第四十九話 黄瀬川凪という女
黄瀬川 凪
まさか、緑岡の手下なのか?
わざわざバスケ部に入ったり、もしかして俺のスパイに気づいていたりするのか?
敵は緑岡だけだと思っていたが、早くも緑岡陣営は三人。
緑岡、東条、凪。
それに対してこちらは俺、神月の二人。
まあ霜月姉妹に協力してもらうことも出来るが、基本は二人だ。
夏休みも開ければまた戦うことになるのか。
分からないが、緑岡が何がするなら俺が止める。
楽しみだな。
不安以上に楽しみが湧いてくる。
神月とアイスを食べた後、疲れ果てたみんなは着替えて帰宅した。
俺も帰宅しようとしたが、気になるので少しスパイとしての仕事だ。
俺は緑岡財閥本店に行くことにした。
まあ、普通に行く感じだ。
何か察したのか神月もついてきた。
「何か気になることが?行って何かわかるの?」
「少し思い出してな。」
俺たちは緑岡財閥に入る。
まあ普通の銀行って感じか?
やはり大きさ、雰囲気は凄いが。
掲示物が貼ってある所を見る。
社長 緑岡 森輔
「息子は林で父は森か。」
「どこに反応してんのよ。」
俺の意味の分からない発言に神月がツッコミを入れる。
「お、書いてあるじゃん」
社長の名前の下に他の名前も書いてある。
もちろん、財閥の中でトップの人たちの名前しかないが。
「やはりか、、、」
俺は見た事のある名を見つける。
○○○
俺の考察は当たるかもしれない。
「用は済んだ。行こう。」
「あ、もういいの?分かった。」
そうして帰宅した。
俺はある人に電話をかける。
姉だ。
実は俺には姉がいて、市役所で働いている。
「○○○って人のこと住民票とかで調べられないか?」
「あのさ、第三者が勝手にさあ」
「俺の姉ならそんくらい出来ると思うんだけどなー」
「まあ、見といてあげるよ。可愛い弟の頼みだもんね。お姉ちゃん捕まったらよろしくね。」
「ありがとう。」
「何が知りたいの?住所?」
「いや、旧姓が知りたい。」
「え?まあいいや。わかったよ。」
理解が早い姉で助かる。
姉にこんなところで助けられるとは思わなかった。
よし、海に行った今日も終えると、明日から学校がまた始まる。
充実した二学期を送りたいと思う。
『おはようございます!』
学校はまた始まる。
始業式をして、担任が話をする。
「二学期はイベントがたくさんだ。主に体育祭、修学旅行。まずは体育祭。今からそれについて話す。」
そう言って先生はプリントを配る。
俺は先生の話を聞かず、一人でそのプリントと向き合い、内容の理解に務める。
体育祭
ルール
・クラス対抗(学年問わず)
・ポイント形式で戦う
・クラス対抗なため、応援団は廃止
競技
・徒競走
・綱引き
・騎馬戦
・リレー
以外と少ないな。
読み終わった俺は先生の話を聞く。
「あー別にほかのクラスと手を組むとかしてもいいらしいぞ。よく分からんが、みんな頑張ってくれ。」
やっぱウチの担任は適当だ。
ほかのクラスと手を組む、、
間違いなく緑岡が考えているだろう。
まあ、協力してくるクラスはあまりないと思うが。
「あー今決めれるならリレーの選手決めちゃって」
先生が言うのでみんなで決めることになる。
男女二人ずつらしい。
「誰かやりたい人はいますか?」
委員長の綾華が話を進める。
「誰もいないのですか。うーんそうですね。楓くん足早かったですよね?」
なんで俺に話振るんだ。
いつもだったら断るが今回は誘いを受けてみようかな。
今回は緑岡と戦えるチャンスかもしれないからな。
「早いかは分からないが、やってみようかな。」
「本当ですか。ありがとうごさいます。他は、、」
議論の末、結果、男子は俺、徳永。女子は綾華と紅になった。
今日でだいぶ体育祭の話がされて、みんなワクワクだ。
俺も楽しみと不安で溢れている。
緑岡。俺はお前との勝負を楽しみにすることにする。
お前は俺のスパイに気づいているのか?
俺の本気。緑岡にはどれくらい通用するかな。
ブー
スマホの通知が鳴る。
姉からだ。
流石我が姉、仕事が早い!
すぐに電話に出る。
「黄瀬川さん、だよね。もう離婚してるみたいだよ。旧姓は‥」
黄瀬川というのが、俺の調べている人だ。
凪の母親のことだ。
返事はたった二文字だったが、俺はその名前鳥肌が立つ。
予想通りではあったのだが。
「緑岡」




