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序章 人の恋路をスパイするらしい
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第三話 クリスマスは俺を置き去る

期末テストが終わった。

そこそこの出来だっただろう。

テスト終わりはみんな遊ぶものだろう。

俺も柊や猿田と遊びたいところだが、俺も柊も部活なのだ。


ちなみに柊はアーチェリー部である。

バスケ部もアーチェリー部も休みがかなり少ない。


猿田についてだが、帰宅部といったところだ。

三人で少し話をしてから俺は久しぶりの部活に向かった。向かう途中で後ろから突然話しかけられる。

少し驚いたが、綾華なようだ。


「テストはどうでしたか?」


テスト後ではあるあるの会話を交わす。


「そこそこだったかな」


綾華もかなりいい出来だったようだ。順位発表が楽しみだ。


部活が始まると、朝日先輩の姿がなかった。よく見ると夜もいない。二人して風邪を引いたらしい。


「二人して同時に風邪とか付き合ってるの確定じゃねえかよ」


狸はボールのボールを磨きながら呟く。

まあ確定だろう。

だが、二人の体調が心配だ。

流石にサボって遊んでいることは無いだろう。

夜がサボるならまだしも、朝日先輩がサボることはきっとない。おそらく本当に体調が悪いのだろう。


「朝日、大丈夫か?」


なんて話を先輩たちもしているのが聞こえる。

しばらくすると、顧問が来て、いつも通り練習に励んだ。


練習後、クラスに忘れ物を取りに行こうと一人で教室に向かった。


薄暗い中、隣クラスに一人座り込んでいる女子を通り際に見かける。

顔を机に伏せているため、俺には顔が見えなかった。


黒い髪が美しく隙間風になびいている。

俺の目に映る後ろ姿は夜にしか見えなかった。

俺には泣いているように見えた。

そんな彼女に俺は声をかけるか迷った。

胸騒ぎがする。

でも声をかけることは出来なかった。


もしかしたら俺はこの時、声をかけなかったことを後悔するのかもしれない。

でも、俺の足は動かない。

この時の俺に勇気が出ることはなかった。


しばらく何日間、俺はこの日のことが忘れられなかった。

あれは夜だったのか、風邪を引いているのは嘘だったのか、あれが夜なら何を考えていたのか、朝日先輩と夜に何かあったのか。

知りたくても俺一人ではどうにもならなかった。



あれから、一週間くらい経った。

この一週間は特に何もなかった。

今日もいつも通りの一日を過ごし、部活へ向かう。

今日は、テストの順位が出たらしいので部活へ向かうついでに少し立ち寄って見てみることにした。


一位 1-A 神谷(かみや) 綾華(あやか)


二位 1-B 猿田(さるた) 紫耀(しょう)


三位 1-B 緑岡(みどりおか) 林太郎(りんたろう)


四位 1-A 本木(もとき) (ちから)


五位 1-B 如月(きさらぎ) 鈴花(りんか)


六位 1-C 神月(かみづき) (さくら)


七位 1-B水無月(みなずき) 蒼空(そら)


八位 1-A武藤(むとう) 愛里(あいり)


九位 1-D徳永(とくなが) 翔斗(しょうと)


十位 1-B柊(ひいらぎ) 雄太(ゆうた)


俺の学年はA.B.C.D.までの4クラスがあるが、俺のクラスから五人も順位表に載っている。


今回の1位は綾華だった。

いつもは猿田が一位だったが、綾華が遂に一位を取ったみたいだ。

俺の友達はみんな頭がいいようだ。

俺は別に勉強に興味が無い。

そういえば、三位の緑岡と五位の如月が、最近付き合い始めたとクラスで噂になっていたことを思い出す。


美男美女カップルができたなと思っていたが、頭もいいのか。

俺はスマホを取りだし綾華に


「おめでとう」


と一言メールを送ってから部活へ向かった。


部室に着くと朝日先輩の姿があった。

そして夜も。

軽く挨拶を交わして部活の俺は用意を始める。

どうやら朝日先輩はインフルエンザにかかっていたようだ。

夜はインフルエンザではなかったようだが、あまり理由を言いたくなさそうだったので誰も詳しく聞く人はいなかった。


その後は何事もなくいつものように部活に励んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



期末テストが終わったところであと一週間もしないうちに、冬休みに突入しようとしている。

そんな中、俺は考え事をしていた。

クリスマスが来るのだ。


そう俺は今のところ「クリぼっち」なのだ。


柊や猿田と遊ぶ事も考えたが、あいつらは非リア三人衆と名乗る割には予定があるらしい。


ふと、綾華が思い浮かんだが、好き同士でもないのにクリスマスを過ごすのは違う気がする。


そんな中、一通のメールがきた。狸だ。


「クリスマス、徳永と三人でどっか行こうぜ!」


そういえば狸と徳永がいたな。

クリスマスを友達過ごせることに喜びを感じるともに、女子ではなく男同士でクリスマスを過ごすという、虚しさも覚える。


徳永は、バスケ部の一員で仲良くしている一人である。

頭も良く、バスケもそこそこできて、面白い。

だがモテない。それが徳永だ。

そういえばテスト九位にランクインしていたな。なんてことを思い出す。


予定が決まった所だが、俺はせっかくの休日を全てゲームとアニメ鑑賞に費やし、この日を終えた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



猿田(さるた) 紫耀(しょう)


俺がこの高校に入学してから仲良くしている一人だ。

あまり覚えていないが、俺の趣味である麻雀繋がりで仲良くなった覚えがある。

猿田は、成績優秀、そして運動もある程度こなす優等生と言った所だ。

だが猿田もやはりモテないのだ。


そんなモテない仲間の猿田だが最近、クラスの鴨志田 葉月 (かもしだ はづき)という女子と仲良くしているのをよく見かける。

テスト勉強で猿田が鴨志田に教えたことがきっかけでそれからかなり仲良くなっているそうだ。


もしかして、猿田はクリスマスに鴨志田と遊ぶのではないか。

なんてことをふと思う。

猿田には幸せになって欲しいが、非リア三人衆から俺と柊を置いていかないでくれ。

と思っていると、柊の声が聞こえる。いつもより大人しい声に俺は思わず耳を傾ける。


「25日のことだけど、映画のあと、イルミネーションでいいかな?」


「分かった。楽しみにしてるね。」


柊の質問に一人の女子は答える。


おそらく、いつも柊と仲良くしている(くれない) (あかね)だろう。

にしても紅茜という名前はかっこいいな。といつも思う。


だが、ここで重要なことに気がつく。


そう、猿田が鴨志田とクリスマスを過ごす可能性がある中、柊までも女子と遊ぶというのだ。

これで非リア三人衆に置いてかれるのは俺だけの可能性が高まる。


「はぁ」


俺は思わずため息を吐いた。


まあ、猿田も柊も頑張ってくれ。

とりあえず非リア三人衆という名前を使うのはもうやめた方がいい。そう思った日なのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この日の放課後起こったことであった。


部活帰りの夕方。

一年Cクラスを通りかかると夜と朝日先輩が窓から見える。

俺は思わず立ち止まる。


見てはいけないかもしれない。

でも俺の足はそこを動こうとしない。


俺の目に映ったのは、この前見たような、泣いている夜と、それを慰める朝日先輩の姿であった。


ーーーーーーー


クリスマス当日。


俺は朝から狸と徳永と合流した。


そして、俺はここずっと頭からあの日のことが離れない。

もちろん夜と朝日先輩のことだ。

一年C組の知り合いに聞いた話だが、朝日先輩がインフルエンザにかかっている間、夜は体調不良だったわけではなく、部活には来なかったが、学校には来ていたらしい。

やはりこのカップルには何かあるのではないか。

そう思ってしまう。


少なくとも夜に何かあるのではないか。

そう思ってしまうのが自然だろう。

一人で抱え込んでも何も変わらないため、バスケ部仲間である二人に俺は相談してみる。


「夜と朝日先輩が付き合ってるには何が理由がありそうだな」


狸が、厨二病くさく言った。

でも、やはり情報が少なすぎる。

分かるのは、最近の夜がおかしい。それだけである。


「とりあえず、夜の事はしばらく気にかけてみよう。」


徳永の提案に俺と狸は素直に頷く。


「とりあえず、今日はクリスマス楽しもうぜ!」


狸はそう言って俺たちはショピングモールに向かった。


クリスマスのショッピングモールはやはり凄い装飾だ。

そして数多くのカップルが歩いている。

そんな中俺たちは男三人で歩く。


午前中は適当にショッピングをして、お昼を食べた後、映画を見る予定だ。


「ここ寄っていいか?」


狸が言う。


本屋である。俺と徳永は狸に同意し、中に入る。


「ここの本屋は本当にでかいな」


俺は思わず呟く。


ここに来る度にそう思うくらいここの本屋はでかい。

本はもちろん、文房具など、ここに来れば困ることは無いだろう。


雑誌コーナーを通り過ぎ俺たちは漫画コーナーに向かう。

狸が読んでいる本の最新巻が出たらしい。

俺が知らない漫画だが、俺も漫画は好きなため、色々な漫画に目を通す。


すると、見た事のある人影を見つける。

俺は思わず目で追ってしまう。


なんだよ、俺はどんだけ人の恋愛を見てればいいんだ?


俺の目に映るのは、友達の猿田。


そして隣には美しい顔立ちをした鴨志田葉月の姿がそこにあった。



ご愛読ありがとうございました!

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していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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