第三十八話 霜月有栖はスパイします
「ねえ。楓」
文化祭から日は立って、翌週の金曜日。
放課後に綾華は元気に話しかけてくる。
「この前、文化祭一緒に回れなかったからさ、明日遊ぼ?」
綾華はなぜか恥ずかしそうに言ってくる。
「分かった。ちょうど明日は暇だ。どこに行くんだ?」
「見たい映画あるの!」
そうして、俺は今綾華と映画館に向かっている。
いつものショッピングモールの映画館だ。
なんか、デートみたいだなあ。そう思いながら歩いていると、
「楓。今日はデートだね」
思っていたことを言われて変な声を出してしまう。
「あれ、楓恥ずかしいの?」
綾華はこんなキャラだっただろうか。
なんか最近綾華はおかしい気がする。
そうして、映画館につき、綾華の見たい映画を見る。
そういえば、何を見るか聞いていなかった。
綾華に貰ったチケットをみる。
『本当にあった怖い話』
また、ホラー映画かよ。
たしか霜月とも林間学校でホラー映画をみたな。
映画思っていたよりも怖く、声を必死に抑える。
隣でみている綾華もめっちゃビビっている。
隣から手が伸びてくる。
その手はいつの間にか俺の手をつかむ。
俺はそれを見ずに映画に集中していると、無意識に自分も握り返す。
初めて女子と手握ってね?
俺は頭の中で考える。
あれ、でもなんか誰かと握った気がする。
おかしいな。今の状況は初めてではない気がする。
なんででだ。なんで俺はこの状況が初めてではないと感じているのだろう。
考えるばかり、その後は映画に集中できなかった。
モヤモヤする俺だが、その後は綾華の買い物に付き合わされた。
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私、霜月有栖です。
ちょっと今日は、スパイをしようと思ってます。
楓くんが綾華さんに誘われていたこと、もちろん聞こえてました。
なんなら、綾華さんは聞こえるように言っていたような気がします。
スパイというなのストーカな気がした私は、誰かを誘おうとします。
悩んだ挙句、紅さんと神楽坂さんを誘ってみます。
二人とも快く承諾してくれてよかったです。
三人で向かう途中、紅さんに言われます。
「楓のこときにしてるの?」
「え?」
「綾華ちゃんと楓が遊ぶこと聞こえてたでしょ?」
図星の私は何も言えません。
「やっぱ、楓のこと好きなんでしょ?」
「あれ、有栖ちゃん。楓くんのこと好きだったんか~。」
私は熱くなる頭を冷やすように水を飲みます。
「恥ずかしがらなくていいんやで~。人間はみんな恋する生き物や。」
神楽坂さんはそういいますが、本当でしょうか。
「じゃあ、神楽坂さんはいるのですか?」
「うーん。どうやろなあ。」
「ほら、水無月君とか仲良くないですか?」
聞きたかったのを聞けましたよ!楓くん。
「あー水無月くんなあ。水無月君はたしかにめっちゃ優しかったで。ありかもしれんなあ。」
水無月君は順調のようです。
「紅さんは柊君とはどうですか?」
「うえ!私!?」
「そんなに驚かんくとも流れ的に茜ちゃんの番やろー」
「いや、別に私は、、」
「それを好きっちゅうんっやで、茜ちゃん。」
「分かってるよ。最近雄太の告白。OKしてもよかったかなあって思ってる。」
うわあ。やばいです。恋愛に慣れてない私は想像だけでにやけそうです。
歯茎、動かないで下さい。お願いします。
ここでニヤケたら変な人すぎます。
「え!茜ちゃん。柊くんに告白されたんか!?」
去年クラスが違う神楽坂が知るはずがありません。
「あ!言っちゃった!」
「なんや、茜ちゃんも順調なんか。良かった良かった。」
「別に、そんなことないからっ」
『あ』
私と神楽坂さんは同時に声を上げます。
「楓くんやないか?あれ」
私の目に映っているのも楓くんです。
そして隣には綾華さん。
「だ、大丈夫や有栖ちゃん。付き合ってるわけではないやろし。」
「大丈夫ですよ。」
綾華さんに言われてますから。
「楓は私のものです」
大丈夫です。
こんなんじゃ私は折れませんよ。
「ちょっと追ってみようか?」
「ストーカーじゃん!」
「いいえ。スパイですよ。」
「せっかくなのでこれを、、」
「サングラス?」
「顔を隠さないと楓くんにバレちゃいます。」
「逆に目立つような、、、」
「そうですか?」
「いや、大丈夫やろ~」
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「楓。試着するから待ってて~」
「ああ。」
俺は綾華の服選びに付き合っている。
綾華が試着室で着替える間、俺はスマホを眺めていると、少し視線を感じて振り向く。
サングラスをかけた三人組が俺を見ている気がする。
(って、霜月じゃね?それに紅、神楽坂じゃねえか!サングラスでばれないとでも思ってんのか?)
少し耳を澄ませると霜月の声が聞こえる。
「これなら大丈夫ですね」
(大丈夫じゃねーよ!俺がスパイというものを教えてやろうか!?)
「楓。どうかな?」
一人でツッコミを入れていると、着替え終わった綾華が試着室からでてくる。
「似合ってるぞ」
綾華はいつもおしゃれでお嬢様っていう感じの服なのだが、今回はいつもと変わってカジュアルというかカッコいい服だ。
カッコいい服と真反対かのような顔の可愛さ。
一周回って似合っている。
「それだけ?」
「かわいいぞ。綾華。」
「あ、ありがと」
顔を真っ赤にした綾華は急いで試着室のカーテンを閉じた。
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