第六十話 朱色
修学旅行当日。
修学旅行は三泊四日で行われる。
場所は京都。
大阪などに行くこともできたらしいが、今回は京都は名所がたくさんあるため、5日間京都に行くということになったらしい。
朝早くから学校に集合し、みんな朝から楽しそうに修学旅行の話をする。
俺も行動班の一人の水無月と話す。
もう一人のメンバーの西谷だが、まだ来ていないようだ。
女子は女子で話しているから、いいだろう。
しばらくして、やっと西谷が来ると、皆バスに乗り込む。
まず、バスから東京に行き東京から新幹線で京都に向かう。
バスの中では楽しそうに話す人たち、昨日眠れなかったのか、それともこの後楽しむためなのかぐっすり眠る人たちに分かれる。
隣に座る水無月は熟睡しているため、俺はネットサーフィンでもしながら時間を潰す。
すると、一件の通知が来る。
神月からだ。
「一応綾華ちゃんに気を付けてね!」
という一文。
綾華は緑岡側の可能性があるので確かに気を付けなければならない。
「ああ。お互い楽しもうな」
と、一文返信する。
しばらくして東京につくと、新幹線に乗り換える。
新幹線を体験するのは実は初めてで、思って言った以上の快適さに感動を覚える。
隣にはさっきと同じく水無月が座っている。
新幹線の座席は回転できるらしく、後ろの座席の柊と徳永の方に座席を回転し、四人で雑談しながら、ゲームしたり、UNOなどをする。
そんなことをしているとあっという間に時間は過ぎいつの間にか俺たちは京都に到着して、新幹線から降りる。
まずはクラスで京都駅近くの蕎麦屋で昼を食べる。
適当な席に座り、皆蕎麦を楽しむ。
俺は結構蕎麦の味というかコシというかこだわりがかなりあるのだが、ここの蕎麦は流石と言っていいほど美味しいと思った。
午後は嵐山という名所に行くらしい。
ネットで検索したらめちゃくちゃ綺麗だったので、結構楽しみである。
それに、恋愛スポットの一つでもあるらしく、これもまた楽しみだ。
バスで移動し、その嵐山という所に到着する。
「集合写真とるぞー」
先生が言う。
こういう時の集合写真は正直結構嫌いだ。面倒くさい。
写真を撮り追えると、クラスである程度歩いたあと、自由散策だ。
バスガイドの話を聞きながらクラス全員で歩いていく。
ただ、ほとんどの人が友達同士の会話に心弾ませ、バスガイドの話は耳に入らず通り抜けていく。
俺も水無月や柊と話ながら、竹の中を歩く。
「にしても綺麗だな。」
水無月が周りを見渡しながら呟く。
「竹林の道ってやつか」
柊が言うにはここが有名な竹林の道らしい。
そんな会話をしながら歩いていると、自由散策になる。
ある程度の距離だが、自由に歩いたり、商店街でショッピングしたり。
行動班の水無月、西谷、綾華、霜月、神楽坂と合流し、六人で行動する。
何も決めてない俺の班はとりあえず前に進んでみる。
すると、竹林の道の途中で神社に遭遇する。
「野宮神社ですね。」
綾華はこの神社を知っているらしい。
他のメンバーも知っている雰囲気があったため、俺が知らないだけかもしれない。
縁結び、進学祈願と書かれている看板を目にする。
これが噂の恋愛スポットの1つか!
「縁結びや学問で有名らしいな!」
水無月が言う。
さっきから思っていたのだが、隣の西谷は静かだ。
みんな神社内のお守りなどを見て回る。
その間に俺は静かな西谷に話しかける。
「西谷。なんかあったか?」
「あ?なんもねーけど」
「なんで最近そんなに静かなんだ?」
「なんでだろうな。お前と同じ班じゃなかったら暴れてるかもしんねー。」
「どういうことだ。」
「いや、二年になって最初のほうも暴れてた俺を止めに入っただろ?俺あんまあーゆーことなくてさ、結構お前のこと気になってたんだ。お前は強い。そう思ってた。」
「そう思ってた。ということは今は弱いと思ってるのか?」
「いや、お前が強いかどうかは分からねえ。でも、文化祭で助けられちったし、お前の言う事は聞いてみよっかなって、ちょっと思ったんだよ。」
西谷は案外素直なやつなのかもしれない。
「そうか、常識の範囲内だったら、ある程度ふざけていいし、楽しめよ。せっかくの修学旅行なんだから。」
「ああ。」
「楓ー、西谷ー、何してんだー」
二人で話していると水無月に呼ばれる。
「行くか。」
お守りを見ている四人の元へ行く。
「せっかくだからみんなで買おうぜ!俺らは決まってるぞ。」
なんかお守りは前にも買った覚えがあるのは気のせいか俺も分からないが、せっかくなので買うことにする。
「楓くん。これとかどうです?」
霜月に朱色のお守りをおすすめされる。
「じゃあ、これにするか。」
素直にそのお守りを買うことにする。
全員でお守りを買って、その後は絵馬を書いたりして、この神社を去る。
商店街に向かうことにして、俺たちは歩き出した。
その途中俺は霜月に聞いてみる。
「なあ霜月。お守りどこにつけようかな。」
俺はいつもお守りのつける場所に迷い、結局机の上に飾るみたいな感じになっている。
「んー今背負っているリュックにつけたらどうですか?」
シンプルな回答。
霜月は続ける。
「じゃあ、私もつけますね。」
そう言って霜月はお守りを自分の背負うリュックに付け始める。
俺も自分のリュックに付ける。
付け終わり霜月のリュックを見ると、そこには朱色のお守りが着いている。
「お揃いですね。楓くん。」
満面の笑みでそう言う霜月。
俺が買った朱色のお守りはどうやら霜月とお揃いだったようだ。
修学旅行編むずかしいです。
いいね是非ください。




