礼いたします。」


そういって生徒会室を去っていく綾華。


足を組み、オシャレなティーカップ入った紅茶を飲みながらそれを見る緑岡。


「そうか。やめるか、綾華。」


緑岡は誰もいない生徒会室で語り始める。


「止められなくて、驚いたか?当たり前だろう。やる気がないやつなんかいらない。」


「ましては、裏切る可能性だってあったんだ。」


「僕は神谷綾華という人間を完璧に近い存在だと思っていたが、勘違いだったようだ。」


「完璧じゃないなら、必要ない。」


ーーーーーーーー


「星良〜。楓先輩って何したの?」


部活の洗濯をしながら話しているのは、霜月星良に黄瀬川凪。


「なんか、麻雀したらしいよ。姉が言ってた。」


霜月有栖は、中々タメ語を使わないが、妹の星良は人によっては普通にタメ語を使う。いつの間にか、凪とはタメになっていた。


「へ〜問題児な一面もあるんだ〜。楓先輩、やっぱおもしろー」


「そーいえば、綾華先輩やめたらしいね。」


「そーそー。これ、うちの勝ちよね?ね?」


霜月の手さばきは素晴らしいが、凪は話に夢中で全然手が動いていない。


「凪はなんもしてないでしょ。」


「いやしたしー」


「楓先輩とはどうするの?」


「協力のこと?」


「もちろん」


「まだそんな協力してないからなー。今は緑岡先輩も楓先輩も協力するのめんどい〜。」


「そう?じゃあ大人しくしてるの?」


「やる気が出るまではね〜。なんか楓先輩に勝てる気しなくて。」


「なんか感じるよね。」


『オーラ』


「そーそー。緑岡先輩もたまにあるけどね。」


「そうね。」


凪や霜月星良などの優秀な人間が気づく文月楓や緑岡林太郎のオーラ。


「ねー。どっちが勝つと思う。」


「前言ってた、楓先輩と緑岡先輩が戦うってやつ?」


「そーそー。うちは五分五分だと思うな〜、てか、楓先輩って勉強できんのかな。」


「五分五分ね、、」


「星良は違うの?」


「私は、勝つと思いますよ。」


「どっち?どっち?」


「楓先輩。おねーちゃんが認めた男だからね。」


霜月星良の憧れの存在であり、大好きな姉の有栖。


そんな姉が認めた文月楓が勝つと、霜月星良は信じていた。





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