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第二章 どうやら俺のスパイ行動は人の恋路をスパイするだけではなかったらしい。
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第三十九話 霜月有栖という女

「かわいいぞ。綾華。」


楓くんの声が聞こえます。

それを聞くと心が締め付けられます。

綾華さんが羨ましいと思ってしまいました。


「有栖ちゃん。やっぱりスパイやめようや。」


神楽坂さんの言う通りそろそろ心が持たなそうです。


「そうですね、、、」


「もう疲れたから、今日はもう帰ろっか。」


二人とも私に気を使ってくれています。

紅さんの言う通り今日は帰ることにしました。


家に帰り一人ベッドに顔を伏せます。


いつからでしょう。


意識し始めたのは最近かもしれません。


でも楓くんのことを好きになったのはきっと、もっと前です。


恋をするというのは初めてでした。


だから、楓くんに抱いていた気持ちが恋という気持ちだったのは分からなかったのです。


この気持ちが恋と気づかされたのは間違いなく綾華さんです。


綾華さんに宣戦布告?されたとき。

あれ以来、綾華さんと楓くんが話しているのを見ると胸が締め付けられます。


あれからは楓君が好きなのは自分でも理解しています。


楓くんに抱いていたこの気持ちは恋だったのだと分かったのです。



この学校に転入してからは楽しい日々を送れています。

みんな優しいのです。


でもやっぱり楓くんが一番優しいです。


なんか一見冷たいのですが、一つ一つの行動に思いやりを感じるのです。


楓くんが私と話してくれなかったら私はきっと今も一人でした。


繰り返される記憶。


私はこの学校に来るまで友達がいなかった。


いや、一人しかいませんでした。




小学生も中学生も私はあまり話すのが得意でないということもあり、独りぼっちでした。


そして、いじめ。


ああ、久しぶりに思い出してしまいました。



「先生。私の筆箱が無くなっちゃいました」


私が言うと、クラスのみんなはザワつく。


「可愛いからって調子乗ってるのよ」


聞こえてくる一軍女子の悪口。


それでも私は頑張って学校に行ってました。


ある時、私に友達が出来ました。


四倉京子(よつくらきょうこ)


それが私の唯一の友達でした。


何があっても京子ちゃんは私の味方でした。





私は1年生の冬に転入してきました。


でも、実は転入では無いのです。


私は実は最初からこの学校に入学する予定でした。


京子ちゃんと。



中学校を卒業してから、京子ちゃんは交通事故で亡くなりました。


私は最愛の友達を失い、自殺まで考えました。


半年以上家で引きこもりでした。


いつ頃でしょう。


京子ちゃんのお母さんが訪ねてきました。


私に一言だけこう伝えました。


「京子の分まで一生懸命生きてくれると嬉しいな。」


それから私は頑張って学校に行くことにしました。


またいじめられるんじゃないかって本当に怖かったです。


でもなぜか私は隣の楓くんに、声をかけていました。


私が京子ちゃんに話しかけられたように。


私も京子ちゃんみたいになりたいです。


普段は何気ない顔をしているけど、ふとした時のかっこよさ、頼れる姿、優しさ。


楓くんは京子ちゃんに似てるかもしれません。


京子ちゃんも楓くんも私の憧れで、二人のようになりたいのです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私は今、またスパイをしています。


楓くんと綾華さんです。


けど今回はいつもの恋路をスパイすることとは一味違います。


少し興味深い話が聞けそうです。


「ねえ楓。なんでなの」


「だから、俺が追いついてないだけだ。」


「何を言ってんの。楓、私にテスト負けたこと無かったよね。」


「綾華は高校でも努力して偉いな。俺はもう勉強は嫌いだ」


「そんなの昔からでしょ。幼馴染の私にしょうもない嘘はつかないで」


「嘘ではないぞ」


「はぁ、、、去年の体育祭もさ、なんか温存してやってるように見えたし、なんでなの」


「もう、めんどくさいんだ。なにもかもが」


「なんで?勉強もスポーツも確かに今まで楓はいつもトップクラスだった。高校ではもっと凄いライバルとかがいるんだよ?緑岡とかさ、やり合ったら楽しいんじゃない?」


「緑岡とはどうせその内戦うことになる」


「え?」


「俺の勘だ」


「楓の勘は当たらないし、意味わかんない。」


「その時が来ればいずれ本気を出す。」


「楓?」


そこにいる楓くんはどこかいつもと違う雰囲気を感じました。


「今まで本気でやってきて、わかったんだよ綾華」


「、、、」


「俺だってやりたくなくて本気を出さないんじゃない。」


「じゃ、じゃあ」


「本気を出す理由がないんだ」




ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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