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序章 人の恋路をスパイするらしい
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第二十一話 霜月さんは助けたい。

「楓くん、来ないね」


「今日で三日です。何があったのでしょうか。」


楓くんが学校に来ません。何があったのでしょうか。私はその事について、前の席の紅さんと話ています。


「柊君は何か知りませんか?」


「すまんな霜月さん。俺も心配なんだけど、連絡つかなくて。家もわかんねーんだよな。」


家ですか。私が楓くんの家を知っていれば良かったのですか、残念ながらそれは分かりません。


「誰か知ってる人はいないのでしょうか?」


「どうだろうな。とりあえず先生に楓が大丈夫か聞いてみるか?」


「私が聞いてきます。」


そして、私は先生の元に向かいました。


「先生。少しお時間よろしいでしょうか」


「ああいいぞ。もしや楓のことか?」


「そうです。彼は大丈夫でしょうか。」


「詳しくは分からないがバスケ部で揉めて、病みかけているらしい」


「私、楓くんの家に行こうかと思います。」


「今確かにの楓には友達が必要かもしれない。俺たち先生では力になってやれない。ついでに俺からの差し入れを持って行ってくれるか」


先生はそう言って楓くんの家を教えてくれました。

もちろんプライベートに関わるので、他言無用ですし、マップもありません。私の頭に記憶してきました。

誰か連れていくべきでしょうか。

でもやはり私一人で行くことにします。

私はこの学校に来てから楓くんに沢山お世話になりました。

今度は私が楓くんを助けます。


ピンポーン


まさか、楓くんはアパートに住んでいるようです。


待っても声は帰ってきません。


「楓くーん。いますか!?」


扉のドアはかかってないようです。


「入り、ますよ」


私は、入ることを決心します。部屋は至って普通で割と整っています。寝室のような場所のベッドの上に楓くんはいました。


「勝手に入ってすみません。でも鍵は閉めなきゃだめですよ」


「し、しもづきか?」


楓くんの声は弱々しいです。


「顔を見せてくれませんか?」


「霜月。すまない。俺は人間不信になってしまいそうだ。こうして話しているお前も何かあるんじゃないかって怖くなっちまう。」


「楓くん」


何があったのかは私には分かりません。でも楓くんが辛い思いをしたこと、頑張ったことは伝わってきます。


「退学者が出たのは知ってるだろ。」


「楓くん。隣、失礼します。」


三角座りでうずくまっている楓くんの隣に座ります。

男女二人でベッドの上にいるのは危険かもしれませんが、今はそんな状況ではありません。


「楓くんは頑張りました。みんなわかっているはずですよ。」


「俺もう裏切られるのが怖い。今まで友達だったのに急に失うのが怖い。」


私は楓くんの頭を左手で撫でます。そして右手は肩を撫でます。


「私に楓くんの辛さは分からないです。でも一つだけは言えます。私はずっと楓くんのそばに居ます。」


「霜月、、」


「仮にみんなが楓くんのもとを離れても私はずっとついて行きます。私は楓くんを信じています。だから楓くんも私を信じて欲しいです。それではダメでしょうか。」


「それにきっとBクラスのみんなは楓くんの味方ですよ。安心して大丈夫です。」


楓くんは黙ったままですが、泣いていて、鼻をすする音がします。


「では、そろそろ失礼します。元気が出たら来てくださいね。みんな楓くんを待ってますよ。あとこれ先生からの差し入れです。」


「霜月」


突然呼ばれ私は立ち止まる。


「ありがとう」


「辛い時はいつでも言ってくださいね」


私は振り返らずにそう言って、楓くんの家を出ました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


もうなんかどうでも良くなってきた。

俺から離れるやつはどうせ離れてくし、ついてくるやつはついてくる。

世の中は結局そういうもんだ。

狸とはきっと最初からあのようになる運命だったのだろう。


まあ、実を言ってしまうと狸の件は案外すぐに忘れられた。

じゃあなんで引き篭ったのか。

俺の心に突き刺さることを少しだけ思い出したのだ。

少し、いや、だいぶ前の事を思い出した気がする。

全部ではない。ほんの少しだけ。

これ以上は思い出さないようにしないとな。


それは絶対に思い出したくない過去だった。

正直立ち直れないし、立ち直るにはまた忘れるしかない。

だから少しだとしてもいち早く記憶から消したりたかった。


俺はスマホを見る。見てない間にかなり通知が溜まっていたようだ。

みんなから心配のメッセージが届いている。


「俺、何を心配してたんだろ」


明日からは行くか。

俺はベットから立ち上がる。

そういえば、腰もだいぶ楽になったな。順調に回復しているようで、二年生には復帰できそうだ。


明日からまた、がんばるか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「楓!」


教室に行くと、みんなが心配してくれた。


「心配かけてすまなかった。もう大丈夫だ。」


俺はそういっていつも通りの席に座る。


「おはようございます。楓くん」


霜月はいつものように挨拶をしてくる。


「ああ、おはよう」


霜月はあえて何も言って来ないのだろうか。

俺もあえて、お礼などは言わないでおく。


そして、いつもどおりの日常を過ごす。

昼休み、少し面白そうな話が聞こえてきた。


「鈴花。放課後ちょっと話せるか」


緑岡がそう言う。そういえば如月が緑岡のことを心配していたが、何かあったのだろうか、気になる。


「霜月。今の聞いたか?」


「緑岡くんの話ですか?」


俺と霜月は耳元で会話する。


「そうだ。面白そうじゃないか」


「確かに。面白そうではありますね。」

 

「久々にスパイでもしますかね」


「え?」


まずい、つい心のセリフが漏れてしまった。俺ももう元気なようだ。


「ふふ、二人で見に行っちゃいますか?」


霜月は笑ったあとそういう。


霜月が助手というのも悪くないな。


「行くか」



放課後、霜月と二人でこっそり緑岡の後を追った。

ただの好奇心であるが、やばそうだったらもちろん引き返す。俺も常識はあるため多分大丈夫だろう。

いい隠れ場所を見つけ、そこに二人で隠れる。


「この前、柊くんの時もこんな感じでしたね」


確かにそうだったな。あの時はたまたまだったが。

すると如月が来て、緑岡が口を開く。


「別れよう」


は?マジで言ってんのか緑岡。ついこの前までイチャイチャしてただろ。

俺も霜月も唖然としている。


「嫌だよ林太郎。最近元気ないと思ったら、なんで急に、、、私相談に乗るっていったじゃん。なんで何もいってくれないの」


如月は今にも泣きそうだ。

すると、緑岡はとんでもないことを言う。


「完璧じゃないお前は、俺には必要ない」




ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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