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序章 人の恋路をスパイするらしい
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第二十五話 解散


「もう明日でこのクラスも解散ですね。悲しいです。」


テストが終わってからの二週間。俺の三月は一瞬で過ぎ去ってしまった。

特になんの味もない。普通の二週間だった。

このクラスも今日で終わりか。

ほんとに一瞬だったな。


入学してから何か月はうまくいかないこともあったが、楽しい一年だった。

入学して、文化祭、体育祭、バスケ部合宿に林間学校。

友達も猿田や柊を始め、水無月や緑岡。それから霜月。本木や神月など他クラスにも友達ができた。

一番記憶に残っているのは、やはりバスケ部の件だろう。

夜と朝日先輩から始まり、あんな複雑なことが起こっていたなんて思ってもいなかった。

にしても夜が久保をスパイする側だったとは、今でも驚きだ。スパイをきっかけに朝日先輩と付き合ったのもまた驚きだ。


この高校に入ってから、無意識にもスパイをたくさんしている気がする。

バスケ部の件以外にも、偶然ではあるが、猿田や柊、緑岡の恋愛など、ただの盗み聞きではあるが、

おれも立派な高校生だ。少し格好をつけてスパイとでも言わせてもらおう。


二年生。なにが起こるかわからないが、始まるのを楽しみにしておこう。


「また、同じクラスになれるといいな、霜月。」


俺がそういうと、霜月は笑顔で頷いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「みんなああ、一年間ありがとうううううう」


水無月は泣きそうになりながらそう言う。

ついにこの日が来てしまった。


今日でBクラスも解散だ。


終業式もあっという間に終え、午前中で下校だ。


「楓。いくよな!打ち上げ」


「そうだな。誰を誘うか」


最後くらいクラス全員でもいいのだがな。


「俺たちと仲良い男子とその彼女とか連れて、十人くらいでいいだろっ」


「猿田と鴨志田、いい感じの柊と紅。あたりか?」


「そうだな。後霜月さんも呼ぼう。後は誰かいるかなあ」


俺、水無月、猿田、鴨志田、柊、紅。緑岡は、、少し誘いづらいな。


「6人だがいいか?」


ガラガラ


突然教室の扉は開く。


「楓!打ち上げ行こうぜ!」


「打ち上げはクラスで行くものじゃないのか?」


「どうだっていいだろ!予定あったか?」


「楓。ちょうど人数もよさそうだし、合同でやらないか?」


「いいのか!?」


本木は嬉しそうだ。


「面白そうだな。後誰が来るんだ本木。」


「綾華に武藤。それから神月と神月の友人だな。」


「ちょうど十人くらいじゃん!」


そうして、そのメンバーで打ち上げに行くことになった。

打ち上げと言ったら、やはり焼肉だ。


俺が座る隣には円状に左から水無月、柊、紅、鴨志田、猿田、本木、武藤、綾華、神月、神月の友達、そして俺の右隣に霜月だ。


「初対面の人もいるでしょうし、自己紹介でもしましょう。」


そうして、順番に自己紹介をしていった。

俺だけはみんな知っているからしなくてもいいかなと思ったが、神月の友達がいるようだ。


「やばい。楓」


ボーっとしていた水無月が突然話しかけてくる。


「どうした」


「かわいくねえか。あの子」


水無月の視線の先は神月の友達だろうか。


確かにかわいいが、この空間にいる女子はみんな美人で気づかなかった。

かわいいとは思うが、正直あまり俺の好みではない。

水無月にはドストライクのようだ。

クラスが一緒になって、水無月も仲良くなれるといいな。


その例の彼女は口を開く。


「うち、神楽坂心っていいます。地元の方便が抜けきれなくて、関西弁がでちゃうんやけど、みんなよろしゅうお願いやで」


かなりの関西弁だ。話しやすく、いい人そうだ。


自己紹介を終え、一年を振り返る。


「最初の行事は文化祭やったっけ?」


神楽坂の言う通り文化祭だろう。


「そうだな。確かBクラスのお化け屋敷すごかったよなあ」


本木はそう言ってくれる。

確かにBクラスのお化け屋敷はかなり好評だった。


「あれには驚いたなー」


「すまんな霜月。わからないかもしれないが、楽しめなかったらいってくれ」


「いえ、分からないことを知ることはとても楽しいですよ。私もはやくこの高校に来たかったです。」


小声で俺と霜月は話す。


「体育祭はAクラスの圧勝だっけか」


猿田が体育祭の話に変える。


「たしかにAクラスめっちゃ強かった!私たちは二位だっけ?」


紅がそういう。俺の記憶が正しければ、一位がA、二位が俺たちB、三位がCで四位がDだった気がする。


「Aが強すぎただけで、Bもめちゃ強かったよ~」


神月が言う。


「もうその後は林間学校か?ここまでくると、だいぶ最近のことだな」


「林間学校はやっぱ神月のウォークラリーが印象に残っているな」


俺が発言する。


「確かに神月さんの圧勝でした」

綾華は俺に共感している。


「私は指示しただけだよー」


神月はそういうが、その指示がすごいんだぞ。神月。


「そうだ神月さん。次はテスト負けませんからね。それから霜月さんも。」


綾華はやる気があるようでよかった。


その後も話は非常に盛り上がるが、退学の件については誰も触れなかった。

生徒会の話も綾華と神月は避けている感じがした。




「もうこんな時間か」


大分話過ぎたようだ。


「これで終わりか、、」


水無月は悲しそうにそういう。


「みんな今までありがとうな。来年もよろしくね!」


柊がいう。

こいつらとはクラス関係なしに仲良くしたいものだ。


みんなありがとう。全員紛れもない大切な友達だ。


そうして少しづつみんな解散していく。


「楓くん、、楓君とクラス一緒になれなかったら、きっとやっていけない気がします。」


霜月が小声で話しかけてくる。


「大丈夫だ霜月。お前なら俺なんかいなくてもやっていける。」


「楓くん。もし一緒のクラスになれなくても、私と仲良くしてくれますか?」


「当たり前だ。いつでも俺のところに来てくれ。」



大丈夫だ。二年生になっても、きっと俺たちはやっていける。


これで俺の一年Bクラスの活動は幕を閉じた。









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では、またお会いしましょう!

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