第五十一話 体育祭
また、出てしまった。
退学者が。
しかも、俺の部活のマネージャー。
間違いなく凪の仕業だ。
凪が何をしたいのかは分からないが。
俺が絶対に潰す。
それに、これ以上犠牲は出せない。
ありがとな、凪。
俺に焦りというものを教えてくれて。
そして、後悔させてやる。
俺をここまで怒らせたことをな。
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「今日は体育祭ですね。頑張りましょう。」
早くも体育祭当日。霜月に話しかけられる。
「ああ。お互いベストを尽くそう。」
ベストか。
去年の俺は全力で体育祭には挑まなかった。
だが、今回は、、、やろうか。
「今日は体育祭です。皆さん、頑張りましょう!」
みんなの前で仕切るように綾華が言う。
『オー!』
それに対してクラスのみんなも答える。
今日の体育祭、楽しみつつも俺はやるべきことをやる。
これ以上犠牲を出さないために。
「楓。頑張ろうな!」
「そうだな。水無月。」
絶対に勝つ。
緑岡だけじゃなくて、全員倒すつもりで挑む。
グラウンドに全生徒が集まり、体育祭開会式が始まる。
ダラダラと先生たちの話を聞き終え、ついに体育祭が幕を上げる。
「絶対勝つぞ!」
『オー!!』
クラスの指揮もバッチリだ。
最初の種目は個人走。
単純なかけっこだ。
一年から順に走る。
二年の俺たちは自分たちの待機場所でそれ見る。
1年生の顔ぶれを見る。
「凪、、、」
思わず呟いてしまい、隣の水無月になんだお前みたいな反応をされる。
凪がいない。
俺は立ち上がる。
俺を呼ぶもの目で追うものみんないたが、気にせず俺はその場を去る。
焦るな。罠かもしれない。
焦る俺を誰かが背後から肩を優しく叩く。
「ふ、吹雪先輩。」
久しぶりの再会に、思わず感動する。
「楓ちゃん久しぶりね。なんかあった?」
「いえ、なにも。体育祭頑張りましょう。」
「嘘ね。」
「え、、」
「楓ちゃん。焦ってるわよ。」
「吹雪先輩、、」
「確かに、そうですね。何かあったらまた、助けを求めるかもしれません。」
「いつでもいいなさい。すぐ助けるわ。」
「ありがとうございます。先輩」
優しい先輩に俺は思わず涙ぐむ。
「言ったでしょ。私は楓ちゃんの味方なんだから。」
そう言って彼女はクールにその場を去る。
かっこいいな。
俺もあんな先輩になりてーな。
よし、落ち着こう。
深呼吸だ。
「楓せーんぱい!」
背中がざわつく。
「凪、、」
突然凪は現れる。
「頑張ってくださいね。」
「ありがとう。」
「じゃあ、私個人走行ってくるね。」
「ああ。」
凪は本当に何がしたいのか分からない。
悩む俺は一旦待機場所に戻った。
一年生が走り終わり、二年の部だ。
男女に別れて行うため、先に女子が走る。
それを、男子が応援する。
友達がどんな走りをするか見るのは結構面白い。
まずは綾華だ。
まあ、、何回も見たことがあるが。
思った通り、完璧なフォームで走る綾華は圧倒的な差で一位を掴み取る。
お、紅と武藤がちょうど戦うのか。
確か、紅は早かったような。
思った通り紅は一位をとった。
俺のクラスは順調にポイントを増やしていく。
続いて霜月。
と、神月か。
また面白い対決だ。
霜月も神月も綺麗にスタートを切り、抜いたり抜かれたりを繰り返し、ゴール付近で霜月が追い抜く。
二人ともめっちゃ早いじゃねえか。
そろそろ女子の番も終わり男子に突入だ。
俺は周りの危険を確認しながらスタート位置につく。
誰が相手かな、、、、
隣には知らない奴ばかりだが、その中に本木がいた。
まあ誰でもいいか。
スタートの合図と同時に俺は走り出す。
ロマンチックを演出するため、2位のモトキのスピードに合わせる。
ゴール付近で差をつけ、一位で俺はゴールする。
「うおーーー!」
「きゃーー」
誰が走っても飛び交う歓声を、俺は実感する。
こんなに聞こえるものなのか。
「速かったです!楓くん」
待機所に戻ると、霜月か迎えてくれる。
「楓は速いのですよ。」
どこか自慢げに綾華が言う。
「お前らも速かったぞ。」
そんな話をしながら三年生の走りを見る。
ここからの団体戦が本番だろう。
期待と不安を身に覚え、俺は席を立つ。
凪からの着信だ。
「わざわざ電話でなんだ。」
「せーんぱい。ビビってるんですか?ちょっと会いたいんですけど、来てくれます?」
「行かない。綱引きの作戦会議だ。」
「え~私一人じゃないですよ。いいんですかあ?」
「誰だ。」
「神月先輩だよ~。早く来ないと、危ないんじゃないですかあ?」
「チッ。場所はどこだ。」
自然に舌打ちが出る。
俺は凪に言われたところへすぐに向かった。
たとえ、これが罠であったとしても、、、
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