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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第五十六話 有坂吹雪という女

 駄目だって。


 それだけは。


 吹雪先輩はダメだって。


 緑岡、、、


 騎馬戦で凪と衝突した吹雪先輩。


 いや、凪が被害者ぶってそれを緑岡が庇ったのが容易に想像できる。


 どうする。どうすれば、、、


 いや、神月の言う通り今の俺には何もできない。


「クッソ」


 怒りを噛みしめながら、壁を何度も叩く。


「落ち着いて、楓くん。ごめん。ごめんね。私何もできなくて、、」


 違う。


 神月は何も悪くない。


「神月?」


 神月の両手がそっと俺の頭に触れる。


 そのまま神月は俺のことを寄せるよう引きつける。


 神月は何も言わないまま俺の頭を撫でた。


 それからしばらくは沈黙のままその状態が続いた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「吹雪先輩。話がしたいです。」


そう連絡し、俺は二人で話すことにした。


「楓ちゃーん。急にどうしたの?」


「急にって、俺は、、」


言葉が詰まる。


「あーごめんごめん。退学のこと、気にしてる?」


「はい。」


「だから、私が勝手にやったことだから気にしないの。分かった?」


「いや、でも、」


早くも俺の目からは涙が溢れる。


「なんで先輩一人だけなんですか?」


「私が全部罪を背負った。それだけよ。」


「もうちょっとで卒業なのに、なんでそんな選択が、、」


「別にいいのよ。楓ちゃんが無事で良かったわ。じゃあ、一つだけお願いしてもいいかしら。」


「もちろんです。」


「楓ちゃんが何をしてあーなったのか教えて欲しいな。」


そう言われ、俺は生徒会のこと、スパイのこと、全部話をした。


「あらーじゃあ私いなかったら楓ちゃん危なかったわね。」


「ほんとっす。ホントに、、謝ることしか、、」


「楓ちゃん。その言葉はいらないわよ。」


「え?」


「私はそんな言葉求めてないわよ。」


俺は黙り込む。


「そーいう時は、ありがとう。でしょ。」


止まらぬ涙を拭うようにしながら俺は言う。


「ありがとうございました、、先輩」


そういうと、先輩はニッコリ笑って頷いた。


「私は大丈夫だから、退学のことはもう気にしないでちょうだい。これからは好きなことをして生きてくから。」


「何か俺に出来ることがあれば是非呼んでくれればすぐ駆けつけます。」


「あら、いいの。沢山連絡するわよ。」


吹雪先輩はいつも優しい。

それに、なんて言うか、強い。


ずっと憧れてたんだよな。


こんな先輩になりたいって。


だからこそ、失うのは辛い。


先輩。


なんでずっとそんなに笑顔なんですか。


本当に後悔してないんですか。


なんでそんなに俺を助けてくれるんですか。



「楓ちゃん。」


俺は真剣な目つきで先輩を見る。


「頑張ってね。私はずっと楓ちゃんを応援するわ。」


「せ、せんぱい。」


今にも泣きだしそうな弱弱しい声で俺は言う。


「大切な人をちゃんと守るんだよ。楓ちゃんなら、できるわ。」


もう失ってるよ先輩。


先輩こそ守るべき存在だった。


でも、もうこれ以上後悔しても意味ない。


先輩が守ってくれたように、俺は、、、


「泣いたっていいのよ。」


先輩は涙を堪えようとする俺に言う。


「悔しいときは泣いていいのよ。その分強くなるんだから。」


泣いた分だけ強くなる。


よく言う言葉だ。


でも、その言葉は今の俺に深く突き刺さった。


泣きじゃくる俺を先輩は何も言わずにただ俺の頭を撫で続けた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


有坂吹雪。


私の親はシングルマザーだった。


でもそんな母は病気になってしまい、のちに亡くなった。


本当にいい母だった。


本当に大好きだった


ずっとお母さんに守られてきた。


ずっと一緒位にいれる。


そう思ってた。


でもそんな日々は一瞬で去りました。


私はお母さんの妹の家に引き取られた。


本当のおかあのように優しく育てられた。


特にいとこと言える。五歳年上の麻耶さん。


彼女は本当に綺麗で、優しくて、本当に完ぺきだった。


憧れの存在で、ずっと追いかけてた。


私のこの世で母の次に大好きな存在でした。


でも、そんな大切な人を、私はまた失ってしまった。


どうして、こんなにも私は、、、


でも、私のせいだから、麻耶さんは、、、、


ある日、麻耶さんは私を遊びに連れて行ってくれました。


歩いて向かってるその時でした。


死角から曲がってくる車。


それを見た瞬間、麻耶さんは私を抱きしめた。


そのまま二人とも車に吹き飛ばされる。


私は麻耶さんのおかげで計上で済みました。


しかし、麻耶さんは違います。


頭から流れ出る血。


手からも、足からも、、


「麻耶さん!、麻耶さん!」


何歳だったかな。


私は泣きじゃくりますが、何もできなかった。


「ごめんね。吹雪ちゃん。遊び行きたかったね、、、」


「そんなことより、麻耶さんが、、、」


「ごめんね。今日で吹雪ちゃんと話すのが最後になるとは思わなかった、、」


今にもどこか行ってしまいそうに麻耶さんは言う。


「吹雪ちゃん。大切な人をちゃんと守るんだよ。」


私は泣きながら頷く。


「私も大切な人を守れて良かったな。」


「私がいなくなっても頑張ってね。私はずっと吹雪ちゃんを応援してるから、、、」


そう言い残して、麻耶さんは天国へ行ってしまった。


会いたいな。


お母さんも、麻耶さんも。


私、お母さんみたいになれてるかな。


私、麻耶さんみたいになれてるかな。


お母さん、麻耶さん、私の体育祭見てくれた?


二人ほど立派じゃないかもしれないかもしれないけど、、、


大切な人を守れたよ。


だから、後悔はないからね。楓くん。


















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では、またお会いしましょう!

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